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異世界なう―No freedom,not a human―

逢神天景@小説家になろう

123話 理由なう

「マスター、ここは私に任せて行ってください」


 リャンが俺の前に出てナイフを構える。まあ書類は俺が確保してるからそれが正解なんだけど――


「キハハハッ! オレもヤるなら女とヤりてぇよなァ……」


 ――スターブは俺の方を睨みつけて殺意をむけてきた。
 口ではリャンとやり合うようなことを言っているが、その実俺のことを片付けるつもりらしい。
 となると、やっぱりアイツを片付けないと前に進めそうにないな。


「いや、二人がかりで倒した方が早いよ」


 ヒュン、と槍を構えて俺も睨み返すとスターブはニンマリと嬉しそうな顔になった。


「へェ……ヤれるもんなら、ヤってみなァ!」


 ドッ! と地面が爆破するような音とともに俺の眼前まで接近してくるスターブ。見た目通り拳で攻撃してくるらしい。


「マスターッ!」


「ふっ」


 それをギリギリで躱して、石突で顎をかち上げる。しかしスターブは顎と槍の間に手のひらを挟み防がれた。
 音からして、どうも手袋には何らかの緩衝材が詰められているらしい。スターブにはダメージは無さそうだ。


「んー……」


 槍を回転させて今度は穂先で斬り飛ばそうとするが、それは頭を振って避けられる。さらに返す刀で『三連突き』を発動させると、スターブはバックステップで距離をとった。
 そこに俺は周囲に炎を展開し、叩き込むが――


「キハハハッ! 『潰魔拳』」


 ――ボヒュゥン! と奴の拳にぶつかった瞬間全て霧散してしまった。まるで冬子の『断魔斬』かのように。


「……魔力自体を潰した・・・?」


「キハハハッ! 当ったり~! 魔法なんかオレに効かねえんだよォ!」


 楽しそうな顔をして距離を詰めてくるスターブ。意地でも接近戦に持ち込むつもりらしい。
 ギン、ギン、と拳を槍で受け止めながら俺は書類のつまっているラックのようなものをスターブに向かってぶん投げる。


「邪魔ァ!」


 ゴン、と青いエネルギーのような物で吹き飛ばされるラック。しかし俺はその隙に地面に水をばら撒く。
 そしてバックステップすると、案の定とばかりにスターブは水で足を滑らせた。石畳だからよく滑るね。


「チッ」


「それ」


 リャンのナイフが首元に、俺の炎が足元に飛ぶ。しかしスターブは足を滑らせながら異様な体幹で体勢を維持し、魔法は拳で潰してナイフは完全に躱した。


「――元AランクAGってのは間違いないみたいだね」


「るせぇなぁ……」


 俺の呟きに、スターブが表情を怒りの色に染める。


「何がSランクだよ、ケッ。弱っちいくせになぁあんな奴等。ギルドの決まりに縛られて、オレより弱いくせに偉そうにしやがって」


 ――Sランカーに対する恨みというよりも、バカにしたような雰囲気で吐き捨てるスターブ。そんな彼の拳が蒼白く光る、スキルだね。奴はスキルと自前の戦闘技術を上手く融合させて俺に回避しにくい攻撃を放ってくる。


「この街といえば……マルキムとかいうハゲがいたなァ! キハハハッ! 戦争の生き残りだかなんだか知らないが偉そうな顔しやがってよォ! Aランクにすらなれなかった雑魚のくせに!」


 なんとかヘッドスリップで躱し一歩踏み込んで喉を突くが、今度はパリングされて防がれてしまった。そして先ほどよりも素早く踏み込んできたスターブの拳が俺の腹に突き刺さる。


「ぐふっ……」


 くの字に俺の身体が折れ曲がる。それを見逃してくれるほど甘い相手じゃない。


「オラァ!」


 よろ、と足をもつれさせたところでさらに後頭部に拳が落ちてきた。
 ガツン、と石でもぶつかってきたかのような感覚で地面に叩きつけれる。


「マスター!」


「キハハハッ! い~い様だなぁ!」


 そしてグリ、と頭を足で踏みつけられた。勝ち誇った声が上から聞こえてくる。


「キハハハッ! キハハハハハハハハハッ! なーにがプロのAGだ! アイツらはオレに勝てねえからってAランクから上げなかった臆病者ばっかじゃねえか!」


「ま、マスター……」


「おおっと動くなよ? 動けばコイツの頭ン中をトマトみてーにぶちまけるぜ?」


 グリグリと、踏みにじってくるスターブ。リャンの顔をちらりと見ると、物凄い形相になっている。


「キハハハッ、ホントによぉ……弱い、弱いなぁ! 表で戦ってる連中は! こんなに弱いくせしてオレが女を喰って殺したくらいでAG追放だァ? チッ、ふざけてんじゃねえぞ!」


 足を振り上げ、ガンと俺の頭に振り下ろすスターブ。相当何か溜まっていたのか、まだスターブの叫びは続く。


「こうして! よ! 何人か! AランクAGを! 殺せば! ギルドの連中も! 考え直すだろうなァ! ああ!? こんな! 弱いくせに! 偉そうなこと! 言いやがってよ!」


 ガン! ガン! と俺の頭の上でタップダンスのように踏みつけてくるスターブ。随分と楽しそうだ。


「キハハハッ! あー……いい気分だ。オレより弱い奴を嬲るってのはたまんねえぜ!」


「……ゲスですね」


 吐き捨てるように言うリャン。今にも飛び掛かりそうな程殺気を放っているが、しかし動けていない。
 恐らく俺が足の下にいるからなんだろうけど……


「キハハハッ! 何とでも言え! 今からコイツは死んで、テメーはオレにブチ犯されてから奴隷になるんだからよォ!」


 ――ああ、やっぱり。


「お前がSランクに上がれなかった理由を教えてあげようか」


「……アア?」


 地獄の亡者のような声を出すスターブ。ミシリ、と俺の頭から嫌な音が鳴った。


「テメェ、今の状況分かってんのか? 殺すぞ」


「今の状況? ……ああ」


 俺は風をぶち当て、スターブを吹き飛ばす。


「ガハッ……!」


「お前に潰せるのは拳に当たった範囲でしょ? 魔法が効かないとか……随分と自信過剰なようで」


 壁に叩きつけられる寸前で体勢を立て直し、着地するスターブ。俺はそれを見ながら立ち上がり、活力煙を咥えて火をつけた。


「ふぅ~……リャン。ちょっと待っててね。アイツはタイマンでやっつける」


「……マスター、なんでやられたフリなんてしたんですか?」


「ん……ちょっとね」


「それと」


 リャンがジロリと睨みつけてくる。


「タイマンで決着をつけたい理由は何ですか?」


「…………」


「非効率的ですよ」


 そんなことはわかってる。
 だけど、


「――アイツは俺の尊敬してる男をバカにした。理由はそれだけ」


 それだけは譲れない。
 俺がそう思ってリャンの方を見ると……彼女の眼に非難の色は無かった。どちらかというと、仕方ないなぁと言った雰囲気だ。


「危なくなったら加勢します。それと、制限時間は3分です。それ以上は作戦に影響が出ます」


「――OK、善処する」


 俺はニヤリとリャンに笑みをむけてからスターブを睨みつける。
 活力煙の煙を吹かす俺の姿を見て、スターブも眼光を鋭いものにした。


「オレがSランクに上がれなかった理由……? ハッ、何を偉そうに。んなもん、オレのことを恐れてたバカが勝手なことを――」


「違うって」


 俺はスターブの声を遮って活力煙を地面に叩きつけた。


「そんな話じゃない。もっと簡単な話だよ」


「……どういうことだ」


 俺は魔力を練り上げ――轟! と魔昇華を発動させる。
 スターブの眼が一瞬驚きの色に染まるが、俺は一歩だけ足を踏み出して槍を構えた。


「どういうこともこういうことも」


 グッと体勢を低くして、一気に懐に飛び込んだ。
 スターブはそれに反応しようと拳を叩きつけてきたが、俺は頭を傾けるだけで躱し槍を上から打ち付ける。


「ガッ……?」


「お前が弱いから。ただそれだけ」


「ん……だと……ッ!?」


 俺は腹を蹴り上げて壁に今度こそ叩きつけ、吐き捨てるように睨みつける。


「攻撃が軽い、言葉が軽い、想いが軽い……。お前が背負っている物が軽い」


「ッザケんな!」


 俺だって偉そうなことを語れるわけじゃない。しかし、目の前のコイツはダメだ。
 突進してきたスターブの攻撃に拳をカウンターで合わせる。ガッ、と当たりながらもスターブは殴り返してきた。
 その拳は下からしなって鞭のごとく迫る拳。避けづらくてガードするしかなかった。


「っと」


 ユラリ、とまるで蛇のような一撃。なるほど、これが本来の戦い方か。


「もういっぺん言ってみろ……誰が弱いだと!?」


「スターブ、君だよ」


 スターブは、右手を顔の横に、左手はグッと下げてお腹のあたりでゆらゆらと左右に揺らしている。ボクシング漫画で見た、フリッカージャブの構えだ。


「オレが弱い……? ふっざけんじゃねえ!」


 ボヒュッ! と空気が爆ぜるような音がして、フリッカージャブが何発も飛んでくる。ゆらゆらと振り子のように腕を振り、しならせて飛んでくる拳は並みの人間の動体視力じゃ見極めることは出来ないだろう。
 だけど――


「遅い」


 ――それを全て紙一重で躱す。


「なん……当たらねえ!」


 さらに回転数を上げてくるスターブ。しかしたかが見づらいくらいの拳、当たるわけが無い。


「くそっ! 当たりさえ、すれば!」


「戦いにたらればは無いよ。あるのは――」


 スターブが苦し紛れに右拳を回転させて心臓を抉るように放ってくる、だがそれを左ひじで逸らし、首に槍の柄部分を叩きつけた。
 室内が無茶苦茶になっているけど、今さらもう気にしている場合じゃない。


「――現実だけだ。己の力が足りないっていうね」


 俺が覇王に叩きつけられたそれ・・
 たらればすら粉砕する実力差。あんな絶望を見た後でこいつの話を聞くと、あまりにぬるく感じる。


「俺より戦闘した回数は多いんだろう、君はね」


 下から上から、変幻自在の軌道を描くスターブの拳。しかしそのことごとくを俺は打ち払い、落とし、回避する。


「だけどさ」


「クソッ……! 『蛇蜷局拳』!」


 ひときわ明るい光を灯した拳。体勢的に躱すことが出来なかった俺は、右足を軸に半回転してそれをスカす。ボクシングでいうスリッピングアウェイ、の全身版だ。


「冬子の剣はもっと鋭い!」


 そのスカした勢いを利用して、『亜音速斬り』を発動。蒼白く光った高速な刃がスターブの首筋に吸い込まれていくが、すんでのところで躱される。
 だがそこから軌道を変更、右手を支点にして槍を回転させて石突の部分を縦に叩きつける。


「セブンの大剣はもっと重かった!」


「クソガキがァ!」


 ガギィィィン! と鈍い音が響く。そして手に伝わるミシリという手応え。恐らくスターブの右拳がイッたね。
 構わず俺は一歩踏み込み、懐にもぐりこんで足、腰を同時に動かして『亜音速斬り』の要領で拳をボディに叩き込む。さっきのお返しだ。


「ギルドマスターの拳はもっと速い!」


「がぁっ……!」


 肋骨が砕ける手応え。そのまま拳を捩じりこむとスターブがドアの方へ吹き飛ばされていく。


「そして……ッ!」


「ふっざけるなぁああああああああああああ!!!!!」


 空中で一回転し、その場に着地するスターブ。まだそんな力があったとは。
 低く、低く体勢を変え、まるで横に落下するかのような加速で俺に突進してくるスターブ。


「くっらぇ……『蛇王螺旋狡噛拳』!」


 ギュルン、とまるで腕が螺旋を描くように回転し俺の心臓めがけて尋常ならざる速度で飛んでくる。
 俺はそれを――避けず、受け止める。


「キハハハハハハハハハ! まともに喰らいやがった! キハハハッ! キハハハハハハハハ……ハハ?」


 何が起こっているのか分からない、と言った表情になるスターブ。俺はその瞬間、身に纏っていた『暴風の鎧』を解除する。透明な、しかし圧倒的な風圧で全ての攻撃をシャットアウトする魔法の鎧を。


「ま、魔法……ッ!」


 しまった、という顔をするスターブだけど――もう遅い。
 俺の尊敬する男なら。
 俺の尊敬する男たちなら!
 この程度のことで計算を狂わせたりしない!


「そして何より!!!」


 ガン! と石突で腹を突き上げ通路に向かって吹き飛ばす。
 吹き飛ばされていくスターブに追いつき――俺は風魔法で槍の速度を加速させ、体の動きを『連打』にのみ集中させる。


「マルキムの剣は! 拳は! ……何倍も何倍も何倍も重くて速くて鋭い!」


 一瞬で三連撃、しかしそんなんじゃ止まらない。


「ああああああああ!」


 ズガガガガガガガガガ! と高速の連打がスターブに突き刺さる。




『職スキル』、『無限突』を習得しました。




 ドッ! と最後の一撃を強く撃ちスターブを吹き飛ばす。一応アレは指名手配犯だから、殺さないようには加減した。まあ、死んでてもいいけど。


「……お前は自分より強い相手に向かっていったことはある? 自分が絶対に勝てないって思う相手と戦ったことがあるか?」


 マルキムは――ただ、俺を助けるためだけに圧倒的な実力者である覇王に立ち向かってくれた。そんな彼をどう考えれば『弱い』なんて思えるだろうか。
 俺は自分より強い奴と戦った。だから、『勝ちたい』と思えた。こいつからはそんな必死さが伝わってこない。


「そんなふざけた考えだから――お前は『弱い』んだよ」


 そこまで言ったところで、カチリと音が鳴った。何だろうと思うと……スターブが「キハハハッ」と笑いだした。


「キハハハッ……キハハハッ……キハハハハハハハハハ!」


「……何がおかしい?」


 周囲を警戒していると――何やら、大きな物が動く音が聞こえてくる。それはまるでゴーレムが動く音のような――


「マスター! 時間切れです、そいつにとどめを刺して撤退を!」


「キハハハハハハハハハ! もう遅い! 屋敷中のゴーレムは今お前を狙って動き出した!」


 スターブの手に握られているのは、何らかの魔道具。


(カカカッ! アレでどうもゴーレムを制御してるミタイダナァ!)


(なるほど――)


 魔道具を壊そうと俺がスターブに走りよると、なんとそれを握りつぶして破壊されてしまった。


「もう制御はきかねぇ……暴れまわるぜ、あのゴーレムどもがよォ!」


「……武を極めんとするものの心意気すら無いようですね」


 シュラリ、とリャンがナイフを構える。俺もスターブの喉元に槍を突き付けた。


「何か言い残すことは」


 こいつを拘束して外に出る余裕はなさそうだ。殺して、ステータスプレートを持ち帰る。
 スターブは心底愉快そうに哄笑を上げた。


「キハハハハハハハハハ! い~い人生だったぜェ? 飽きるほど女を喰った、男を殺した! 好き放題金も使った、何にも不自由しねぇ人生だ! キハハハハハハハハハ! だがよォ!」


 そこで唐突に――本当に、唐突に。まるで人が一瞬で入れ替わったかのように真剣な顔になるスターブ。
 そして今までのようなゲスな笑いじゃない、もっと純粋な笑みを口もとに浮かべた。


「最後に……負かせてえ奴に会えたのに、勝ち逃げされちまうな。キハハハッ、もうちょいまともに生きるべきだったか」


 そしてブチン! とスターブは舌を噛んだ。俺たちが殺す間もなく、あっけなくスターブは己の人生に幕を閉じた。
 俺はその行動に少しだけ面喰った後……すぐさまステータスプレートを抜きだし、外へと走り出す。


「リャン、時間は?」


今のところ・・・・・、問題ありません。マスターはちゃんと時間以内に倒したので」


 廊下に出た俺たちは苦笑いしながら会話する。何でかって?


「……ただ、ここから先をどう切り抜けるかによって間に合うかどうか分からなくなってきます」


「そうだね……。まあ、幸い一体一体はそこまで強くない。無理矢理突破しようか」


「いいんですか? 隠密は」


 ちょっと皮肉っぽい笑みを浮かべるリャン。俺は活力煙に火を着けながら肩をすくめる。


「もうこうなっちゃえばね」


 そう言った俺たちの視線の先にいるのは、ワラワラと湧いてくる灰色のゴーレム。一体一体がCランク魔物並みの魔力量を誇っているが、自動的にしか動かないようなのでもっと弱いだろう。強くてもDランクくらいのものだ。
 二足歩行のモノもいれば、蝙蝠のような形で空を飛んでいる個体もいる。風魔法は効くのに炎が効かない個体もいる。少々、厄介だね。


「そして外に出たら異様な数のビッグゴーレムか。割と絶体絶命だね」


 俺は右手に炎を生み出し、渦のようにしながら呟く。
 リャンはニヤリと笑いながら体勢を低くした。


「普通なら」


「幸いなことに、私の・・マスター・・・・は普通じゃありませんし」


「リャンも、だけどね」


 轟! と地獄の焔もかくやというばかりの威力で廊下ごと燃やし尽くす!


「行くよ、リャン」


「承知いたしました、マスター」


 ボコボコ、と天井から壁から湧き出てくるゴーレム。少し大きめのゴーレムは俺が風と炎と槍で薙ぎ払い、魔法が効きにくいゴーレムはリャンのナイフが突き刺さり、怯んだところで俺が打ち砕く。


「ハッ! ……これはしかし数が多い!」


「マスター、そっちでは無くこちらです!」


 鍵のかかったドアも、全てゴーレムに破壊されている。こいつら、目に見える全てをぶち壊せなんて命令が出ているんだろうか。
 無理矢理走り抜けて、外に出ると……そこにはBランク並みのゴーレムがワラワラと。そして近くで見てやっぱり思うけど、コレあの祠にいたハルバードゴーレムと同じゴーレムだよね。


「……空を飛んで逃げたかったんだけどね、おっと」


 ガギィ、と飛んできたゴーレムをぶち壊して俺はため息をつく。


「飛ぶ暇を与えてくれそうにもありませんね」


 厄介なことに、ゴーレムどもは投石をしてくる。そして投げてくる石もゴーレムっぽい。
 ……これ大半は薙ぎ払わないといけないみたいだね。
 俺は轟々と嵐をこの身に纏う。暴力の風と書いて暴風――ホント、漢字って面白い。
 その嵐に俺はエクスプロードファイアを混ぜ込む。触れるもの皆ぶち壊そう。


「さて……それじゃあ蹂躙するか」


 ズガガガガガガガッガガ!!! とあらゆるものを飲み込み破壊する『風』を地面に叩きつけた。


「俺はマリルを助けるんだ……邪魔しないで欲しいんだけどね!」


 リャンがナイフを、俺が槍を構える。
 もう少し――待ってて、皆。

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