暗殺者の欲望

カキ

夜の虚空

「ああああ~あああー!!!」
 私達は夜の空をもうスピードで飛行して、隣国へまで一直線に進んで行った。
 なにも覚悟が出来てなかった私はそのスピードに体を飛ばされそうになっていた。
 その私を暗殺者はしっかりと掴み馬車を探していた。
 暗闇で良く解らなかったが月がとても近くにあるようだった。
「なかなか見つからないな! けっこうなスピードで隣国に向かわれているかもしれない。」
 彼は平気そうに話しているが声は風に流されてとぎれとぎれにしか聞こえなかった。
 それに今の私は馬から落馬した冒険者のようだった。
「なにいってんのかさっぱりわかんないわー!!」
「なんだって!」
 ダイシは耳を傾け少しだけ捜索を止めた。
 その瞬間に文句を言ってやった。
 「もっと捜索ってゆっくりやるもんじゃないの? ライターの出力を下げればできるでしょ!」
 しかしダイシはスピードを緩めることもなく前方を向いた。
 「この世界に魔法なんてない!」
 ダイシはさらにスピードを上げて隣国へ向かった。


 なにも障害物のない空中で自由に馬車を探した。
 







 俺の名前はカタナシ・ナリ。
 ロード軍ナグリ町支部の少佐をしている。
 俺はとても用心深い。
 ロード軍は支部の少佐をする事が実施、一番 出世に近い立場である。
 この世界は爪を隠すことが世の中を上手く渡る方法であることを俺は知ってる。
 しかし出世するにはある条件が本国から課せられていた。
 それは大きな功績を上げること。
 俺はそれを待っていた。
 俺は毎日、繁華街をパトロールして大きな功績を探し続けていた、部下を連れて毎日、毎日。
 しかしそれも今日で終わる!
 この大物がかっかたからな!
「ウヒャ、ウヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!」
 小さな少佐は自分の上げた功績に満面の笑みを浮かべて、月明かりのまぶしい平地で部下と一緒に大笑いをしていた。
 馬車が連れているのは一人の囚人だった。
 今は重要参考人として呼ぶことが正しいだろう。
 檻に手錠のみで銀髪の少年が繋がれていた。
 少年はうつむいて誰かを待っているようだった。
 (マジョリカさん、、、、、)
 すると空から風を切って進んでくる音が聞こえてきた。
 「大佐!何か聞こえてきませんか?」
 「おい!今は少佐だろ!」
 冗談に笑いながら答えていたカタナシ少佐は後ろを振り向くと真っ先にさっきまでの夜の空に異変がある事に気付いた。
 さっきまで進んでいた道の空から赤い光がこちらへ向かって来ていた。
 その光はどう見ても星としてはとても低く明るさが足りなかった。
 自分の部下は数人警戒はしていたが、あと数人は冗談半分でその赤い光を見ていた。
「なにをしてる! 総員! 馬車のスピードを上げよ!」
 部下達は驚いて全力で馬車のスピードを上げた。
 カタナシ少佐は己の勘を信じて逃げることに決めたがその判断は向かってくる物体に対して無駄な事だった。
 赤い光はどんどん近づいてきて、さらに違う音を発信していることに気がついた。
「やだやだ! 死にたくなーい! このまま突っ込んだら死んじゃうってば!」
「大丈夫!俺がいれば死なない!」
「どこからくるのよその自信!」
 空からの赤い光は隣国へ向かう為の馬車に激突した。
 地面はひび割れ、土埃を上げ一時的に兵隊達の視界を遮った。
 馬車は壊れて、数人の兵隊が傷つき、カタナシ少佐は道に投げたされた。
「なっなにが起こっている!」
 受け身を取りなに事もなかったような姿で状況を判断した。
 しかし土埃でなにも見えず、数名聞こえてくる部下の声を確かめるしかなかった。
「怪我人は! 死者は! 囚人を逃がしていないだろうな!」
 いろいろ確かめたいことがあったが、まず判明したのは赤い光の正体だった。
 土埃から人影が現れカタナシ少佐の目の前で止まった。
 人影はマントを大きく広げ土埃を払った。
 そこには赤い髪の背の大きな若い男と昼間見た部下を蹴ったオレンジ髪の女だった。
 オレンジ髪の女は男の腕の中で伸びており、泡を口からこぼしていた。
 赤髪の男はしたり顔で俺に口を聞いた。
 「友達を返して貰うぜ! ロード軍さんよぉ!」
 男は声を張り上げ訳のわからない事を言った。
 俺は腰を抜かしていて答える事ができなかった。
 男はようやく女が気絶している事に気付き揺さぶって起こそうとしていた。
「おい! 早く起きろ! 締まんないだろ。」
 



突入20秒前
「よし! やっと見つけたぜ。」
 耳が慣れてきたのか私はダイシの話しを聞き分けることができた。
 どうやら馬車を見つけたのだろう。
 やっとこの地獄の空の旅が終わることに私は安堵していた。
 「これからどうせめるの? 後ろから奇襲攻撃とか?」
 私はダイシに作戦をどう考えているのかを聞いた。
 しかしダイシはスピードを緩める事もなくそのままのスピードで進んでいる。
 「ダイシ! このまま行くと存在がバレるわよ! スピードを落としてもっと遠くで止まらないと。」
 するとダイシはさらにスピードを上げて真剣なまなざしで馬車を捉えていた。
 私はまさかと思ってまさかと言う質問をした。
「このまま突っ込むつもりじゃないわよね!」
 私は声を張り上げ質問したが。
 彼からの答えは「あぁ」だけだった。
 ちょっと待て死んじゃうってば!
 「やだやだ!死にたくなーい!このまま突っ込んだら死んじゃうってば!」
 「大丈夫!俺がいれば死なない。」
  ダイシもしたり顔で馬車を捉えた事に喜び突っ込む事に躊躇ちゅうちょ しなかった。
 私は人生最後のツッコミをいれて私はこの世から昇天した。
 殺された盗賊の当主。
 とうとうお礼を言えなかったアナト。
 本当に走馬灯があるのだなと思ったところで私は強い衝撃を頬にくらい目をさました。
 どうやら生きていたようだ。
 私は目の前の状況を理解した。
「あ! ちび兵隊!」
 昼間に会った兵隊がいたとなると近くにアナトがいるはず。
 兵隊はコンプレックスがあったのかサーベルを抜いて私達に構えた。
「口の聞き方がなってないようだな小娘。今こそ成敗してくれるわ。」
 ダイシは私を下ろして耳打ちをした。
「こいつは俺が相手をするからマジョリカはアナトを救いに行ってくれ。」
 私は後ろに走り出して、アナトを救いに行った。
「さぁ僕と勝負しようか少佐さん。」
 暗殺家は己の暗器であるライターを構えた。
「お前から成敗して小娘をたたっ切る。」
 カタナシ少佐も構えて目の前にいる男の殺気に答えた。
 夜は直に朝に変わろうとしていた。

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