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あらすじ
「転生を望みますか?」
過労で死んだ俺に、天使はそう問いかけた。
異世界、魔法、転生、チート。
それっぽいワードに乗せられ、契約書にサインした俺は、そのまま異世界に送り出される――
ことはなく、屈強な男たちに連れられ、訓練施設に放り込まれた。
「ん!?」
「何を驚いてますか。ちゃんと契約書に書いてあるでしょう? 転生までの半年間、まずは訓練を受けてもらうと」
「待っ!」
「昔はそのまま送り出してたんですが、チート能力ありでも普通に死ぬんですよね、素人だと。だからまあ、まずは最低限の訓練を」
血も涙もない天使の謀略で送り込まれた先は、完全に軍隊の訓練場だった。
「オラ、ウジ虫ども! 誰が休んでいいと言った!」
「すみません!」
始まったのは地獄の訓練生活。
おかしい。
異世界転生って、こんなのだっけ。
「いえ、まだ転生すらしてませんし」
「そうだったわ……」
訓練、試験、免許の取得に、資金稼ぎのアルバイト。
やるべきことが盛りだくさん。
「転生までが長すぎる!」