勇者に殺された俺はどうやら迷宮の主になったようです
迷宮の侵攻 01
青空とは程遠い暗い世界。
そこに赤鎧に覆われた竜はいた。
そして、辺りにはそれよりも数段ばかり小さな体格の竜たちが群れていた。
赤竜たちは吠え、獰猛な牙を震わせ地を叩きつけ、天へとブレスを放つ。
それは赤竜たちの賞賛であり、それは一つのものへと向けられたものであった。
赤竜は唸り、翼を広げ待ち構える。
同胞を殺したある王の来訪を。
◆――◆――◆――
迷宮崩壊から一夜明け、迷宮内の空気はより一層酷くなっていた。
ゴブリンは地に寝そべったまま動かず、隅っこには巨大なスライムが体を地へと放り出して小さな湖が出来上がっていた。
何も動かず静寂が場を占めていた。
そんな中、俺は人工知能と会話をしていた。
『人知さん、一つ聞いてもいいかな?』
【-何故、私に頼らなかったのですか?-】
と、間髪入れずに質問に質問で返してくる人工知能さん改め人知さん。
どこかしら、怒っているような心配しているようなあやふやな感じに思える。
『ええと、まあ、正直赤竜の攻略方法なんてないでしょ?』
【-……-】
何故か沈黙する人知。
まあでも予想通りではある。人知さんからしたら、昨日のあの場面で頼らなかったことに不服申し立てたいのもまあわかる。
でも、あれだけ切羽詰まった状況でちんたら話かけられないし、そもそも弱点なんて無い赤竜についてどうしたらいいかを人知さんが知るわけがないと思っていたから聞かなかったのだが。
【-それでも一応は聞いてください、じゃないと私の出番が回ってこないじゃないですか!-】
『……あれだな、なんだか人知さん前とキャラが変わりすぎだろ、一体どうした?』
ほんと、誰だよ。
あれだけ、清楚な人知さんがここまで砕けた言いかたに変貌するとは……。
それに何故かテンションが高い気がする。
【-私も成長するんですよ、決して話しかけられなくて暇だったから上の世界の勉強をしたわけじゃないんだからね!-】
『……』
もはや別人だ。人知さんがいつの間にかに別人とすり替わっていたのか。
それか、壊れたのか?
【-……はあ、まあ、冗談はここまでにしておきましょうか-】
『冗談にしては長かったね、それに冗談に思えなかったよ……』
【-そうですか、私なりに人間というものを勉強したのですが……続きはまたの機会にということにしときますか-】
『ああ、そうしてくれ。それで、改めて聞くけどどうして部下たちが倒れ込んでいるんだ? 見た感じ外傷はほぼほぼ治っているし、問題はないと思うけど……』
【-竜の呪いを知っていますか?-】
『いや、聞いたことがないと思う。そもそも呪いなんて、古代の遺産って呼ばれるくらいには昔の魔法だろ?』
【-それは人口の呪いです。今回のは天然の呪いでありそれらとは少しばかり異なります-】
『つまりはこうなったのは竜の呪のせいってことか?』
【-ええ、竜の呪い、それにより魔力の制御が不能状態に落ち込み、ゆえに体の制御が困難になっています-】
『それはいつまで続く?』
【-永遠かと思われます-】
『竜が死んだのに効果が続くのか?』
【-竜の呪いは特別です。竜の呪いは特別な血を媒介にしており、ゆえに消えない効果を持ちます-】
『消すにはどうすればいい?』
【-方法はただ一つです。呪いを掛けた竜よりも上位の竜の血を飲むことで上書きされ効果は無くなります-】
『それって、新たに呪いがかかることは無いのか?』
【-竜の呪いは竜の意志が込められた噛みから血が入ることで呪いを発するので、その心配はありません-】
『でも、竜なんてそうそう簡単に会えないだろ?』
【-迷区の主、赤竜の巣窟に居るかと……-】
『どういうことだ……?』
【-主が倒した赤竜は子竜であり、主ではありません。それこそ、主が倒した竜は雑魚でした-】
『えっと、ようはあれ以上に強い竜たちの迷宮があるからそこに行って、血を奪ってくれば、部下たちは助かると、そういうことか?』
【-はい、それ以外は可能性がゼロかと思われます-】
ってことはあれか?
俺はもう一度、おれよりも強い敵に挑まないといけないということか。
だが、まあ仕方がない。
とりあえず、赤竜殺しで手に入ったポイントで戦力を整えるか。
そこに赤鎧に覆われた竜はいた。
そして、辺りにはそれよりも数段ばかり小さな体格の竜たちが群れていた。
赤竜たちは吠え、獰猛な牙を震わせ地を叩きつけ、天へとブレスを放つ。
それは赤竜たちの賞賛であり、それは一つのものへと向けられたものであった。
赤竜は唸り、翼を広げ待ち構える。
同胞を殺したある王の来訪を。
◆――◆――◆――
迷宮崩壊から一夜明け、迷宮内の空気はより一層酷くなっていた。
ゴブリンは地に寝そべったまま動かず、隅っこには巨大なスライムが体を地へと放り出して小さな湖が出来上がっていた。
何も動かず静寂が場を占めていた。
そんな中、俺は人工知能と会話をしていた。
『人知さん、一つ聞いてもいいかな?』
【-何故、私に頼らなかったのですか?-】
と、間髪入れずに質問に質問で返してくる人工知能さん改め人知さん。
どこかしら、怒っているような心配しているようなあやふやな感じに思える。
『ええと、まあ、正直赤竜の攻略方法なんてないでしょ?』
【-……-】
何故か沈黙する人知。
まあでも予想通りではある。人知さんからしたら、昨日のあの場面で頼らなかったことに不服申し立てたいのもまあわかる。
でも、あれだけ切羽詰まった状況でちんたら話かけられないし、そもそも弱点なんて無い赤竜についてどうしたらいいかを人知さんが知るわけがないと思っていたから聞かなかったのだが。
【-それでも一応は聞いてください、じゃないと私の出番が回ってこないじゃないですか!-】
『……あれだな、なんだか人知さん前とキャラが変わりすぎだろ、一体どうした?』
ほんと、誰だよ。
あれだけ、清楚な人知さんがここまで砕けた言いかたに変貌するとは……。
それに何故かテンションが高い気がする。
【-私も成長するんですよ、決して話しかけられなくて暇だったから上の世界の勉強をしたわけじゃないんだからね!-】
『……』
もはや別人だ。人知さんがいつの間にかに別人とすり替わっていたのか。
それか、壊れたのか?
【-……はあ、まあ、冗談はここまでにしておきましょうか-】
『冗談にしては長かったね、それに冗談に思えなかったよ……』
【-そうですか、私なりに人間というものを勉強したのですが……続きはまたの機会にということにしときますか-】
『ああ、そうしてくれ。それで、改めて聞くけどどうして部下たちが倒れ込んでいるんだ? 見た感じ外傷はほぼほぼ治っているし、問題はないと思うけど……』
【-竜の呪いを知っていますか?-】
『いや、聞いたことがないと思う。そもそも呪いなんて、古代の遺産って呼ばれるくらいには昔の魔法だろ?』
【-それは人口の呪いです。今回のは天然の呪いでありそれらとは少しばかり異なります-】
『つまりはこうなったのは竜の呪のせいってことか?』
【-ええ、竜の呪い、それにより魔力の制御が不能状態に落ち込み、ゆえに体の制御が困難になっています-】
『それはいつまで続く?』
【-永遠かと思われます-】
『竜が死んだのに効果が続くのか?』
【-竜の呪いは特別です。竜の呪いは特別な血を媒介にしており、ゆえに消えない効果を持ちます-】
『消すにはどうすればいい?』
【-方法はただ一つです。呪いを掛けた竜よりも上位の竜の血を飲むことで上書きされ効果は無くなります-】
『それって、新たに呪いがかかることは無いのか?』
【-竜の呪いは竜の意志が込められた噛みから血が入ることで呪いを発するので、その心配はありません-】
『でも、竜なんてそうそう簡単に会えないだろ?』
【-迷区の主、赤竜の巣窟に居るかと……-】
『どういうことだ……?』
【-主が倒した赤竜は子竜であり、主ではありません。それこそ、主が倒した竜は雑魚でした-】
『えっと、ようはあれ以上に強い竜たちの迷宮があるからそこに行って、血を奪ってくれば、部下たちは助かると、そういうことか?』
【-はい、それ以外は可能性がゼロかと思われます-】
ってことはあれか?
俺はもう一度、おれよりも強い敵に挑まないといけないということか。
だが、まあ仕方がない。
とりあえず、赤竜殺しで手に入ったポイントで戦力を整えるか。
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