勇者に殺された俺はどうやら迷宮の主になったようです
迷宮の侵攻 03
あまりにも強い援軍にとてつもない安心感を手に入れたこともあり、結局もう一体岩兵を購入した。
これで、岩兵二体に岩狼一体、それと俺で合計4体のパーティだ。
『いやはや、人知さんの助言のお陰で助かったよ。助言が無かったら、ゴブリンとスライムしか買ってなかったよ』
そんな上機嫌な俺に対し、人知さんも浮かれて、
【-だから言ったじゃないですか。もっと私を頼ってくれていいのですよ-】
『ああ! そうするよ!』
とりあえず、なんだか戦力は整った。
元の何十倍にも強く思えてくる。
それもそのはずだ。
岩兵、岩狼の能力値がやばいのだ。
【岩兵】
・攻撃値15防御値30魔力値0
・スキル《迷区の恩恵》.《岩石吸収A》.《復元D》
【岩狼】
・攻撃値30防御値15魔力値0
・スキル《迷区の恩恵》.《岩石吸収A》.《復元D》
確か、俺の能力が攻撃5防御50だから、防御は勝っているが、攻撃は岩兵と岩狼の方が上であった。
それこそ、ゴブリンキングやスライム王を除いた現迷宮モンスターの強さランクでいきなり、上位に食い込んできたのだ。
ほんと、これからはゴブリンたちには迷宮工事でも任せるくらいしかないほどだ。
『しかも、言葉の覚えまで速いし優秀だな』
「いえ、ぬしにくらべれべ、まだまざです」
少し口調がおかしくはあるが、それでもゴブリンの初日に比べれば、ずいぶんとましだ。
もはや、ゴブリンが哀れにも思えてきた。因みにスライムはスライム王となり戦力としてはまだまだ現役だ、それどころか迷宮最強のモンスターなのであった。
『では行こう!』
俺たちパーティは赤竜の迷宮への架け橋へと向かうのであった。
◆――
赤竜の迷宮。
そこに行くにはまず迷宮の架け橋を探す必要があったが、それは新入りのゴブリンたち10体が数分ほどで見つけて来てくれた。
その場は、第二の部屋の中央であり、そこにポッカリと大穴が開いていた。
『これが迷宮の架け橋か』
すっかりテンションも落ち着き、赤竜の恐怖が蘇りつつあったが、それは両隣の岩兵と岩狼を見つめて何とか治め。
大穴を見下ろした。
『なんだか、ドロドロしているな。これは水ではないよな』
【-迷水と呼ばれます。時空の狭間から流れてくるエネで満ちています-】
『要約すると、これはエネ水?』
【-はい、そうですね-】
人知さんが難しい専門用語を使うが何故か解読できてしまった。
何故なのだろうか。
で、ええとこれは水じゃなくてエネ水ということか
『じゃあ、行こう!』
俺を筆頭にとはならず、最初にゴブリンが偵察に飛び込んでいった。
なんせ、向こうの出口で赤竜が待ち構えていないとも限らないのだ。その場合、少し策を考える必要があった。だがそんな心配は杞憂に終わり、ピョコっとゴブリンが戻ってきた。
「ダイジョウブ、デウ、アカ、イマセン」
拙い言葉遣いなため少々わかりづらいが、どうやら何ともないようだ。
『じゃあ、岩狼、岩兵行け!』
ノシノシと岩兵が重い体を引張飛び込み、岩狼が俊敏にエネ水へと飛び込んだ。
後に残されたのは俺だけだ。
出来る限りの岩は吸収した。それに、手には岩で出来た超重棒も2本持っている。準備に抜かりはない。
『よし、行くか!』
エネ水へと飛び込むと、一瞬体を冷たい冷気が通り過ぎていく感触に見舞われ。
直後、ドシンと地へと着地した。
『うむむ』
目を凝らし、辺りを見るもそこは更地が広がる大きな森の中で、岩や砂は見られない。
これは、まあ人知さんが言っていた通りで、自然型迷宮のようだ。
俺の迷宮と同じ、洞窟型迷宮ならば岩を切りだして無限に回復できたがそれは無理そうだ。
そして、すぐ近くには岩兵が仁王立ちで手に持つ岩棒を握り、岩狼は眼孔を光らせ、当りを嗅ぎまわる。
岩といえども、その辺は再現されているようだ。
「このヘンはイナイみだいでです」
「ギュッウ」
と、岩平と岩狼がそれぞれ教えてくれる。
確かに辺りを見渡せども、何も動かない。赤竜が待ち構えているという最悪の結果は免れたようだ。
それでも、赤竜とは一対一しか勝てないし、なんとか群れからは避けたいところだが・・・・・・。
『じゃあ。ゴブリンたちは遠くの方を見て来い、岩平はこの近くで待機、ああ岩狼はゴブリンと一緒に行け』
と、俺の指示に従い、皆が動き。
後には俺と岩兵の三体が残ったのだった。
いやはや、どうなることやら……
これで、岩兵二体に岩狼一体、それと俺で合計4体のパーティだ。
『いやはや、人知さんの助言のお陰で助かったよ。助言が無かったら、ゴブリンとスライムしか買ってなかったよ』
そんな上機嫌な俺に対し、人知さんも浮かれて、
【-だから言ったじゃないですか。もっと私を頼ってくれていいのですよ-】
『ああ! そうするよ!』
とりあえず、なんだか戦力は整った。
元の何十倍にも強く思えてくる。
それもそのはずだ。
岩兵、岩狼の能力値がやばいのだ。
【岩兵】
・攻撃値15防御値30魔力値0
・スキル《迷区の恩恵》.《岩石吸収A》.《復元D》
【岩狼】
・攻撃値30防御値15魔力値0
・スキル《迷区の恩恵》.《岩石吸収A》.《復元D》
確か、俺の能力が攻撃5防御50だから、防御は勝っているが、攻撃は岩兵と岩狼の方が上であった。
それこそ、ゴブリンキングやスライム王を除いた現迷宮モンスターの強さランクでいきなり、上位に食い込んできたのだ。
ほんと、これからはゴブリンたちには迷宮工事でも任せるくらいしかないほどだ。
『しかも、言葉の覚えまで速いし優秀だな』
「いえ、ぬしにくらべれべ、まだまざです」
少し口調がおかしくはあるが、それでもゴブリンの初日に比べれば、ずいぶんとましだ。
もはや、ゴブリンが哀れにも思えてきた。因みにスライムはスライム王となり戦力としてはまだまだ現役だ、それどころか迷宮最強のモンスターなのであった。
『では行こう!』
俺たちパーティは赤竜の迷宮への架け橋へと向かうのであった。
◆――
赤竜の迷宮。
そこに行くにはまず迷宮の架け橋を探す必要があったが、それは新入りのゴブリンたち10体が数分ほどで見つけて来てくれた。
その場は、第二の部屋の中央であり、そこにポッカリと大穴が開いていた。
『これが迷宮の架け橋か』
すっかりテンションも落ち着き、赤竜の恐怖が蘇りつつあったが、それは両隣の岩兵と岩狼を見つめて何とか治め。
大穴を見下ろした。
『なんだか、ドロドロしているな。これは水ではないよな』
【-迷水と呼ばれます。時空の狭間から流れてくるエネで満ちています-】
『要約すると、これはエネ水?』
【-はい、そうですね-】
人知さんが難しい専門用語を使うが何故か解読できてしまった。
何故なのだろうか。
で、ええとこれは水じゃなくてエネ水ということか
『じゃあ、行こう!』
俺を筆頭にとはならず、最初にゴブリンが偵察に飛び込んでいった。
なんせ、向こうの出口で赤竜が待ち構えていないとも限らないのだ。その場合、少し策を考える必要があった。だがそんな心配は杞憂に終わり、ピョコっとゴブリンが戻ってきた。
「ダイジョウブ、デウ、アカ、イマセン」
拙い言葉遣いなため少々わかりづらいが、どうやら何ともないようだ。
『じゃあ、岩狼、岩兵行け!』
ノシノシと岩兵が重い体を引張飛び込み、岩狼が俊敏にエネ水へと飛び込んだ。
後に残されたのは俺だけだ。
出来る限りの岩は吸収した。それに、手には岩で出来た超重棒も2本持っている。準備に抜かりはない。
『よし、行くか!』
エネ水へと飛び込むと、一瞬体を冷たい冷気が通り過ぎていく感触に見舞われ。
直後、ドシンと地へと着地した。
『うむむ』
目を凝らし、辺りを見るもそこは更地が広がる大きな森の中で、岩や砂は見られない。
これは、まあ人知さんが言っていた通りで、自然型迷宮のようだ。
俺の迷宮と同じ、洞窟型迷宮ならば岩を切りだして無限に回復できたがそれは無理そうだ。
そして、すぐ近くには岩兵が仁王立ちで手に持つ岩棒を握り、岩狼は眼孔を光らせ、当りを嗅ぎまわる。
岩といえども、その辺は再現されているようだ。
「このヘンはイナイみだいでです」
「ギュッウ」
と、岩平と岩狼がそれぞれ教えてくれる。
確かに辺りを見渡せども、何も動かない。赤竜が待ち構えているという最悪の結果は免れたようだ。
それでも、赤竜とは一対一しか勝てないし、なんとか群れからは避けたいところだが・・・・・・。
『じゃあ。ゴブリンたちは遠くの方を見て来い、岩平はこの近くで待機、ああ岩狼はゴブリンと一緒に行け』
と、俺の指示に従い、皆が動き。
後には俺と岩兵の三体が残ったのだった。
いやはや、どうなることやら……
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