水魔法しか使えませんっ!〜自称ポンコツ魔法使いの、絶対に注目されない生活〜
アラクネの最期 前編
「そこまでだ。」
まさかこのタイミングで邪魔が入ろうとは、、、
条件反射で入り口の方を見る、とそこには全身黒い格好をした人間が立っていた。
「何だ貴様は?」
・・・コロセ。
何かがおかしい、あの男を見た瞬間から体が自分のものじゃ無くなったような。
「アラクネ、ヤバい、勇者だ」
・・・ユウシャ、コロセ。
イオリが何か言っている。でも私の耳にはもう聞こえてない。
「私の邪魔ヲスルノカ?」
・・・コロセ、ハヤクコロセ。
私の口から出ている言葉すら、私が言ってる自覚が無い。
「アラクネ、聞いてる?アラクネ!?」
コロセ!
頭の中では冷静な自分がいる。
「邪魔ヲ、スルナアァァァァァ!!!」
瞬間、第二の侵入者に向かって私は突進していった。
今の私に出来る事は、今起きている事を見ているだけ。
脚などで様々な攻撃をするが、全然当たらない。
まるで私の行動が全部読まれてしまっているような、、、
さっきイオリはユウシャと言っていた?ユウシャ、、、勇者?
これが勇者の持つ力だと言うの?
攻防はそう長くは続かなかった。
「はい、おつかれさん。」
言い終わるかどうかの所で、私の腹にドスッという感触があった。
体の制御が出来ていないからか、痛みはあまり感じなかった。
ズルリ
勇者が手を引き抜くと、その手には薄紫の何かが握られていた。
「ガ、、、カエセッ、ガエゼッ!」
「良かった、ちゃんと取れた。ゲームだとここを突けば取れるってだけだったから。」
勇者は手に持った私の魔石をちらりと眺めると、おもむろに魔石を貫いている魔剣を引き抜いた。
「僕がほしいのはこれだけだから、魔石は返すよ。呪われてるし。」
そう言って私の方に魔石を投げると、イオリの方を一瞥し。
「じゃーまたね。“テレポート”」
勇者の足下に魔方陣が表れ、一瞬光った後にその場から消えてしまった。
、、、私は、死ぬんだろうな。
結局、魔王様やお父様の言いつけも守れず、イオリと一緒に出る事も叶わず。
何にも出来なかった私には相応しい最期ね。
、、、最期に、イオリに、、、一言だけ。
「ごめん。」
一緒に行けなくて、遠くに飛ばされたみたいだし、聞こえてないかもしれないけど。
それに反応するかのようにイオリがこっちに賭けだしてくるのが見えた。
今にも泣きそうな顔をしてる。
あんな顔、初めて見たな。
あいつの普段見られない顔を見て、たまらず笑みがこぼれる。
それを最期に、私の意識も闇に沈んでいった。
まさかこのタイミングで邪魔が入ろうとは、、、
条件反射で入り口の方を見る、とそこには全身黒い格好をした人間が立っていた。
「何だ貴様は?」
・・・コロセ。
何かがおかしい、あの男を見た瞬間から体が自分のものじゃ無くなったような。
「アラクネ、ヤバい、勇者だ」
・・・ユウシャ、コロセ。
イオリが何か言っている。でも私の耳にはもう聞こえてない。
「私の邪魔ヲスルノカ?」
・・・コロセ、ハヤクコロセ。
私の口から出ている言葉すら、私が言ってる自覚が無い。
「アラクネ、聞いてる?アラクネ!?」
コロセ!
頭の中では冷静な自分がいる。
「邪魔ヲ、スルナアァァァァァ!!!」
瞬間、第二の侵入者に向かって私は突進していった。
今の私に出来る事は、今起きている事を見ているだけ。
脚などで様々な攻撃をするが、全然当たらない。
まるで私の行動が全部読まれてしまっているような、、、
さっきイオリはユウシャと言っていた?ユウシャ、、、勇者?
これが勇者の持つ力だと言うの?
攻防はそう長くは続かなかった。
「はい、おつかれさん。」
言い終わるかどうかの所で、私の腹にドスッという感触があった。
体の制御が出来ていないからか、痛みはあまり感じなかった。
ズルリ
勇者が手を引き抜くと、その手には薄紫の何かが握られていた。
「ガ、、、カエセッ、ガエゼッ!」
「良かった、ちゃんと取れた。ゲームだとここを突けば取れるってだけだったから。」
勇者は手に持った私の魔石をちらりと眺めると、おもむろに魔石を貫いている魔剣を引き抜いた。
「僕がほしいのはこれだけだから、魔石は返すよ。呪われてるし。」
そう言って私の方に魔石を投げると、イオリの方を一瞥し。
「じゃーまたね。“テレポート”」
勇者の足下に魔方陣が表れ、一瞬光った後にその場から消えてしまった。
、、、私は、死ぬんだろうな。
結局、魔王様やお父様の言いつけも守れず、イオリと一緒に出る事も叶わず。
何にも出来なかった私には相応しい最期ね。
、、、最期に、イオリに、、、一言だけ。
「ごめん。」
一緒に行けなくて、遠くに飛ばされたみたいだし、聞こえてないかもしれないけど。
それに反応するかのようにイオリがこっちに賭けだしてくるのが見えた。
今にも泣きそうな顔をしてる。
あんな顔、初めて見たな。
あいつの普段見られない顔を見て、たまらず笑みがこぼれる。
それを最期に、私の意識も闇に沈んでいった。
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