異世界なう―No freedom,not a human―

逢神天景@小説家になろう

125話 チェックメイトなう

 俺の目の前には見た感じ普通の男が一人。今まで出会ってきた人間のような『圧』は感じない。
 流石に顔に張り付いている笑みには一ミリも動揺が無いけどね。
 アクドーイはふうと肩をすくめると、呆れたかのように立ち上がった。


「何を言いだすかと思いきや……皆さま、お騒がせいたしました。どうも悪戯のようです。私どもがまさか脱税や奴隷狩りなどとてもとても」


 手を叩くと、ずらりと後ろからボディガードなのか黒服が出てきた。ずらりと並ぶが、一様に練度が低そうだ。
 やれ、とばかりにアクドーイが手を振るが――そのタイミングで、俺の横にオルランドが現れた。
 唐突な登場にギョッとする一同。俺の風魔法で隠していただけだけど、虚をつくことには成功したようだ。


「はぁい、アクドーイ。お久しぶりね、元気にしてた?」


「こ……こ、これはこれは、オルランド様。ご機嫌麗しゅう」


 慇懃なお辞儀。ただ、その後に無礼の二文字を付けたくなるけど。
 そんなアクドーイを意に介さず、オルランドはニッと笑う。


「さて、ここにある書類はなんでしょう」


 ヒラリ、とオルランドが掲げた書類を見てアクドーイの眉がピクリと動いた。何故それがここに? って顔だね。


「な、何のことか分かりませんな」


「馬鹿ね、証拠は揃ってるって言ってるの。脱税の証拠も――ここにいる女の子たちが、奴隷狩りによって集められた違法奴隷であることもね!!」


 シン、と静まり返る会場。
 そりゃそうだ、ここにいる人たちはあくまでただのお金持ち。違法奴隷を買う――つまり犯罪をするつもりでは来ていない。
 アクドーイは眉根にしわを寄せて何か言おうとするが――それを遮るようにしてオルランドが口を開く。


「ここにいる奴隷たちは皆、男性に騙され、借金を背負わされ、そして奴隷として売られた女性たちよ」


「そ、それの何が……っ!」


「黙って聞いてなさい」


 ピシャリと黙らせるオルランド。それにアクドーイが怯んだのを見て、さらに続ける。


「それが一人や二人ならよくある事でしょうね。けれど十人、二十人といると不自然になってくる。また、それらが同じ組織に所属する男性によって行われていたとしたら――?」


 ここにきて、アクドーイの顔がハッとなる。オルランドが何を言おうとしているか察したようだ。
 しかしアクドーイはオルランドの言葉を遮ることは出来ない。身分の差がある以上、ここで口を挟めば罪状に『不敬罪』も加わるかもしれないからだ。
 先ほどとは打って変わってざわつく会場。全員が疑いの眼をアクドーイに向けている。


「ここにあるのは、アクドーイ商会に雇われて女性を誑かした男たちのリストよ! 集団で女性に無理矢理借金を背負わせて奴隷に堕とすなど、奴隷狩りと言わずして何と言うのかしらね!」


 ざわめきが大きくなり、中にはもう既に会場を出ようとしている人すらいる。
 アクドーイは流石にこれ以上言われっぱなしではいられないと思ったのか、一歩踏み出した。


「し、しかしそれは法で規制されては――」


「――あら? 貴方は誰にモノを言っているのかしら」


 ここにきて、オルランドが『圧』を解放する。
 強者にしか許されないそれ――しかもアクドーイはオルランドと同じ土俵で戦う人間だ。俺以上に彼の『圧』を感じているに違いない。
 絶対強者が、自分に矛をむけているという『圧』を――


「私の名前はオルランド・カーマ・ハイドロジェン! ハイドロジェン家の私に法で勝とうなど笑止千万よ。既にこの件は国によって『奴隷狩り』と認められているわ。はい、これが証拠」


 この国の貴族には疎いけど、そっち方面に強い家なんだろうか。
 わなわな……と震えだすアクドーイ。
 さあ、チェックメイトだ。


「よって、アンタレス領主、オルランド・カーマ・ハイドロジェンと、『捜査権』を持つAランクAGキョースケ・キヨタの連名で、貴方を脱税と奴隷狩りの容疑で逮捕するわ」


 これだけの人数の前で悪事を暴かれたアクドーイ。悪徳商人がこうなったらやることは一つだろう。
 アクドーイは「ふふふ……」と肩を震わせると、バッと腕を突き出した。


「こ、こんなのでっち上げだ! そもそもオルランド様がこんなところにいらっしゃるはずが無い! 者ども、オルランド様の名を騙る不届き者だ! ひっ捕らえよ!」


 ――いやいやいや、無理があるでしょ。徳田新之助になった気分だ。
 オルランドはフッと片頬で笑うと、クルリと背を向けて歩き出した。


「後は任せたわよ、キョースケ。私は詰めを連れてくるわ」


 役人を呼ぶのだろう。最初から連れてこなかった理由は単純明快。大人数の役人が突入して来たら、その混乱に乗じて逃げられるかもしれないからだ。
 それよりも俺たちがさっさと捕縛してしまった方が早い。


「じゃあ任されようかな」


 と言ったところで……ずらっと周囲を囲まれた。


「あら。……私の行く道を塞ぐなんていい度胸じゃない」


 オルランドは軽く苛立ったように頬を吊り上げる。
 普通の黒服たち、練度があるようには思えない。……だけど、よく見たら服の下にちらりと石のようなものが見える。
 ……これ、ゴーレム? でもどう見ても人間……。


「そうぢゃのぅ……なかなか面白いことになっているようぢゃ」


 ここでキアラと冬子が登場した。やっぱりいきなり現れたものだから黒服たちはビックリしているけど、オルランドの時ほどは驚いていない。二回目だからかな。


「面白いことって、キアラ。コレだいぶ面倒だよ?」


「ほっほっほ。雑兵なんぞ問題あるまい」


「そうだぞ。……正直、若干ストレスが溜まっているんだ。全力でストレス解消させてもらう!」


「何があったのかは想像に難くないですが、今回は殺してはダメらしいですよ」


「分かっている。だからみねうちだ!」


 俺たちとオルランドを囲む黒服たち。ジリジリと間合いを詰めてきている。


「殺さないで全員捕縛ってのが一番いいしね」


「やれっ!」


 アクドーイの号令。その瞬間黒服たちが――予想よりも素早く、力強く踏み込んできた。
 取りあえず俺は、黒服たちが俺ら以外を攻撃できないように風の結界を張る。


「シッ!」


 俺は槍の石突で足元を狙い転ばせ、さらに襲いかかってくる黒服たちを柄の部分で弾き飛ばした。


「マスター、よそ見してはダメですよ」


 リャンがナイフを関節に的確に撃ち込みながら呆れ声を出す。しかし何発か上手く刺さらなかったようで首を傾げているね。


「京助!」


「どうしたの、冬子」


「――この剣、峰が無い!」


「そりゃね」


 なんか今にも泣きそうな声の冬子。さっきカッコつけた手前、恥ずかしいんだろうか。
 そんな彼女は敵の攻撃を躱し、美脚を振り上げ廻し蹴りで沈めている。うーん、某名探偵の彼女を彷彿とさせるね。


「オルランド様――い、いや偽オルランド! 覚悟!」


 黒服の一人がオルランドに殴りかかっていた。
 しかしオルランドはそれを冷静な動きで捌き、そいつの腕をとった。


「キョースケ」


 ぐわしっ! メキョッ! と不自然な――人体が鳴らすような音じゃない怪音が聞こえたかと思うと、オルランドが腕を掴んでいた男が「ぎ、ぎぃぃぃあああああ!!」と情けない悲鳴を上げた。


「この雑魚、どうにかしておいてよね」


 そしてブン! と大雑把に放り投げ、会場の壁にぶち当たって地面に落ちた。
 なんて怪力……こ、これ死んでないかな。


「わ、分かりました。ではお気をつけて」


 ヒラヒラと手を振って会場の外に向かって歩いて行くオルランド。彼が出る分だけ風の結界に隙間を開けよう。
 その動きを見て周囲の人が堰を切ったように出口に向かって走り出した。


「おい、押すな!」


「お前も!」


「ちょ、私の足を踏んだのは誰だ!」


 まさに阿鼻叫喚。これ役人が踏み込んでたらマジで混乱が起きて逃げられていたかもね。
 そんなことを思いながら黒服の一人を蹴り上げる。


「さて、そろそろアクドーイを片付けようかな」


 アクドーイの方を振り向くと……奴は肩を震わせ、俯いていた。
 絶望でもしたか? その割には顔が笑っているような――


「馬鹿め! この私を捕まえられると思うなよ!? なんでスターブを置いてきたと思っている! ――必要ないからだ。見ろ!」


 ――上空から、天井を突き破って何個もの岩が降ってくる。これを落として俺たちにぶつけるのかと思いきや、なんとそれらはアクドーイの周囲に突き刺さった。


「これこそが私が買い求めた武装! その名もゴーレムアーマー!」


 名前ダサいね。
 アクドーイがパチンと指を鳴らすと、なんと降ってきた岩が合体し……アクドーイを中心としてゴーレムになった。
 まるでロボット……いや、巨大な強化スーツって感じかな?


「フハハハハハ! この場にいる人間を皆殺しにして、オルランドを殺せば万事解決だ! そうなれば私の金の力で黙らせることが出来る!」


 なんてテンプレ。
 俺は周囲の黒服を何人か吹き飛ばし、アクドーイゴーレムの前に立つ。


「ねぇ、いいことを教えてあげようか、アクドーイ」


 活力煙を咥えて火を着ける。
 ふぅ~……と煙を吐きだしながらアクドーイに槍を突き付けた。


「いい? 追い詰められた敵役が巨大化したらね。それは負けフラグなんだ」


 風を纏い、俺は構える。


「それを今から教えてやるよ、アクドーイ」


「な、なにぃ……! AGの分際で! このゴーレムアーマーはSランクAGに匹敵するほどの力を持つんだぞ!」


「あっそう」


 そうやって能力を自分で解説するのも負けフラグの一つだね。っていうか、みんなSランクAGを舐めすぎでしょ。


「でも、巨大ロボット風と戦うのは初めてだね。しかも殺さずに、なんて」


 だから――


「ちょっとすまんのぅ、キョースケ」


 ぎゅむ、と俺の口を抑えられた。


「こやつは妾に任せよ。……暫く戦っておらんかったのでのぅ、実戦の勘を取り戻すにはちょうど良い相手ぢゃ。それに、妾の実力をそろそろ見せておこうと思っての」


 珍しい、キアラが自分から戦うと言いだすなんて。
 それに面喰っていると、キアラは俺に魔法使いのローブを手渡してきた。


「それと、槍は禁止ぢゃ。魔法師としてこの場を鎮圧せい」


「……舐めすぎじゃない?」


「消化試合ぢゃぞ。こういう時こそ練習せんでどうするのぢゃ」


 キアラの言う事も最もか。
 しぶしぶと俺は鎧を仕舞ってローブに着替える。


「……おお、なんか魔力が動かしやすい」


「そういうのを選んだからのぅ。……さて、アクドーイと言ったかの?」


 ローブを着た俺の前にずいッと出たキアラは、いつも通りの艶やかな笑みを浮かべてアクドーイゴーレムに向かって煙管を突き付けた。


「お主たちはもう詰んでおる。ここから先はどうやっても覆せまい」


 そこまで言って、チラリと俺を見た。まるでいたずらっ子のような顔で。


「ぢゃからのぅ……大人しく、妾たちの経験値になってもらうぞ」


 ………………。


「やってみろ、たかだかAG如きがぁぁぁぁぁ!!!」


 アクドーイが吠え、キアラの周囲に魔法陣が展開される。
 まるで怪獣大決戦のような様相で、二人の戦いが始まった。


「………………」


「ど、どうしたんだ? 京助」


 俺がしばし黙ってその光景を見ていると、とん、と背中を俺に預けて冬子が尋ねてきた。


「んー……」


 俺は指先に魔力を集めながら、ため息をつく。


「台詞、とられた」


「そんなこと言っている場合か!」


 だよね。
 俺は目の前にいた黒服に風の弾丸を撃ちこみ、フッ飛ばす。


「さっさと周囲を終わらせて、文句を言うとしますか」


「ああ!」


 さて、魔法師として、か。
 右手に水、左手に風を集めて俺は黒服たちを睨みつける。


「いっちょやりますか」


 突進してきた黒服の一人に風の弾丸を撃ちこみ、一歩下がりながら三連続で水の弾丸で腹を狙う。威力が強すぎると殺してしまうからスピード重視で威力は弱く。


「がっ!」


「ぐあっ!」


 派手に吹っ飛ぶものの、あまり効いている様子が無い。威力を弱め過ぎた?
 それを確認するためにも、俺は魔力を集める。


「吹き飛びな。『紫色の力よ、はぐれのキョースケが命令する。この世の理に背き、全てを薙ぎ払う突風を! トルネードウィンド』!」


 ドルン! と俺を中心に突風が巻き起こり周囲の黒服たちを吹き飛ばした。


「「「うわぁああ!」」」


 詠唱した方が様になるかな、と思ったけどやはり魔法師は前衛で戦う『職』じゃないんだなと実感させられる。こいつらが弱いからいいけど、そうじゃないなら詠唱していたら間に合わない。


「さて」


 黒服たちから感じ取れる雰囲気と、強さが一致しないことが気になった俺は体を踏んづけてみると妙に固い感覚が返ってきた。


「これ……薄い岩の鎧?」


 動きの補助も多少できる鎧、って感じかな。


「頭を狙えばいいか」


 チラリと冬子を見てみると、徒手空拳で何人も薙ぎ払っている。リャンも同様だ。武器使わなくてもあの子たちは強いんだね……。
 そして防具を着こんでいることには気づいているようで、頭を狙って一撃で倒していっている。


「冬子」


「どうした、京助」


 俺が冬子の背後にいた黒服を一人弾き飛ばし、彼女に話しかける。


「いや、素手でも戦えたんだね」


「当り前だ。私の家は剣術道場だぞ」


 冬子は黒服の顔面に清々しいくらい綺麗な右ストレートを放ち、得意げな笑みを浮かべえる。


「剣が無ければ拳で、拳が動かなければ足で、そのどちらも動かなければ睨み殺せ。そう習うんだ。徒手格闘くらい朝飯前だ」


 剣術というのは俺が思っていたより過酷らしい。冬子のお父さんって怖そうだよね。


「さて、そろそろ一般人は逃げた頃か?」


「みたいだね……」


 俺は轟! と再び風を纏う。荒れ狂う風を制御し、ふわりと浮かび上がった。上空から狙い撃ちだ。


「「「うわあああ!!」」」


 ドドドドド! と派手に吹っ飛ぶ黒服たち。何人か撃ち漏らしたが、そいつら三人くらいが何故かリャンに向かってダッシュしていった。


「さ、三人がかりなら亜人族の女一人くらい――」


「破ッ!」


 ゴッ、ゴキュ、ズン! と鈍い音が響き、三人とも一瞬で吹き飛ばされる。全員ボディを殴られていたのに白目をむいている。ふむ、鎧があるはずなのに。


「鎧どおしです。少し練習すれば誰でも出来ますよ」


 なわけあるかい。
 俺は苦笑いしながらリャンの横に着地する。


「お見事だね、今度教えて」


「お粗末様です。私でよければ手取り足取り」


 少しだけどや顔をするリャン。よく見ると耳がぴくぴくと動いている。可愛い。


「……京助、私にも何か言う事はないのか?」


 バキィッ! と冬子が後ろ廻し蹴りソバットで一人壁に叩きつけてから、フンと腕を組んだ。なんとなく拗ねている様子だったけど、その理由が分からなかったので俺は素直に言う事にした。


「え? ……その、あんまハイキックばっかり使ってると、目のやり場に困るというか」


 ドレスが膝丈だから、その……見えそうなんだよね。


「~~~~~~~~っ! バカ! アホ! 京助のバーカバーカ!」


 正直に答えたのに、顔を真っ赤にした冬子にポカポカと叩かれる。なんだこれ。


「何をいちゃついてるんですか」


 溜息をついたリャンがチラリと視線を出口に向ける。そこには四人ほど、会場から出ようとしている黒服が。


「くそっ! あんな化け物と戦っていられるか!」


「仕留めますか」


 スッとナイフを構えたリャンだけど――俺はその手を制する。


「別に止める必要ないよ」


「何故です?」


 小首をかしげるリャン。肩をすくめて――ここにはいないであろう人物に向かって語り掛ける。


「なんでって、そりゃ――」




「やった、外に出られ……ぐぎゃっ!?」


 バン! と明るい光が見えて喜ぶ黒服。悪魔のような魔法師や狂ったように強い美女どももいない。
 これで自分たちは助かったのだ、と。
 そう思った瞬間、自分たちの膝を正確に矢が撃ち抜いていた。


「やれやれ、私の弓をこの程度の相手に使うとはな」




「――世界最高峰SランクAG弓兵アーチャーがいるんだから」


 事前に頼んでおいたし、万が一にも逃すことはあるまい。
 今逃げて行ったので雑魚は打ち止めだったようだ。意識を保っているのは俺たちだけになっている。
 俺は首をコキッと鳴らしてからキアラたちの戦いの方へ眼を向けた。


「くっ……おのれおのれおのれおのれおのれおのれ! たかがAG風情が何故私の邪魔をする! 私は、いずれ世界一の金持ちになる男……アクドーイだぞ!」


「ほっほっほ。……喧嘩を売る相手を間違えたの。むしろ相手が妾だったことに感謝するが良い。キョースケぢゃったら今頃粉々ぢゃぞ」


「このおおお!!! たかがAG風情がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


 ドドドドド! とゴーレムに向かってキアラの魔力弾が炸裂する。ゴーレムアーマーは辛うじてそれを弾いているが、まったく反撃の糸口を掴めていない。
 流星のごとく降り注ぐ魔力弾は、一撃一撃に必殺の威力が籠っている。


「……凄いね」


「あ、ああ」


 キアラがパチン! と指を鳴らすと周囲に数えきれないほどの魔法陣が展開し、光球がゴーレムの方へ向かって飛んでいく。
 本当に凄い。


「……あの魔法陣、ただの幻術でなんの意味も無いし撃ちだしてるのはただの魔力。キアラは今一切の攻撃魔法を使わずただ魔力をぶつけるだけで圧倒してる……」


 パチン、とまた小気味いい音が響きゴーレムに光球が殺到する。あの指パッチンが詠唱の代わりになっている……のかな。
 あとでヨハネス辺りに訊いてみよう。
 キアラが徹底的に舐めプで戦っているのは、ゴーレムを無傷で鹵獲するためらしい。今、徐々に内部にいるアクドーイにダメージがいくように戦っているようだ。


 パチン、と指パッチンが響く度にゴーレムは動きを鈍らせていく。
 圧倒的な蹂躙の風景を見て、俺たちは苦笑いすることしかできなかった。



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