水魔法しか使えませんっ!〜自称ポンコツ魔法使いの、絶対に注目されない生活〜

地蔵さん

魔族もやっぱりブラックなのか?

「まぁ何にせよ、そろそろ来れなくなると思うんだよね」
「あー、学園とかゆうやつだろ、人間は面倒だな」


魔族には学校ないのか、日本の妖怪かよ。




「いや、行方不明にでもなって、外国で冒険者にでもなろうと思ってる。」
「お前貴族に生まれたってのに、、、親御さんが悲しむぞ?」


、、、誰だ?こいつに妙な言い回し教えたやつ。




「とにかくそんな訳でさ、お前ら人間の行方不明に一枚噛んでたりしない?食糧的な意味で。」
「お前さらっととんでもないこと言うよな!?」
「大丈夫大丈夫、俺の前世だって年間8万人が行方不明になってんだから。ロコー領とて行方不明の一人や二人。」
「前世ねぇ、、、ありえないわ。8万人はいくらなんでも盛りすぎだわ。」
「あー信じてないな、まぁいいけど。」
「ちなみに私らは人間はメインの食糧にはしてないよ。手ぇ出したら面倒だし。」
「魔族領に入ったヤツ限定みたいな感じか。」
「そうなんだよ、お前も本当は三年前に私の腹の中の予定だったんだけどな。」




こいつと他愛もない事を喋ってると、時が経つのを忘れてしまいそうだ。
でもそうか、最近たまに聞くんだよな。領内の行方不明。


「そっかー、お前らじゃないのか。やっててくれれば俺もそれで死んだ事にできるかなーと思ったのに。」
「そんな散歩いったついでにパン買ってきて、みたいなノリで言うんじゃないわ!」
「そこをなんとか!」
「無理!領主の息子の失踪背負うとかリスクが高すぎる。」


だよねー。まぁ息子っていっても3男だけどね。多分いなくなっても誰も気にしないよ。


「名案だと思ったんだけどな。」
「もっとマシな方法はないの?」
「最近王都で召喚されたとかいう勇者にくっつくなりして脱出とか?」
「1ミリも考えてないことを言うんじゃないよ!」




まぁ、勇者はないな。目立ちそうだし、俺目立つの嫌だし。




「逆にアラクネは勇者の対策とかしておかなくて良いの?」
「ふん、勇者など恐るるにたらんわ。」
「そんだけ自信があれば大丈夫かな?それじゃ行方不明の方法はともかく、どっか逗留したとこから手紙書くから遊びにおいでよ。」
「行きたくても行けないっつーの!」


ブラックだなー、魔族。
そんなに上司の命令に従って生きるのが楽かね?
俺はもうそうゆうのはノーサンキューだよ。


「まあ、仕事が生きがいって事か。まぁ気が向いたらって事で。」
「なぁ、お前本当に行っちゃうのか?」
「そうだねー、それだけは決めてるんだ。」
「行くなよ!お前との生活はすごい楽しいし、充実してるんだよ!」
「なんだー?アラクネ、お前もしかして寂しいの?」
「寂しいんだよ!!」
「、、、。」


、、、茶化したはずなのに直球で返されるとは。
こうゆうときに、直情型は思ったままを口にするから困る。

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