水魔法しか使えませんっ!〜自称ポンコツ魔法使いの、絶対に注目されない生活〜
一縷の希望 後編
「どう見てもボス部屋だよな、、、お邪魔しまーす。」
自分でも予想外の出来事に、しばらく侵入者を見たまま固まってしまった。
金髪碧眼の少年だ、肌の色からして恐らくは人間。
なんだかんだいって初めて本以外で人間を見た。
混乱しながらも何者かを問いかけてみる。
「グッ、グガガ、、、」
あまりにも喋ることがなかったせいで、口がが上手く動かせない。
「ボスレベルなら知性を持っているかと思ったんだけどな、、、」
その時には、私の体はほぼ自動的に動いていた。
恐らくは魔剣の自動攻撃なんだろうと思う。
何にせよ、侵入者を生きて返すわけにはいかない。
「ゴロスッ」
突進しての蹴り、毒霧、魔剣での切りつけ、蜘蛛糸を辺り一面に吹き付け、闇魔法で攻撃を加える。
それらの攻撃を、ヤツは水の盾のようなものを使って捌き続けた。
人間ってこんなに強いの?書物は当てにならないものだわ。
それとも人間は寿命が短い分、一気に成長するのかしら?
何にせよ、大人になる前に殺してしまわなければ、、、
ならば!
「シネッ!!」
“ダークニードル・ダウンプア”
私の魔力を全部つぎ込んで、闇の槍を横殴りの雨の如く発生させる。
不規則に放たれるそれは、私の意識が入り込まないので回避が難しい。
「“アクアショット”“フロウマネジ”」
ヤツの手から発生した水が流れを変え、高速でヤツの周りを回り始めた
侵入者に向かっていった闇の槍は、水の流れをものともせずに進んでいくが、どうしてもほんのわずかにスピードが落ち、軌道が逸れる。
そこをヤツに全てたたき落とされてしまった。
魔力がつき、私は激しい疲労感と共に膝をついた。
万策尽きた私は、うなだれてヤツが近づいてくるのをぼんやり見つめていた。
まさか、初めての戦闘で人間の子供にやられてしまうとは。
強くなったと思っていたのに、なんと自分に都合の良い妄想をしていたのか。
自分で自分が情けなくなってくる。
人間は私の所まで寄ってくると、のど元に刃を突きつけた。
「グゥ、、、コロセ、、、」
もはやひと思いにやってくれれば良い。
何にもお役に立てなかったけれど、それも私らしいってものだ。
「やっぱり知性がある!しかも言葉が通じる!?やったぜ!」
何をいっているんだ?こいつは。
「なぁ、あんたに頼みがあるんだ。」
捕まえて見世物にでもするつもりだろうか、もしくはテイム?
生憎私は部屋から出たら死んでしまうけれどね。
「俺の修行の相手になってくれ!」
「イヤダ、カエレ。」
生き恥を晒すくらいなら死んだ方がマシってものだ。
「まぁいいや、定期的に遊びにくるから、その時に殺しに来てくれればいいよ。じゃあこれはお近づきの印に。」
そういって、革袋に入った果実水と肉を挟んだパンを置いていった。
「どっちも俺のオリジナル、結構いけるよ。それじゃ、また。」
そう言うと、出て行ってしまった。
「、、、、、」
それからヤツは本当に定期的に表れては私と戦い、休憩をしながら話しかけてきた。
私も最初は無視を決め込んでいたが、誰かと喋りたい気持ちに抗えず、少しずつ会話をするようになった。
少年の名はイオリと言うらしい。
水魔法しか使えない出来損ないだと言う。
大体、戦闘中なんかは誰だって得意な魔法しか使わないもんだろうに、それが欠点だと本気で思ってるんだろうか?
私は、もう自分の家名は名乗らなかった。 
もうあの家に私の居場所は無いのだろう。
こんな姿の私にも普通に話しかけてくる
それがどれだけ私の心の救いになっていたか、ヤツには分からないだろう。
そしてそんな奇妙な関係が始まってしばらく経った時、遂に恐れた日がやって来た。
イオリは、もうここには来ないと言う。
どれだけ止めても、意志は硬いようだった。
また、私はここで一人ぼっちになってしまうのか?
そんなの嫌だ!どうして皆私を一人ぼっちにしてしまうのだ!
そんな私に、一緒に来るかと持ち掛けてくれた。
しかし、そんな事できっこない。
魔王様との契約はそんな生易しいものではない。
しかしそれすらも、イオリは答えを見つけてくれた。
いつも人の想像の斜め上を行く少年は、私の状況を瞬時に理解し、答えを出してしまった。
、、、例え失敗して命を落とすとしても、後悔はしない。
イオリは私に生きる希望をくれた。
それにしても、魔石を自身で作ってしまうとはつくづく想定外の男だ。
自分でも予想外の出来事に、しばらく侵入者を見たまま固まってしまった。
金髪碧眼の少年だ、肌の色からして恐らくは人間。
なんだかんだいって初めて本以外で人間を見た。
混乱しながらも何者かを問いかけてみる。
「グッ、グガガ、、、」
あまりにも喋ることがなかったせいで、口がが上手く動かせない。
「ボスレベルなら知性を持っているかと思ったんだけどな、、、」
その時には、私の体はほぼ自動的に動いていた。
恐らくは魔剣の自動攻撃なんだろうと思う。
何にせよ、侵入者を生きて返すわけにはいかない。
「ゴロスッ」
突進しての蹴り、毒霧、魔剣での切りつけ、蜘蛛糸を辺り一面に吹き付け、闇魔法で攻撃を加える。
それらの攻撃を、ヤツは水の盾のようなものを使って捌き続けた。
人間ってこんなに強いの?書物は当てにならないものだわ。
それとも人間は寿命が短い分、一気に成長するのかしら?
何にせよ、大人になる前に殺してしまわなければ、、、
ならば!
「シネッ!!」
“ダークニードル・ダウンプア”
私の魔力を全部つぎ込んで、闇の槍を横殴りの雨の如く発生させる。
不規則に放たれるそれは、私の意識が入り込まないので回避が難しい。
「“アクアショット”“フロウマネジ”」
ヤツの手から発生した水が流れを変え、高速でヤツの周りを回り始めた
侵入者に向かっていった闇の槍は、水の流れをものともせずに進んでいくが、どうしてもほんのわずかにスピードが落ち、軌道が逸れる。
そこをヤツに全てたたき落とされてしまった。
魔力がつき、私は激しい疲労感と共に膝をついた。
万策尽きた私は、うなだれてヤツが近づいてくるのをぼんやり見つめていた。
まさか、初めての戦闘で人間の子供にやられてしまうとは。
強くなったと思っていたのに、なんと自分に都合の良い妄想をしていたのか。
自分で自分が情けなくなってくる。
人間は私の所まで寄ってくると、のど元に刃を突きつけた。
「グゥ、、、コロセ、、、」
もはやひと思いにやってくれれば良い。
何にもお役に立てなかったけれど、それも私らしいってものだ。
「やっぱり知性がある!しかも言葉が通じる!?やったぜ!」
何をいっているんだ?こいつは。
「なぁ、あんたに頼みがあるんだ。」
捕まえて見世物にでもするつもりだろうか、もしくはテイム?
生憎私は部屋から出たら死んでしまうけれどね。
「俺の修行の相手になってくれ!」
「イヤダ、カエレ。」
生き恥を晒すくらいなら死んだ方がマシってものだ。
「まぁいいや、定期的に遊びにくるから、その時に殺しに来てくれればいいよ。じゃあこれはお近づきの印に。」
そういって、革袋に入った果実水と肉を挟んだパンを置いていった。
「どっちも俺のオリジナル、結構いけるよ。それじゃ、また。」
そう言うと、出て行ってしまった。
「、、、、、」
それからヤツは本当に定期的に表れては私と戦い、休憩をしながら話しかけてきた。
私も最初は無視を決め込んでいたが、誰かと喋りたい気持ちに抗えず、少しずつ会話をするようになった。
少年の名はイオリと言うらしい。
水魔法しか使えない出来損ないだと言う。
大体、戦闘中なんかは誰だって得意な魔法しか使わないもんだろうに、それが欠点だと本気で思ってるんだろうか?
私は、もう自分の家名は名乗らなかった。 
もうあの家に私の居場所は無いのだろう。
こんな姿の私にも普通に話しかけてくる
それがどれだけ私の心の救いになっていたか、ヤツには分からないだろう。
そしてそんな奇妙な関係が始まってしばらく経った時、遂に恐れた日がやって来た。
イオリは、もうここには来ないと言う。
どれだけ止めても、意志は硬いようだった。
また、私はここで一人ぼっちになってしまうのか?
そんなの嫌だ!どうして皆私を一人ぼっちにしてしまうのだ!
そんな私に、一緒に来るかと持ち掛けてくれた。
しかし、そんな事できっこない。
魔王様との契約はそんな生易しいものではない。
しかしそれすらも、イオリは答えを見つけてくれた。
いつも人の想像の斜め上を行く少年は、私の状況を瞬時に理解し、答えを出してしまった。
、、、例え失敗して命を落とすとしても、後悔はしない。
イオリは私に生きる希望をくれた。
それにしても、魔石を自身で作ってしまうとはつくづく想定外の男だ。
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