水魔法しか使えませんっ!〜自称ポンコツ魔法使いの、絶対に注目されない生活〜
修行の成果
「あー!!また負けたー!!」
「これで俺の30勝29敗、ついに逆転だな!」
「なんでー!?剣も手元に残ってるし、糸も足にしっかり絡ませたのに!」
「残像だ」
実は残像でも何でも無い。
足についていた蜘蛛糸は、糸の内側から水をしみ出させ、内部から押し上げさせていた。
だから見た目にはがんじがらめになって身動きがとれない状態だっただろうけど、実際にはぶかぶかの長靴でもはいてるような状態になっていた。
さらに、飛ばされた短剣の柄と俺の手のひらを水で作成したロープでリンクさせておき、いつでも手元に戻るようにしていた。
というわけで、今回の模擬戦は俺の勝ち。
この《宵闇の樹海》のボスモンスター、アラクネクイーンとは3年以上の付き合いになる。
赤ちゃんの頃から皆にバレないように魔法の修行を重ね、様々な魔法を考案していった。
まぁ考案といっても前世での漫画やゲームに出てきた魔法やスキル、異能なんかがベースになってはいるので、思い出しては再現して試行錯誤という感じではあったけれども。
5才位までに身体強化などの魔法を実用可能なまでになったので、隙を見て家を抜け出してはそこらの魔物を狩っていった。
家の周りには結界が張ってあり、比較的弱い魔物しか出ないようになっている。
一定以上の強さの魔物、具体的にはここの使用人が単独で倒せないレベルの魔物には強力な負荷がかかる結界で、弱い魔物には負荷が掛からない。
具体的には食料になるオークは素通り、食べられないオーガは負荷が掛かるって感じ。
ちなみに、本来はオークっていうとソロで倒す事は想定されない。けれどもうちは場所が場所なので、住まうだけでもそれだけのレベルが求められる。
オークまでの強さの魔物は特に問題なく相手できた。
身を隠すことのしない魔物ばかりだし、スピードも遅い。
最初は遠距離からアクアショットをぶつけて怯んだ所で目を刺したり、小規模な波を発生させて足を払ったり、直接口に水を流し込んで窒息させたりして安全に戦い、徐々に物理のみで倒せるように、身体強化の仕方を模索していった。
敷地内でやることがなくなったら、更に外へ、さらに魔族領へ。
まだ子供扱いなのでそこまで遠くにはいけない。
そんな中見つけたのがこの宵闇の樹海だ。
行って帰ってきてと考えると、ここまでが限界だった。
樹海内は新発見の連続だった。
森は虫型、動物型、植物型の魔物にとっては実力を100%出せる環境だ。
木の上、裏、地面の下など、360°気が抜けない環境というのは、気配の察知、自身の気配の遮断の修行に持ってこいだった。
そんな中で出会ったのがこいつ、アラクネの親玉だ。
初めて会ったとき話しかけて来たのが意外で、そこからよくつるむようになった。
といっても、最初は「殺ス」とか「死ネ」とか「クッ、、、殺セ」とかボキャ貧もいいとこだったのだけれども。
最近は割と普通の人間の如くしゃべることができる。
本当は見た目少女だし、のじゃロリに調教してやろうかとも思ったんだけど、俺自身があんまり活用形が分からないのであきらめた。
仲良くやってる、とこっちは思ってるけど、あっちはいい迷惑と思ってるかもな。
そんなこんなでこっちの戦闘の修行をさせてもらいつつ、色々話しなんかをして過ごしてきた。
ここなら人の目もないし、自重せずに修行ができるってもんだ。
最初は近接だけではどうにもならなかったのが、最近では最低限の身体強化と水魔法のサポートで一本とれるようになってきた。
「お前も段々パターン増えてきたね、前よりは明らかに強くなってる。」
「グググ、勝った奴に言われても嬉しくない!」
「そっかー、後は感情が昂ったときの突撃グセがなければ更に良くなると思うよ。」
「チクショー!絶対に今度はこっちが勝つ!」
んー、考えてみりゃ、実家を出奔したらこいつともお別れなんだなぁ
「てゆーかもう帰れよ!人間の、しかも子供のくせに!」
やっぱり実は嫌だったか
「そうだよなぁ、お前も迷惑だったろうし、もうここには来るのやめるよ。」
「エッ!?ナンデ!?」
「いやいや、迷惑だったろ?」
「い、いや、そんなことはないぞ?どうせなら毎日来てくれ!一人でずーっとここの守りをするのは嫌なんだよ!」
「たまには休みでもとって旅行でも行けば?」
「そんなことできるわけないだろう!」
やっぱりそうだよなー。
うちの親父もそうだけど、隣に敵がいたら休めないわな。
「これで俺の30勝29敗、ついに逆転だな!」
「なんでー!?剣も手元に残ってるし、糸も足にしっかり絡ませたのに!」
「残像だ」
実は残像でも何でも無い。
足についていた蜘蛛糸は、糸の内側から水をしみ出させ、内部から押し上げさせていた。
だから見た目にはがんじがらめになって身動きがとれない状態だっただろうけど、実際にはぶかぶかの長靴でもはいてるような状態になっていた。
さらに、飛ばされた短剣の柄と俺の手のひらを水で作成したロープでリンクさせておき、いつでも手元に戻るようにしていた。
というわけで、今回の模擬戦は俺の勝ち。
この《宵闇の樹海》のボスモンスター、アラクネクイーンとは3年以上の付き合いになる。
赤ちゃんの頃から皆にバレないように魔法の修行を重ね、様々な魔法を考案していった。
まぁ考案といっても前世での漫画やゲームに出てきた魔法やスキル、異能なんかがベースになってはいるので、思い出しては再現して試行錯誤という感じではあったけれども。
5才位までに身体強化などの魔法を実用可能なまでになったので、隙を見て家を抜け出してはそこらの魔物を狩っていった。
家の周りには結界が張ってあり、比較的弱い魔物しか出ないようになっている。
一定以上の強さの魔物、具体的にはここの使用人が単独で倒せないレベルの魔物には強力な負荷がかかる結界で、弱い魔物には負荷が掛からない。
具体的には食料になるオークは素通り、食べられないオーガは負荷が掛かるって感じ。
ちなみに、本来はオークっていうとソロで倒す事は想定されない。けれどもうちは場所が場所なので、住まうだけでもそれだけのレベルが求められる。
オークまでの強さの魔物は特に問題なく相手できた。
身を隠すことのしない魔物ばかりだし、スピードも遅い。
最初は遠距離からアクアショットをぶつけて怯んだ所で目を刺したり、小規模な波を発生させて足を払ったり、直接口に水を流し込んで窒息させたりして安全に戦い、徐々に物理のみで倒せるように、身体強化の仕方を模索していった。
敷地内でやることがなくなったら、更に外へ、さらに魔族領へ。
まだ子供扱いなのでそこまで遠くにはいけない。
そんな中見つけたのがこの宵闇の樹海だ。
行って帰ってきてと考えると、ここまでが限界だった。
樹海内は新発見の連続だった。
森は虫型、動物型、植物型の魔物にとっては実力を100%出せる環境だ。
木の上、裏、地面の下など、360°気が抜けない環境というのは、気配の察知、自身の気配の遮断の修行に持ってこいだった。
そんな中で出会ったのがこいつ、アラクネの親玉だ。
初めて会ったとき話しかけて来たのが意外で、そこからよくつるむようになった。
といっても、最初は「殺ス」とか「死ネ」とか「クッ、、、殺セ」とかボキャ貧もいいとこだったのだけれども。
最近は割と普通の人間の如くしゃべることができる。
本当は見た目少女だし、のじゃロリに調教してやろうかとも思ったんだけど、俺自身があんまり活用形が分からないのであきらめた。
仲良くやってる、とこっちは思ってるけど、あっちはいい迷惑と思ってるかもな。
そんなこんなでこっちの戦闘の修行をさせてもらいつつ、色々話しなんかをして過ごしてきた。
ここなら人の目もないし、自重せずに修行ができるってもんだ。
最初は近接だけではどうにもならなかったのが、最近では最低限の身体強化と水魔法のサポートで一本とれるようになってきた。
「お前も段々パターン増えてきたね、前よりは明らかに強くなってる。」
「グググ、勝った奴に言われても嬉しくない!」
「そっかー、後は感情が昂ったときの突撃グセがなければ更に良くなると思うよ。」
「チクショー!絶対に今度はこっちが勝つ!」
んー、考えてみりゃ、実家を出奔したらこいつともお別れなんだなぁ
「てゆーかもう帰れよ!人間の、しかも子供のくせに!」
やっぱり実は嫌だったか
「そうだよなぁ、お前も迷惑だったろうし、もうここには来るのやめるよ。」
「エッ!?ナンデ!?」
「いやいや、迷惑だったろ?」
「い、いや、そんなことはないぞ?どうせなら毎日来てくれ!一人でずーっとここの守りをするのは嫌なんだよ!」
「たまには休みでもとって旅行でも行けば?」
「そんなことできるわけないだろう!」
やっぱりそうだよなー。
うちの親父もそうだけど、隣に敵がいたら休めないわな。
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