異世界なう―No freedom,not a human―

逢神天景@小説家になろう

27話 塔なう②

「清田っ! 清田!?」


 佐野が半泣きになりながら、清田のことを探している。それも無理は無いだろう。もしも清田が見つかったら――明綺羅達の仲間に入れて欲しいと何度も頼んできたのは佐野だからだ。恐らく、清田のことを一番心配していたのは彼女だ。
 だから、今日清田が見つかったときは、本当に佐野は嬉しそうにしていた。一回聞いてしまったが、彼女は清田の名前を呼びながら泣いていたことがあるらしいからな……よほど仲がよかったんだろう。


「しかし……何処へ行ったんだ?」


 塔の中には特に遮蔽物は無いから、隠れられる場所が無い。そもそも清田に隠れる意味も無いだろう。
 それでも姿が見えないとなると、何らかの魔法効果で人の手によって隠された……?


(って、こんな思考が出来るとは、俺も異世界に慣れたもんだ……)


 こんな時だが、思わず自嘲気味に苦笑いが漏れてしまう。
 それはさておき、仮に魔法効果だとしても『誰が』、『何のために』清田を隠した?
 清田を誘拐する理由も分からない。では逆に清田が自分から魔法によって姿を消したのか? 何のために? 天川たちから離れたかったから?
 清田は『職』の二段階進化すら出来ていないほど弱いのに?
 そんなんじゃ塔の中でやっていけるはずがないのに?


(不確定な要素が多すぎるな)


 天川は、どうにか現状を探ろうと思考を巡らせるが……周りの皆、特に佐野はかなり泡を食っている。


「お、おい、佐野さんよ。そんなに慌てなくても……」


「五月蠅い!」


 一心不乱に探している佐野は、白鷺の言葉にも聞く耳を持っていない。


「再会してすぐこんなことになったら誰だって荒れちゃうよね。私も……明綺羅君が突然いなくなったら、冷静でいられる気がしないもん」


 いつの間にか隣にいた空美がそんなことを言ってくる。


「つーかよぉ、別に清田がいなくなってもよくね?」


「そうだな、アイツ俺達の中で一番弱いし」


「そうそう! だからさ、佐野さん。別にそんなに必死にならなくても――なんなら、俺がちゃんと護るからさ?」


 阿辺と難波がそんなことを言って、佐野を慰めようとしているが……どうやら逆効果だったようで、むしろヒートアップした佐野が二人を怒鳴りつける。


「五月蠅い! お前達に何が分かる! 清田は弱くなんかない!」


「なっ……だ、だけどよぉ! あいつは俺達みたいに選ばれた人間じゃねーんだろ!? なんか、さっき話聞いてたら、『職』も二段階進化して無いっぽいじゃねぇか!」


「だからなんだ!」


 阿辺のセリフにカチンと来たのか、佐野が腰の剣に手をかける。
 あわや一触即発――と思われた瞬間、ヘリアラスさんがパンパンと手を叩いて二人を鎮める。


「ちょっと、ちょっとぉ、そこまでよぉ? 今は言い争ってる場合じゃないでしょう?」


「……す、すみません」


 佐野が彼女に謝り、阿辺は何も言わずその場から離れる。
 そしてヘリアラスさんがジロリと天川を睨み、デコピンした。


「アキラぁ、アンタが止めなきゃダメでしょぉ?」


「あぁ……すまない。皆、とりあえず清田を探そう。俺達が護ってやらなきゃなんないんだから」


 そう言って天川は剣を仕舞う。


(清田……生きていろよ)




~~~~~~~~~~~~~~~~




「と、まあこんな感じね。どう? 天川とやらの心の声を聞いた感想は」


「ふぅん……闇魔法っていろいろ出来るんだね」


「違うわよ。闇魔術――魔力の直接操作によって使う技術。人族如きが使う紛い物と一緒にされちゃ困るわ」


「紛い物、ねぇ……」


 今俺は、目の前にいるヒルディとかいう魔族の女に、闇魔術とやらで作られた空間に隔離されている。
 真っ暗なせいで距離感が掴めず、視認出来るものが俺とヒルディしかいない。そのせいでまるで無限に広がっているかのように感じる空間だ。
 ヒルディは金髪でカチューシャを付けており、露出度の高い黒ビキニのような格好をしている。若い男子としては目のやり場に困るね。
 一見彼女の容姿は、人族とあまり変わり無いように見える。けれど……よく見ると瞳は血の色を思わせるように紅く、エルフのように耳が尖っている。まさに魔人、そんな雰囲気だ。


「で、俺は何のためにここに連れてこられたの?」


「決まってるじゃない。貴方をスカウトするためよ。魔王様の元にね」


「――へぇ? なんでまた俺を。強い奴が欲しいなら、勇者を攫った方がいいと思うよ?」


 俺が言うと、するりとヒルディが俺に近寄り顎を撫でてきた。


(って、おいおい。これはヤバい、ね)


 俺は警戒を解いていなかった。それなのに……こんな簡単に首筋に手を当てられるなんて。ヤバすぎる。
 彼女から(今は)殺気を感じないから、即座に殺されることは無いだろうとは思っているけど……勝てるかどうかは五分、いや天川じゃないとヤバいかな。


「ねぇ――キョースケ? おかしいとは思わない?」


「……なにが?」


 ゾクリとした。なんか、心の隙間に入り込まれそうな声だ。


「だって、おかしいでしょう? 貴方は能力があるのに。さっきも聞いたみたいに――あの子達は貴方のことをただの弱者としか見てないことがよ」


「…………」


「おかしいでしょう? おかしいのよ。貴方は、強い。貴方には、能力がある。今はそれを引き出せていないだけ。いや、あの子達がそれに気づいていないだけ……」


「俺に、能力……?」


「そ、能力。今よりもっと強くなれるわ、貴方は。ねぇ、強くなりたくなぁい?」


 クスクスクス、とヒルディの笑い声が何処か遠くから聞こえる。アレ? なんか、ぼうっとするぞ……


「……何が、目的なんだ? 俺にそんなことを言うメリットが感じられないんだけど?」


 そのぼうっとした感覚を振り払うように、俺はヒルディに質問する。


「ふふ……さぁ、なんなんでしょうね」


 ヒルディはスルリと俺の背後に回りこみ、所謂アスナロ抱き……背中から俺の首に手を回し抱きついてきた。ちょ、当たってる。胸が当たってる。ぼうっとしてた世界から一気に引き戻されちゃったよ。


「力が、欲しいわよねぇ?」


「……………」


「力さえ手に入れれば、あの女――ココロ・カラミって言ったっけ? を自由に出来るし、全員から舐められるようなことも無いわ」


「力さえ、手に入ればねぇ……」


「そう、欲しいでしょ?」


 ………………力、か。


「ふふふ……そうよね。力は欲しいわよね」


 俺の沈黙を肯定と受け取ったのか、ヒルディはさらに甘い、甘い声で俺の耳に囁きかけてくる。


「――勇者を、殺しなさい。そうすれば、貴方を認めて、私たち魔王軍に加えてあげるわ」


 なるほど、それが目的か。まったく、もっと早く言ってほしかったね。


「……断るよ。俺は、そんなこと出来ない」


「あら? 何故かしら」


「天川の方が強いからだよ。不意をついても、倒せるかといわれたら、五分には届かないね」


 天川に対人戦闘の経験がどれだけあるかは知らないけど、ステータスで負けているし、なにより神器がある。俺が勝てるとは到底思えない。


「うふふ……そう言うと思ったわ」


 ヒルディがそう言うと同時に、俺の唇が彼女のそれによって塞がれた。


「!」


 その瞬間、俺の体内に何か……これは、魔力? いや、魔力とは少し違う……なんだ? 何か分からないが、とにかく何か得体の知れないモノが流れ込んでくる!


「ぶはっ! な、なにをした!」


 咄嗟にヒルディを振り払い、距離をとる。――といっても、この闇魔術とやらで作られた空間は真っ暗で距離感が掴みづらいけど。


「って、ん?」


「ふふ……」


 ドクンッ! と心臓が勢いよく飛び跳ねる。


「あ、あれ……? なんだ、これ……」


 ドクンッ! ドクンッ! と、だんだん脈打つスピードが速くなっている。
 ま、マズいね……何が起きてるか分からないけど、自分の身体に異変が起きていることは分かる。


「な、なにをした……の……?」


 ドンドン速くなる鼓動に、息が苦しくなってきて、俺はとうとう膝をついてしまう。くそっ、毒か何か、か……まずい、殺気が無いから油断してた。
この女、殺気を出さずに人を殺せるのか……っ!


「はぁっ、はあっ!」


 息が荒くなる。ヤバい、ヤバい、本格的にヤバい! 解毒薬を……
 俺が解毒薬をアイテムボックスから取り出し、飲もうとしたところでヒルディが声をかけてきた。


「ねぇ、そろそろ気づかなぁい? 貴方は今、途轍もない力を手に入れたことを」


「な、何言って……って、力……ッ!?」


 ドクンッ! と心臓が一際大きく跳ねた瞬間、ピタリと息切れと動悸が収まった。
 そして――身体に、今までに無いような力が満ちあふれている。


「な――こ、これは?」


「やっぱり耐えられたようね。そう――それは、魔王の血。一定以上のステータスを持つ者しか耐えられない、所謂ドーピングアイテムよ。身体に取り入れた者を魔族に変えて、とんでもない力を与えるの。もっとも、今貴方に注入したのは本来の半分くらいのモノ……だから今の貴方は半魔族ってところね」


「凄い、な、なにこれ……」


 身体の中を、信じられないような魔力が駆け巡っているのが『視』える。ついさっきまで何となくしか感じられていなかった魔力の流れが、手に取るように分かる。
 極めつけは……その魔力を、操れてしまう。自在に動かせる。まるで手足のように。
 今まで、そんなこと出来なかったのに……!?


「半魔族といえど、魔力の直接操作はできるはずよ。だから、殆ど魔族と変わらない。――ねぇ、今の貴方なら、勇者を倒せるんじゃなぁい?」


「今の、俺なら……」


「さぁ、勇者を殺してらっしゃい……殺すことが出来たなら、魔王の血を完全に貴方に注入してあげる。そうすれば、さらなる力が手に入るわ」


「これ以上のさらなる力?」


「そう。さらなる力を。さぁ、今の貴方に敵はいないは! 勇者を殺して、そして魔王の血族の一員となるのよ!」


「ああ、湧き上がってくる。力が、力が湧き上がってくる……本当に、本当に天川を殺せば、さらなる力をくれるんだよね?」


「えぇ、本当よ」


「はは、ははは、ははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!!!!!!!」


 ドウッ! と俺の身体から魔力が噴出する。魔力の直接操作とやらのおかげで、体内の魔力を練り上げ、高めて、放出することが出来るようになったようだ。
 なんて力だ。これなら――天川を殺せるかもしれない!


「さぁ! 勇者を殺しなさい!」


 ヒルディの命令に、俺は高笑いを上げて――


「ははははははは――だが断る!」


 ビシッ! と指を突きつけて、俺は宣言した。
ははは、ラッキー。死ぬまでに一回は言ってみたい言葉ランキング四位の台詞を言えたね。


「この清田京助の最も好きなことの一つは、自分が強いと思っている奴にNOと言ってやることだ……」


 完璧に決まった。うーん、これは気持ちいいね。
 俺がどや顔していたことが気に入らないのか、プルプルとヒルディが震えてこちらに叫んできた。


「断る、ですって!? 貴方、悔しくないの! 力をつけたと思っていたら馬鹿にされて!」


「別に。だって、アイツらはアイツら、俺は俺。求めてるモノが違うからね。アイツらがいくら強くなろうと俺には関係ないし」


「そ――それなら! 貴方、あの女をとられて嫌じゃ無かったの!?」


「空美のこと? うん、別に」


 というか何でその辺のことを知ってるんだ。もしかしてストーキングでもされてたのかな。
 確かに若干憧れていたのは否定しない。でも、そこに恋愛感情は無かった。佐野が誰かと付き合いだしたとか言われたらモヤモヤするけど、空美が誰と付き合おうが然程興味も無い。
 多少落胆して萎えたけどね。


「――貴方は! プライドが無いの!? そんな力を手に入れたのに、今まで馬鹿にしてきた奴らに復讐したいとかわないの!?」


誇りプライド? 何に?」


 俺は少し皮肉げな笑みを形作る。


「そもそも、この力は俺の努力で手に入れたものじゃない。そんな力、誇れるはずが無いでしょ?」


 そう、この力――ステータスは、単純な借り物だ。元から俺に備わっている力じゃない。
 上手く扱えるように練習してきたけど、本質的には俺の物じゃない。だから、これを誇るのは間違っている。
 ……なんて言っておいて、使える物は使うんだけどさ。この世界は単純な力がモノを言うことが多いから。
 新しい活力煙を咥え、魔力操作で――つまり魔術で――火を付ける。初めてやったけど、上手く出来た。
一々詠唱しなくていいから楽でいいね、これ。


「ふぅ~、さて、俺に用件はそれだけ? それだけなら、もう帰して欲しいんだけど?」


「そもそもなんであたしのテンプテーションが効いてないの!?」


 テンプテーション? ……誘惑、だっけ。サキュバスみたいだね。さっきぼぅっとさせられたのはそれかもしれない。


「――さぁ?」


 肩をすくめてみせると、ヒルディは完全にプツンときたのか轟々と魔力を練り上げ、殺気と混ぜた圧力をかけてきた。


「最後通牒よ。魔王の血族になりなさい。そうすれば、命まではとらないわ」


「その台詞、俺を強化する前に言うべきだったかな」


 俺は身体の中で魔力を練り上げ、ヒルディのように体外へ放出する。轟! という音とともに、ヒルディのそれと拮抗させた。
 ふ、ん――まだまだ余裕があるね。相手も全力じゃないだろうけど。


「今は負ける気はしないね。手心を加えるのは俺の方になりそうだよ。もっとも、俺はここまで殺気をぶつけてくる相手を許すつもりはないけど」


「――くらえっ!」


 突然、ヒルディの周りにいくつもの黒い塊が浮かび、俺の方へ向かって飛んできた。


「チッ」


 俺は腕を前に突き出し、水の渦でそれの威力を削ぎつつ逸らす。
 その一瞬の攻防で、魔力同士をぶつけ合うのならまだしも、魔術のぶつかり合いなら俺が負けるだろうことが分かってしまう。魔術に関しては相手の方が完全に格上だ。
 でも、


「はっ――残念だけど、その程度じゃ効かないね」


 俺は強がりを言い、槍を構える。魔術の撃ち合いで勝てないなら――


(――接近戦で仕留める!)


 ドッ! と、勢いよく地面を蹴りつけ、一気にヒルディに接近する。そして、本気で――殺す気で――『音速突き』を繰り出す!


「くっ!」


 ガチィン! という音とともに、俺の槍が防がれた。さっきの黒い塊で防いだみたいだ。あれ、結構汎用性高いね。


「まだまだ!」


 続けて、俺は『三連突き』、『亜音速斬り』、『飛槍撃』と放つが、全てあの黒い塊に防がれる。
 しかし、俺は俺の想像以上に強化されているようだ。一撃一撃の重さが以前の比じゃ無く、ヒルディも完全に防ぐことは出来ていない。一発ごとに彼女の顔がゆがむ。
 ……というか、これは強化されすぎでしょ、俺。今までの倍は速いよ。感覚としては。


「こ、の――殺さないように加減していれば調子に乗って!」


「わっ、と、ぐっ!」


 次々とヒルディから飛んでくる黒い塊が、俺の身体にぶち当たる。くそっ……かなりダメージが入った。


(くそっ!)


 舌打ちしつつ、距離を詰める。距離が開いたら魔術の的になるだけだ。魔術を使う余裕が無いくらい近くで連打しないと!
 ガツッ! と俺の槍と黒い塊が激突する。ああもう、この黒い塊がウザい!


「面倒くさい……っ!」


 周囲に『エクスプロードファイヤ』を数個展開する。黒い塊を全部吹っ飛ばしてやる。


「食らえ!」


 チュドーン! と今まで以上の爆音とともに、最初の一撃で彼女の黒い塊を全て吹っ飛ばしてしまった。……予想以上に威力が上がってるね。ヒルディも唖然としてるよ。


「あなた……凄まじいセンスね。これは、ますます魔王の血族に欲しくなったわ」


「そりゃあどう……も!」


 残りの火球をヒルディに撃ち込む。しかし彼女は黒い塊をベールのように広げ、それらを包み込むことでいなしてしまった。
 舌打ちし、俺が再び魔術を使おうとしたところでヒルディが笑い出した。


「ふふっ、ふふふ……確かに、これじゃあ少し厳しそうね。それなら、そろそろこちらも本気を出すわ」


「は?」


 ヒルディがぐっ、と力を込める仕草をしたかと思ったら、今まで轟々と吹き荒れていた魔力が彼女にどんどん収束されていく。
 なんだ? 何が起きてる? まさかパワーアップ系の技か何かを使うつもり?


(――だったら、パワーアップさせちゃいけないね)


 魔術を練り上げる。周囲に五つ火球を生み出し、ヒルディに発射した――が、


「あらあら。ふふふ、敵がパワーアップするのを待ってくれないのかしら?」


 ガガガっ! とまたも黒い塊に防がれる。くそっ、間に合わなかったか?


「って、なんだよそれ……」


 ヒルディが放出していた魔力を――身体の周りに纏っている。しかも、その色がさっきまではちゃんと紫色に『視』えていたのに、真っ黒になっている。何故?
 そして、さらに驚くことに――なんと、角が生えていた。ヒルディの頭に。なんか……悪魔のような、禍々しい角だ。捻れていて、それでいて尖っている。しかも、ヒルディの纏っている魔力と同じ色、真っ黒だ。
 押し潰すような圧力が薄れている。その代わり――刺すような、冷たい威圧感がある。さっきまでよりも恐い。


「なんだ、それ……」


 角を見ながら、同じセリフを呟く。


「ふふっ、これ? これは魔角。魔昇華が出来る魔族のみに生える、魔王の血族の証よ」


 誇らしげに言うヒルディ。俺はそれに苦笑を返す。


「ふぅん、似合ってないよ」


「あら、そう? あたしは気に入ってるんだけど」


「アンタみたいな美人は角なんて似合わないよ」


 テキトーなことを言いながら、相手の強さを計る。って……いやぁ、ヤバいな、これは。


「――キョースケ。まだあたしは諦めないからね。一応、殺さないでおいてあげるわ」


「……そりゃ、どーも」


 もう相手の殺傷圏内に入っているんだろうね、いつ殺されてもおかしくない。


「第二ラウンド、始めましょうか」


 歌うように、ヒルディが告げる。やれやれ、美人は何してても様になるね。あと、なんで異世界なのに第二ラウンドとか知ってるの?
 さて、どうなるかな。



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