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アパートのとなりに引っ越して来た年上のお姉さんが美人でしかも巨乳だったけど、紳士でいたいからひたすら目を逸らしていたら『普通に見て良いよ』と言ってくれた

三葉 空

2 となりのお姉さんに招かれる

「あ、おはよう。山本くん」


「お、おはようございます、町田さん」


 朝。


 早起きして大学に行く時はいつも少し憂鬱だったけど。


 最近では、この時間が楽しみでならない。


「今日もお勉強、頑張ってね」


「はい。町田さんも、頑張って下さい」


「ありがとう。行って来ます」


 爽やかな笑顔を浮かべて、町田さんは出勤して行く。


 その姿を、俺はふやけた顔で見送っていたことだろう。


 だって、ロクに彼女もいない冴えない大学生活を送っていたのに。


 いきなり、あんな美人のお姉さんがお隣に引っ越して来るなんて。


 しかも、巨乳だし。


『普通に見て良いよ』


 な、何て優しい。天使あるいは女神のような人だ。


 お言葉に甘えて、さっきもチラ見してしまった。


「町田さん、何カップかなぁ?」


 そんな下らないことを妄想しながら、俺は大学へと向かった。




      ◇




 今日は大学の授業が夕方頃まであった。


「はぁ~、疲れた」


 俺はため息を漏らしながら言う。


「あら、山本くん」


 その声を聞き、俺はハッとする。


「あれ、町田さん?」


 彼女はアパートの階段下でスーパーの袋を下げていた。


「また奇遇だね」


「そうですね」


「山本くん、今日これからバイト?」


「いえ、今日は休みです」


「そうなんだ。じゃあ、もし良ければなんだけど……一緒に夕ご飯を食べない?」


「えっ?」


「ちょっと食材を買い過ぎちゃって」


 町田さんは舌を出して言う。


 可愛いなぁ。


「そ、それは、町田さんのお部屋で、町田さんの手料理をいただけるということですか?」


「ええ、そうよ。いきなり迷惑だったかな?」


「そんなことありません。ぜひとも、町田さんの手料理をいただきたいです」


「うふふ、ありがとう」


 町田さんは笑顔で階段を上って来る。


「あ、持ちますよ」


「ありがとう。山本くんは紳士ね」


「いや~、それほどでも」


 俺は思い切り鼻の下が伸びていただろう。


 けど、そんなの関係ない。


「さあ、どうぞ」


「お邪魔しまーす」


 俺はとうとう、町田さんの部屋に足を踏み入れた。


 そこは、同じアパートの同じ間取りの部屋……なのに、こうも俺と違うか。


 当たり前だけど、きれいに整理整頓されているし、何か良い匂いもする。


「じゃあ、早速作っちゃうね。今日はお鍋をしようと思って」


「あ、俺も手伝いますよ」


「良いのよ、山本くんはゆっくりテレビでも見ていて」


「そ、そうですか?」


 俺はリモコンを取ってテレビを付ける。


「よし、と」


 町田さんは軽く気合を入れるように腕まくりをした。


 正直、俺はテレビとかどうでも良かった。


 素敵な町田さんをじっと見つめている。


「どうしたの?」


「あっ、いや……キッチンに立つ姿も素敵だなって」


「うふふ、ありがとう」


「町田さんをお嫁に出来る男は、幸せ者だなぁ~、なんつって」


「そんなことないわよ。彼氏だっていないしね」


 俺はその旨を全力で心のノートにメモした。


 よっしゃ! こんな巨乳美人なのに彼氏が無しと来た!


「そうなんですか。もったいないですね、町田さんはすごくきれいなのに」


「やだ、照れちゃうから」


 クソ可愛すぎる。


 何だこの年上のお姉さんは、素敵すぎるぞ。


 もう、ムラムラが止まらねえ!


 いや、落ち着くんだ、俺。


 せっかく、こんな素敵なお姉さんとお近づきになれたんだ。


 もっと紳士的に行こう。


 そして、あわよくば……


『山本くんって、素敵ね』


『町田さんこそ、素敵です』


 な~んて、二人は良い感じに……ハァハァ。


 だから、落ち着くんだ、俺。


「はい、お待たせ~」


 そんな下らない妄想をしている内に、町田さんがテーブルに置かれていたカセットコンロの上に鍋を置く。


「山本くん、火を付けて」


「あ、はい」


「弱火で良いよ。食べながら、冷めない程度に温めよう」


「了解っす」


 パカッ、と鍋のふたが開く。


「わぁ、美味そうっすね」


「そう? 嫌いな具材とかない?」


「嫌いな食べ物はないです」


「偉いのね」


「えへへ」


 いかん、俺。


 デレデレしすぎだろ。


 もっと気を引き締めて、男らしく凛々しい顔を町田さんにアピールするんだ。


「じゃあ、よそってあげる」


「あざす」


「あ、そうだ。山本くんって、もう20歳?」


「ええ、この前が誕生日だったので」


「あっ、そうなの。だったら、ケーキでも買ってくれば良かったわね」


「そんな、良いですよ。これだけでもう、十分すぎるくらいです」


「そう? じゃあ、二人で乾杯しましょ?」


 町田さん冷蔵庫に向かうと、2本の缶ビールを持って来る。


「ビールは飲める?」


「はい。ビール党です」


「お、良いね~。最近の若い子はあまりビールを飲まないでしょ?」


「そうっすね。けど、町田さんだって十分若いですよ」


「やだ、もう。26歳なのよ?」


「若いっすよ!」


「でも、山本くんの6個も上だよ?」


「いやいや、最近の男は年上が好きですから。むしろ、最高です」


 言った直後、軽くしまったと思う。


 ちょっと調子に乗り過ぎたか……


「うふふ。もう、山本くんったら」


 けど、町田さんは笑ってくれている。


「じゃあ、食べましょう?」


「はい」


 こうして、俺と町田さんの二人鍋が始まった。








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