彼女たちを守るために俺は死ぬことにした

アサミカナエ

2017年 冬⑧


「ねえ知ってる? 部田凛々子さんって時期会長候補だったんだけど、あの1年生の男子」

「応援演説してた男子だよね?」

「そう! あたし聞いたんだけど、部田さんを選挙で落とすためにこっそり動いていたんだって!」


————え?


「聞いた? 生徒会長選挙戦の裏話!」

「応援演説の男の子が裏で票を操作したやつ?」

「生徒会とずぶずぶの関係だったんだって」

「えーなんで!?」

「生徒会長になると忙しくて、構ってもらえなくなるからって理由らしいよ」


————みんな何を言ってるの?


「でも協力もしてたんでしょ?」

「近くにいたほうが、動きが読めるから」

「部田さん友だちいないし、やりやすかったって」

「エグー。引くわー」

「なんでそんなことするの?」

「よく知らないけど、恨みがあったみたい」


——チュン太が……?


「安達くんと仲良かったんだって、あの1年生」

「部田のそばにいて、スパイしてたんだろ?」

「味方かと思ったら敵とかこわーい!」

「うわ、俺なら人間不信になるなー」


————うそ……うそだよね……?

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