僕の学校生活

ネンネコ

止まった時間

それが気持ちよくなかった、と言えば嘘になる。

こんな、胸の中心が霞んだようにひどい眠気と全身から力が抜けるみたいな気分なんだから多分相当きもちいいんだろう。

でも、今はそれの何倍も、ううん、何十倍も恥ずかしい気持ちが勝っていた。

無理やり、それも教室の椅子に女の子の付けるリボンで縛られてされることが気持ちいいはずがない。
男の子が女の子にこんなことをされるなんて、どう考えても恥ずかしすぎる。
なにも知らない僕だってそれぐらいのことは簡単に考ることができた。


「あーぁ、、、つまんなぁい、、、もー、、、、、2回連続ですぐ出しちゃうんだもん」


毎日、彩音達がそんなことをしてくるのか?と言われればそうじゃない。

彩音を含め、このクラスの女の子たちは普段、キホン僕に対して優しい。
とくに彩音は隣りの席とゆうのもあるんだろう。
解らない問題とかを身を乗り出して教えてくれたり、先生からの急な質問に僕が立ちっぱなしでいると手のひらをメガホンみたく口に当て、誰にも聞こえないような小さな可愛い声で、そっと答えを教えてくれることもあった。
そんな時の彩音の顔は同年代とは思えないほどの柔らかい微笑を浮かべ、頼りになるお姉ちゃま、みたくも感じる。


「ホントはさ、、俊平、、、、あたしん中に入れたかったでしょ?、、、、、ね?」


そんな突然の質問に僕は体中をジタバタさせた。


「そ、、、そんなわけないじゃないかっ!!、、、、は、、、はやくほどいてよっ!!」


僕は精一杯、怒った表情を作って彩音を睨みながら大きな声で叫んだ。


「ふーん、、、そぅなんだ、、、、、、ほーんとかなぁ、、、、、なんか、かわいくないし」


尖った顔ですねたような表情をする彩音がひどく大人びて見え、僕は慌てて視線をそらした。


「んー、、、じゃ、お仕置きとしてさ、、今からそうだね、、、、最低2週間は放置だね、、
いい?2週間ぜったいシコシコしないで我慢するんだよ、、、、わかった俊平?、、、
どーんな理由あっても、、、、ぜったい出したらダメ」


ほーち、というのがどんなことか僕にはよく解らなかったけど彩音は静かに僕を見つめそう言った。


「そ、、、そんな変なことするわけないじゃんかっ!、、、、なに言ってんだよっ!!」


「指でさ、、、、撫でただけでわかるから、、、、、したか、してないかなんて」


「だからそんな変ことなんかするわけないって!!、、、、、、おかしいんじゃないのっ!?」


「へー、、すごい自信だね、、、もし、約束やぶったら、、、、放置し続けるから」


「ぷははっ!、、、彩音まじこわー、、、、あんな強烈な刺激あたえたあとにさぁ、、、、
待ってね、、速攻みんなにチェーンメール送るから、、、、、ぷっ!!、、、あははっ!」


聡美は笑いを堪えるように手を口に当て、素早く携帯をいじり出した、、、、、、


一〇〇〇一〇〇〇一〇〇〇一〇〇〇一〇〇〇一〇〇〇一〇〇〇一〇〇〇一〇〇〇一〇〇〇



それから、、、次の日から、、、、、、僕の周りで、、、何かが変わった。

それは得体の知れない空気みたいで、僕を冷たく、そして重たく包み込んだ。
汗ばむような、うだる熱気は窓から入ってくるのに、僕の周りだけ空気が冷たかった。

それがなんなのか僕にはよくわからない。言葉に出して説明できないもどかしさ。
なにかこう、教室全体の空気が一体となって動いてる。そんな気がした。
よそよそしい。というのともちょっと違う。もっと粘ついた陰湿な感じの風景。
こうゆうのを空々しい、っていうんだろうか。

社会の授業中、僕は持ってこないといけない地図の教科書を忘れてきた。

普段なら彩音が僕が言うより先に、寄り添うよう、笑顔のまま僕の隣りで一緒に見せてくれる。
その冷たい空気を肌で感じながらも僕は思い切って彩音に声をかけてみた。


「あ、、、、、、、、あのさ、、、、、教科書、、見せてもらっていいかな?」


「、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、」


無視。
ハラハラと窓から時々入ってくる夏風に揺れる細い髪を1度手ですくと、前を向いたまま澄ました顔で先生の方を向き直した。
僕の心が寂しさでキュッと締め付けられた。
やっぱりそうなんだ。でも、いったい僕がなにをしたというんだろう。
なにもしてないのになんでこんな疎外感を感じないといけないんだろう。

でも、その澄ました横顔を見つめているうち、ううん、正確に言えばその小さな口先を見てるうち、昨日された、気が狂いそうなほどの興奮が僕を襲った。


「俊平っ!、、、この問題わかるか?、、立って答えなさい」


そんなことを考えてると、いきなり太った男の先生が僕を指摘してくる。
問題の意味さえ解らないオロオロした顔で僕はすぐに立った。


「あ!!、、、はい!、、えっーーーと、、、、、、、、ですね」


考えても解らないものは解らない。
期待を込め、チラッと彩音の方を向くと僕の視線から逃げるみたく教科書にゆっくり目を落とした。


「おまえ、、、ちゃんと話し聞いてたのか?、、、、なぁ?、、、、座っていいぞ」


休み時間もそれはずっと続いた、、、、、

彩音だけでなく他の女の子たちも僕の存在さえ忘れてしまったように無視を続ける。
誰に話しかけても、まるで、僕の言葉がこの暑く広がった空気に掻き消されてしまうように、女の子たちはそう振る舞い続けた。
なかにはそうゆう演技が苦手なのか、近ずいただけで僕から素早く立ち去る子もいた。

泣きそうな顔で彩音を見たけど一切視線を合わせようとはしなかった。

「あ、、彩音、、、ぼ、僕なんかしたかな?、、、、そうだったら謝るから」

勇気を出し、振り絞ったそんな言葉もツンと澄ました顔の彩音には通じなかった。

心がひどく悲しかった。泣いてしまいたかった。
男の子の一人もいないこの教室で、僕は完全に孤立したようポッカリと宙に浮いていた。
普段と変わらない教室の感じだけど、絶対になにかが音をたて変化していた。

ジリジリとした日照りのなか、蝉の鳴く声が異常に高く聞こえ、時間がなかなか進んでいかない。
なのに、僕は一人、荒く冷たい川の濁流に溺れたような心で、自分の机を見続けた、、、、、



昼休み、普段なら僕を中心にして輪を作り、おかずのあげ合いっこが始まる最高の時間。

僕は後ろの最後列で、ただ、黙々とご飯を食べ続けた。
教室は広いのに、詰まりそうな息苦しさのなか、おかずの味なんてほとんどしなかった。
舌が麻痺したみたいに痺れ、キョロキョロ動く僕の目は、ただ、ただ周りの様子を気にしている。
女の子達は僕から意識して遠ざかるよう距離をとって固まりあっていた。

隣りに座ってるはずの彩音もいまは居ない。
前の方、大きく円を描いた内で友達と談笑しながら数回大きく笑った。
その話題も僕のことなのか?そう思えるほどのねじ曲がった黒い思いが腹にのしかかった。

給食の時間が終わって、まだ大きな円陣ができてるその側を僕が通り過ぎる瞬間だけ談笑が止んだ。
まるで、一人一人が僕を無視してるみたいで、逆に意識してるようにも感じた。

担任の和也先生が給食の時間、ご飯を食べながら僕の方に目をとめたけど、それも一瞬のことだった。



そんな調子で3日、、、そして4日が過ぎた週末、僕は家のベッドで横になりながら、ふと、あの時のことを思い出していた。

授業中、机の下からゆっくり伸ばされる透き通った腕。
細くしなやかな指の腹を使い、熱くなったものをズボンの上から優しく撫でる彩音の手。
その棒が爆発する直前、包むよう覆われた彩音のクチのなかの感触。

目を閉じると異様なほどあの時の体験が鮮明に蘇った。

そして僕を椅子に縛り、大きくなった棒を、髪を掻き上げながら根元から舐める彩音の舌先。
焦れったくなるほどの初夏の陽光。
それに反射する彩音の濡れた唾液と、僕の先端から滲むヌラヌラ光る透明な液の糸の橋。
その目は挑発するよう大きく見開き、妖しく光りながら僕の挙動を見つめ続けていた。

気付いたときには薄いパジャマのなか、僕のものがビクビクと波打っていた。
履いたパンツを通り越し、透明な液がジワリと小さな波紋をパジャマに描いていく。


(入れた瞬間、、、、、、、、、、、お漏らししないでよ、、、、、クスクス)


ホントのお漏らしみたく広がる濡れた円を見つめるうち、彩音の女の子らしい可愛い声が僕の頭に滞留していった。


(じゃ、、、、、さ、、、、、あたしが1回ヌいてあげよっか、、、、、、、、いま)


ほんのちょっと、ほんのちょっとだけ自分の手を使い、数回しごき上げさえすれば、またあの馬鹿みたいな快感が足元からくるだろう。


(これ以上なめたら、、、、、、、爆発しちゃうね)


まるで夢を見てるみたいに過去の影像がバラバラに流れ脳内を焼いていく。
僕は魔法にかかったよう呆けた顔で、そのパジャマから膨らんだモノを撫でようとした。


(指でさ、、、撫でただけでわかるから、、、、、したか、してないかなんて)


瞬間、僕の手が遠ざかった。その手はまるで他人のもののようでうまくコントロールできない。
少しだけ、少しだけ先の部分だけ撫でてみたい。そんな悪魔みたいな要求が胸をいっぱいにした。

なにも考えないようにすればするほど、感じないようにすればするほど、跳ねるみたいにパジャマのなかで僕のモノが波打って、、、涙が出てきた、、、、、


1週間、、、、、、、、
まだそれは続行され続けていた。
でも、それ以上のことはなかった。無視。永遠のような無視。拷問みたいな無視。
物を隠したり靴に画鋲を入れたり、そんなことをしてくるわけでもなく、ただ淡々とひどく長く感じられる時間だけが流れのない水溜りみたく過ぎていった。
いっそのこと学校に行くことをやめようかと思った。
どうせ僕なんて空気みたいな存在でしかない。行ってもしょうがないんだ。
でも、、隣りの、、、、そう、、、隣りで僕に微笑む彩音を見てみたい、、、、、
そうゆう思いが僕の足を動かした。



13日目、彩音が言った約束の日まであと1日だけだった。
僕はそれを変に意識しないよう、普段どおり授業を受けていた。

教科書に目をやってると、ごく自然に彩音の太股に視線がいった。
今までそうゆうことは何度もあったけど、今の僕にはきつい絵にしかならい。でも見たかった。
それを察知したのか、彩音は無表情のまま、僕に目を合わせないまま、ゆっくり、ゆっくり、焦らすほどゆっくり丈の短いスカートをたくり上げていった。

なんだ?なんのつもり?
僕はそう思いながらも、不自然に展開していくその場所から視線を外せなかった。

見るとパンティらしきものを一切履いていない、その柔らかそうに白く輝いた太股の中心、花びらみたいな綺麗な色の肉層が一瞬、ほんの一瞬だけ突然に僕の網膜に焼きついた。

なっ!!、、、
僕は心でそう思いながら、ゆっくりそのスカートの内側に伸びてゆく彩音の手を目で追った。
半そで、薄ピンクの開襟Yシャツから伸びる腕だけが僕の目を虜にしていく。
中でどうなってるのかわからなかった。知りたい。そう思った。

紺とオレンジのチェック模様、いくつもタックが入ったスカートで半分覆われた彩音の手首が微かに震えながら小刻みに動いていく。

素早く彩音の表情を見た。
なにかに耐える少女みたいに口先を真一文字に結び、漏れ出る吐息を押し殺した唇。
さっき一瞬見えたあの花びらを、その細く可憐な指の先を使い中心でなぞってるよう、僕には見えた。


「っっっン、、、、、、、、、、、、、、、、、、っン、、、、、、、、、、ンくぅ」


制服でふんわりと隠されたその部分が余計いやらしく見え、僕の目は完全に釘付けになった。

手の動きと連動したヒクつきを繰り返す女の子の体が壊れものみたいに見え、僕のモノが一気に肥大していった。

それを待ってたよう、13日ぶりに僕と目線を合わせた彩音の瞳は溶けかかり、まどろんだよう流線型に変わっている。
その吸い込まれるような瞳に僕は激しく動揺した。


「ンっ、、、く、、、、、、ダメ、、、だよ、、、、、、、、俊平は我慢しないと、、、、ンぁ」


13日ぶりに彩音が僕に言った言葉は、その震えるようなかすれた声だった、、、、、、

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