彼女たちを守るために俺は死ぬことにした
10/25(日) 日野 苺①
予報通りの晴れで、行楽日和の朝。ファンタジースタジオのゲートを10人で見上げた。
「キャーーー! ファンスターーー!!!」
「落ちつきなさい、いの」
「夜まで遊びましょうね! 最初は何かしら、ジェットコースター系はどう!?」
「いえ。ファストパスから取るのが効率的。今なら新しくできた熾ス罪凍ル咎ヲ纏シ杭が気になるわ……。つまらない上に少人数制で、CP最悪って噂なのよ。きっとすぐに撤退するから、早く乗っておかなければ!」
吉崎と凛々姉が歩いているとは思えないほどの速さで、ゲートをくぐって行ってしまった。
「いっちーどれ乗るー?」
「わーーー!! 初めてだから、全部!!」
「ねえねえ、みんなでラビハウス行こー」
「音和ちゃんらしいですね♪ スタンプ集められるみたいですよ」
七瀬、いちご、音和、詩織がその後に続いて行く。仲が良くて何よりだ。
「…………」
「…………」
「…………」
「えっと、男4人?」
女の子とキャッキャウフフができると思っていたのになぜか男だけのグループが残った。
地獄かよ。
「俺、男だけで遊園地なんてちょっと無理なんだけど」と、鈴見。
「こちとら音和とのドキドキ♡未来デートのリハーサル予定だったんですけどーーー!? もちろん子どもが生まれてからのファミリーデートはまた別の話」と、野中。
「これは……。やはり小鳥遊くんに幹事力を求めてしまったのが運の尽きでしたね」と、八代。っていうか、カッチーン!
「いやいやいや、これ仕方なくね!? 好きなメンバーで回ればいいじゃん?」
「全く好きなメンバーではないが」
「奇遇だな、俺!も!だ!よ!! 女子が楽しそうだからいいだろ、我慢しろよ」
「はあ。なぜ我々がきみみたいな童貞の塊と一緒に遊園地など」
「!! お前彼女いるからって、そういうこと言うの良くないぞ!! 引くわ!!!」
最後は泣き声だった。
だがしかし。八代の隣を見ると、意外にも鈴見が白くなって固まってるではないか!
「す……鈴見ーーーーー!!!」
俺は鈴見を抱擁した。
「味方にこんなボロボロにされてかわいそうに……って、野中はゆっくり八代の方に歩み寄るんじゃねーー!!」
「ふむ、君はこちらだろうな」
「顔判断!!?」
野中がなにやら八代に耳打ちする。
「なるほど」
「え、なに!? なんで握手してるの!? うそでしょ、野中まじなの!?!?」
どうやら野中にまで裏切られたらしい!
「あーーもう、お前ら勝負だ!! 男はドンパチしかねえ」
ファンスタには大きなゲーセンがある。
そのなかに2〜4人対戦の仮想サバゲができるマシンがあって、俺と野中もよく街のゲーセンでも遊んでいる、お気に入りのゲームだ。
俺は鈴見の首に腕を回し、勇み足でゲーセンへと足を踏み入れた。
マシンにコインを入れて、チームを組む。自分の武器を選ぶ画面で、顔面蒼白だった鈴見がやっと口を開いた。
「……クソが。おい日本刀を出せ」
「武士かよ! ねえよ、そこから選べよ!」
鈴見、静かにキレとるやないかい!
「淫行野郎ども、覚えておけよ! 童貞の底力見せてやる……」
嫉妬の炎で燃え上がる俺はスパンと、スタートボタンを叩いた。
………………
…………
……
昼前、園内でばったりと凛々姉&吉崎チームに出会った。
「あれ、チュン太たちじゃない。……た、楽しそうね?」
「あっ凛々姉〜〜! 当たり前じゃん、男同士ってそーいうもんだぜ?」
八代と肩を組んで、ダンスを踊り出しそうなほどGO・KI・GE・Nな俺。
「フフフ。小鳥遊くんが身を挺してかばってくれたときは感動だったよ」
「そんな、俺は慣れてるし当然のことをしただけさ。それより野中、やっぱりお前のテクはいつ見ても惚れ惚れするわ。単純にお前が好き」
「そもそも俺のゲームセンスはプロと同等だから当前なんだけどさ、鈴見の銃さばき、まるで刀に見えたんだけどどうやってんの!?」
「心が囁くままに動いたらああなったまでだよ。しかし頭脳戦になると、八代くんは全知全能の神と言えよう」
お互いにべたべたと溶けそうなほど褒め合う。
「んじゃ凛々姉、俺たちこれからマカロンアイス買って映えてくるんで! ウフフ♡ あとでね♡」
「あ、ああ……。じゃあ、ランチのときに……」(ドン引き)
いえーい、男同士って、最☆高ゥ!!!
「キャーーー! ファンスターーー!!!」
「落ちつきなさい、いの」
「夜まで遊びましょうね! 最初は何かしら、ジェットコースター系はどう!?」
「いえ。ファストパスから取るのが効率的。今なら新しくできた熾ス罪凍ル咎ヲ纏シ杭が気になるわ……。つまらない上に少人数制で、CP最悪って噂なのよ。きっとすぐに撤退するから、早く乗っておかなければ!」
吉崎と凛々姉が歩いているとは思えないほどの速さで、ゲートをくぐって行ってしまった。
「いっちーどれ乗るー?」
「わーーー!! 初めてだから、全部!!」
「ねえねえ、みんなでラビハウス行こー」
「音和ちゃんらしいですね♪ スタンプ集められるみたいですよ」
七瀬、いちご、音和、詩織がその後に続いて行く。仲が良くて何よりだ。
「…………」
「…………」
「…………」
「えっと、男4人?」
女の子とキャッキャウフフができると思っていたのになぜか男だけのグループが残った。
地獄かよ。
「俺、男だけで遊園地なんてちょっと無理なんだけど」と、鈴見。
「こちとら音和とのドキドキ♡未来デートのリハーサル予定だったんですけどーーー!? もちろん子どもが生まれてからのファミリーデートはまた別の話」と、野中。
「これは……。やはり小鳥遊くんに幹事力を求めてしまったのが運の尽きでしたね」と、八代。っていうか、カッチーン!
「いやいやいや、これ仕方なくね!? 好きなメンバーで回ればいいじゃん?」
「全く好きなメンバーではないが」
「奇遇だな、俺!も!だ!よ!! 女子が楽しそうだからいいだろ、我慢しろよ」
「はあ。なぜ我々がきみみたいな童貞の塊と一緒に遊園地など」
「!! お前彼女いるからって、そういうこと言うの良くないぞ!! 引くわ!!!」
最後は泣き声だった。
だがしかし。八代の隣を見ると、意外にも鈴見が白くなって固まってるではないか!
「す……鈴見ーーーーー!!!」
俺は鈴見を抱擁した。
「味方にこんなボロボロにされてかわいそうに……って、野中はゆっくり八代の方に歩み寄るんじゃねーー!!」
「ふむ、君はこちらだろうな」
「顔判断!!?」
野中がなにやら八代に耳打ちする。
「なるほど」
「え、なに!? なんで握手してるの!? うそでしょ、野中まじなの!?!?」
どうやら野中にまで裏切られたらしい!
「あーーもう、お前ら勝負だ!! 男はドンパチしかねえ」
ファンスタには大きなゲーセンがある。
そのなかに2〜4人対戦の仮想サバゲができるマシンがあって、俺と野中もよく街のゲーセンでも遊んでいる、お気に入りのゲームだ。
俺は鈴見の首に腕を回し、勇み足でゲーセンへと足を踏み入れた。
マシンにコインを入れて、チームを組む。自分の武器を選ぶ画面で、顔面蒼白だった鈴見がやっと口を開いた。
「……クソが。おい日本刀を出せ」
「武士かよ! ねえよ、そこから選べよ!」
鈴見、静かにキレとるやないかい!
「淫行野郎ども、覚えておけよ! 童貞の底力見せてやる……」
嫉妬の炎で燃え上がる俺はスパンと、スタートボタンを叩いた。
………………
…………
……
昼前、園内でばったりと凛々姉&吉崎チームに出会った。
「あれ、チュン太たちじゃない。……た、楽しそうね?」
「あっ凛々姉〜〜! 当たり前じゃん、男同士ってそーいうもんだぜ?」
八代と肩を組んで、ダンスを踊り出しそうなほどGO・KI・GE・Nな俺。
「フフフ。小鳥遊くんが身を挺してかばってくれたときは感動だったよ」
「そんな、俺は慣れてるし当然のことをしただけさ。それより野中、やっぱりお前のテクはいつ見ても惚れ惚れするわ。単純にお前が好き」
「そもそも俺のゲームセンスはプロと同等だから当前なんだけどさ、鈴見の銃さばき、まるで刀に見えたんだけどどうやってんの!?」
「心が囁くままに動いたらああなったまでだよ。しかし頭脳戦になると、八代くんは全知全能の神と言えよう」
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