暗殺者の欲望

カキ

ポーカー

 私は驚きを隠せなかった。
 隣にはむさい大男、テーブルにはトランプ。
 目の前には赤髪の好青年が座っていた。
「んん……んん~んんー!」
 私は周りの状況を理解してもがいた。
 しかし大男の力は強く、私の肋骨を折る勢いで、私のもがく行為を強制終了させた。
「なかなかいい子猫ちゃんでしょ? 俺の家の前に捨ててあったから拾ったんだ。これでもう一回してくれる?」
 大男は「いい女」のところで私の普通な胸をまさぐった。
 大男に理不尽を感じた。
「確かにいい女だな。わかったもう一回だ。」
 目の前の青年は不敵な笑みをこぼして要求をのんだ。
 大男がカードをシャッフルして青年にカードを配った。
「子猫ちゃ~ん、俺頑張るから子猫ちゃんは夜で頑張ろうね」
 大男は気持ち悪い顔をして、それを私はにらみ返した。
「それでは勝負」
 一連の流れがあり、準備が整ったようだった。
 二人共「ポーカー」で私を掛けてるいた。
 私は青年の勝利を願った。
「スリーカード!」
「フルハウス」
 青年の勝利だった。
「さぁ、その少女を渡して貰うよ。」
 そう言って青年は私に手を伸ばしたが、大男の諦めはとても悪くて私を鷲掴みして青年の手から引き離した。
「君が手に入れたのは子猫ちゃんの上半身だ。さぁもう一回」
 私も青年も呆れて否定する事が出来なかった。
 今度は私の下半身を掛けて勝負が始まった。
「勝負!」
「フラッシュ!」
「フォーカード」
 またしても青年の勝利だった。
 今度こそトランプを片付け始めた
 私はこの青年にどう逃がして貰うか考え初めていた。
「まだ……まだだ!」
 しかしひげ面で太った気持ち悪い大男はまだ諦めていなかったようだった。
「今度こそ! この子猫ちゃんの身ぐるみを掛けてやろう。もし君が勝てたら。僕はすっぱり諦める。さぁもう一回。」
 さすがに青年も断るのではないかといささか不安を抱いた私に対して、青年はセリフをはいた。
「いいだろう、僕も勝負は大好きだ、その女を掛けてやろうじゃないか。」
 青年はまたぼろぼろのソファに腰掛け、カードを配り始めた。
 これが最後の勝負。
 私は青年を信じ続けていた。
「しょーーううううーーぶぶぶぶぶぶ」
 大男は壊れ始め掛け声すら気色悪くなったが、顔は満面の笑みだった。
「ストレートフラッシュ!!」
 私でも見たことないものを出して、大男は勝利を確信した。
「ロイヤルストレートフラッシュ」
 しかしその希望もつかの間、ポーカーフェイスのままポーカー最強の役をだした。
 青年の顔は常にポーカーフェイスだった。

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