暗殺者の欲望

カキ

暗殺へ

 深夜2時
 少女の目に黒い影が2つ飛び移って行くのが瞳に夜空とともに移った。
 「なんで! こんな暗闇の中屋根の上を歩かないといけないのよ!」
 ダイシから借りたローブのフードを脱ぎながらマジョリカは文句を飛ばした。
 二人は住宅街の上を走り、ロード軍支部の付近まで来ていた。
「ロード軍は拷問でも何でもする奴らだ。早く助けないと連れてかれる危険がある。」
 アナトを一早く助けないと、ロード軍による拷問で殺されるか刑務所に入れられる可能性がある。
  この暗殺はアナトの命がかかっているのだ。
「そう言えば、あなたってアナトの事知ってるの? 」
 ダイシは布で口と鼻を隠して、「聞いてみろ」と小さな声で答えた。
「それってどういうこと?」
「それより依頼を実行する。」
 ダイシは立ち上がり、私の質問に答えずライターの封を開けた。


「[暗器]勝利のライター」










 ロード軍支部は比較的、柄の悪い人間の巣窟である。
 そこでは日頃から拷問、体罰、殴り合いなど軍隊とは思えない統率のなさが伺える。
 だからタバコなどの火の取り扱いが多く火事が起こっても不思議ではない。
「火事だー! 町からありったけの水を持ってこい!」
「火元は!」
「解りません!」
 火災はロード軍の時計台から燃え上がり、時計は機能を停止しており、高さ12メートルから崩れ落ちた。
 ここの軍隊の中佐は消火活動をを行っている部下達を観察した。
 しかし火元に来てみれば消火活動をしている部下達の姿がなかった。
「これは! どうなってる。」
 中佐が目にしたのは燃えて炭に成り果てた部下達だった。
 中佐の下には焼け落ちて顔も認識できなくなった部下の頭蓋骨が転がってきて、思わず腰を抜かしてしまった。
 すると横で二つの影が立ち上がりこちらを向いた。
「貴様らは一体なんなんだー!」
 我に帰った中佐は銃を取り出して、二人に抜き向けた。
 二つの影は頷き合って、もう一度中佐にの方向を向いた。
「俺の城を燃やしやがってなにが目的だ!」
 すると中佐の前から炎が向かって来て、中佐を飲み込み炭へと変貌させた。
「もっとスマートなやり方はなかったの?」
 煙でむせながら炎のなから出てきたのはマジョリカだった。
「暗殺とはこういう物だ。」
 炎を暗器で避けながら出てきたのは【勝負欲】ダイシだった。
「アナトがいるのはどこ?」
「地下の檻だな。」


 






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