二度めの生に幸あれ!〜元魔王と元勇者の因縁コンビ〜

ユユセ

第3話.国王の城に殴り込み



「ふむ、コレは結界だな」

「だな」


場所は、アーテリア王国の入り口にあたるデカい石門の前にて。
でかい石門及び目の前に広がる街の風景を眺めながら、イヴと並んでそう言った。

街に近づいてみて分かったことだが、この王国の周りには目には見えない結界が張られていた。

魔物避けであった。


「やっぱ、凶暴化した魔物が増えてるからそれを防ぐため、ってことだよな。俺が前来た時はこんなのなかった」

「私の支配の時は、魔物に無闇に街を襲わせるなどということはしていないからな。これは大方、最近になって国に雇われた魔術師らへんの技だろうよ」

「でも、国を覆う結界なんてそこそこの実力者じゃないと無理だろ」

「なに、1人の力とは限らんぞ。複数人の統合かもしれぬ。その中に、貴様の元お仲間も居るんじゃないか?」

「え…?なんでイヴが俺が裏切られたこと知ってんだよ!?」


思いもよらぬ発言に、思わず驚いて相手の方を見る。


「女神がそう言っておった」


ぬけぬけとそう言われる。

くっそ…女神様め…。


「ははははっ!金につられて共に旅した勇者を裏切るとは、人間とは実に愚かで滑稽よな」


女神への恨みをはせる俺の横で、彼女は愉快そうに笑う。


「笑いごとじゃねぇよ…俺はそれで死んだんだからな」

「私を殺しておいてなにを言う」

「世界を支配してたからだろ」

「私は支配と統一をして脅かしはしていたが、無闇矢鱈な殺戮はしておらぬ」

「怪我人も死人も出てたからな!魔物が町の外うろついてるのが、人間にとってどれだけ恐ろしいことか知らねーだろ」

「当然だろう。魔王たる私の知ったことではないさ」

「ほんとお前、人間になったんならその魔王心理どうにかしろよ…」


そんな話をしながら、石門を潜り町の中心部へ向かう。


この街は、入り口から真っ直ぐに太く広い中央道が通っており、その通路を挟むように左右に市場や宿屋が並んでいる。

中心部へ行くほど大きな店も増えて少しずつ賑やかさを増し、一番奥まで歩き続け僅かな傾斜を登れば国王の城の正門までへ行けるという、シンプルかつ王国としては小ぶりな作りだ。


結界のおかげか、街の中は前と変わらぬ様子だった。
街中への魔獣被害は出ていないということに、ひとまずホッと安心する。

国王に裏切られたとはいえ、国民に罪はない。
被害なく暮らせているのなら、それだけで俺も少し報われる気がするものだ。
 

「で、まずはどこ行くよ」


俺としては、ここでは先程の素材を売ってなにか金にし、買い物が少しでもできればよいと、軽く立ち寄る程度のつもりだった。


隣を歩くイヴが、


「ではこのまま真っ直ぐ国王の城を目指し、城内へ殴り込みに行くぞ」


と、さも当たり前のように言うまでは。


「なんて?」

「聞こえなかったか?城へ殴り込みに行くと言っているんだ」

「なんで?!」

「国王が、私の宝を所持している。魔王わたしの城から帰還する際に、横領したんだろうよ。それが気に食わん。だから奪い返しにゆくのだ。当然であろう?」


なんという魔王精神…。

イヴに立ち止まる気はさらさらないようで、少女の体格のくせに俺を置いてく勢いでツカツカ歩いて行く。


「アーテリアのような弱小王国が結界を張れるそこそこの魔術師を雇えたのも、大方私の財宝を売り飛ばしたからだろうよ。あぁ腹立たしい」

「殴り込みって、俺も一緒に行かなきゃ駄目か?」

「コンビを組んだ相棒に一人で行けと?」

「イヴなら1人でも余裕だろ」

「分かっとらんなぁ。倒したはずの魔王と殺したはずの勇者が揃って手を組み白昼堂々殴り込みにくるほど、あの国王にとって恐ろしいことはあるまいよ」


くくく、と魔王の顔をして笑って言われるが、正直俺も怯えるあいつらの顔を拝んでやりたいという気持ちは…無くもない…
気がしてしまったわけで。


そんなこんなで、俺は殴り込む気満々の彼女に強く反対できず、十数分後には2人で城の前まで辿り着いてしまっていた。


城の入り口の門の前では2人の王国騎士が見張りをしていたが、そのうち1人の王国騎士は、俺の顔を見るなりギョッとした顔になった。
 

「……な、お前その顔…まさか…!アイルーク=リ…」


尚、そいつが全て言い終わる前に見張り2人をイヴがノールックでぶちのめし、黙らせてしまったが。

そのおかげか、城の中へドカドカと入っていく頃には、数十数百という武装した騎士達が目の前に立ちはだかっていた。

もっとも、こんな奴らは俺にとっても敵では無い。
 

「お前さぁ、もっと忍び込むとかあったよなぁ…。…おっと、」


だからこそイヴの横をのんびりと歩いていたのだが、急に数人の騎士が背後から斬りかかってきたので、身を翻して跳びよけ、空中で腰の剣を抜きその刃に炎を纏わせる。


燃ゆる剣筋フレイアード!」


騎士達を剣でなぎ払えば、肌をかすめる熱気と共に、数人の騎士が紙切れの様に簡単に吹き飛ぶ。


「な、何をする、う、うあああっっ!!」


周囲からそんな叫び声が聞こえて来るが、先に斬りかかってきたのはあくまであちら側だ。

束になっている騎士達の方へ、一気に距離を詰める。

集団めがけて剣をひと振り、ふた振り、み振りすれば、たやすくそいつらは壁まで吹き飛び、ドサリと床に伏せた。


「よし、まずはこんなもんか…?」


そう言いながら、ぐるりと周囲を見渡しした。

相手は鉄の鎧を身につけて鍛えている王国騎士達。
この程度は死にはしないし、時が経てば治る傷にしたつもりだ。


一方、城内を我が道顔で闊歩かっぽするイヴは、『猛る黒雷ブライザー』と唱えては壁という壁から謎の黒い稲妻を発生させて騎士数十人にお見舞いし、一瞬で大半を丸焦げの戦闘不能にしていた。

俺と違って、手加減も容赦もない。


「通すがよい雑魚ども。貴様らに用はない、道を開けよ。私は自分の宝を取り返しに来ただけだ!」

「まさか俺もこんな形でもう一回ここに来ることになるとはなぁ…」

「な、なんで魔王と勇者がここにいるんだ…!魔王は死んだはずで、勇者の死体も始末したはず…どうして、一体何が起こってるんだ…?!」

「強い、強すぎる…俺たちでは…。増援を!魔術師を呼べ!」


わずかに残った騎士達は突然の化け物客イヴ(と俺)との力の差に怯え、恐怖をあらわにしてガクリと膝をついていた。

側から見たらまるで悪役の無双だが、俺は憂さ晴らしができた様な気がしてちょっと気分が良い。

だいたい、ほとんどをやっているのはイヴだ。

バタバタと倒れる騎士達には目もくれず、もはや立ちはだかる者もいなくなった道を真っ直ぐに進んでいく。 

その中に、俺の元仲間の男も一人混じっていたような気がしたが、もはや一度道を違えた相手を気に留めることはしなかった。


そして、階段を登り騎士を押し除け、とうとう玉座の前にたどり着く。


「ほう、ここが玉座だな」


そこに居るのは、分かりやすくビビり散らかし『ももも、もっと騎士を呼べ!早くだ!!』と喚いている国王と、その横で信じられないといった顔で一歩後ずさる、俺の元仲間2人。
あとは、結界を張ったと思われる魔術師が1人と、忘れもしないジグラインの姿。


「な、なな、なぜ生きている!アイルーク=リジア」

「俺もまだよく分かってねーよ…」

「貴様の遺体はその場で焼却、消炭も跡形もなく片付け森に捨てたはずであろう!な、なぜだ?!どうして…」

「は…??俺、死んだ後そんな扱いされてんのか?」


思いもよらぬ酷い返答を耳にし、額にシワを寄せて睨みつけると、国王はまた顔を真っ青にして玉座で体を跳ねさせた。


「そんな話は後で良い!私が用があるのは貴様だ、国王!宝物庫へ案内しろ!私の宝を返してもらおうか!」

「え、…ええい!喧しい!!魔術師、あいつらを殺せ!そのために貴様を雇ったんだ!いけ、さっさとせんか!」


魔術師と呼ばれた女は、ハッとした顔をしてから杖をかかげ、


氷柱時雨アイサー


と、唱えた。

すると、俺とイヴの真上に、人サイズほどの氷柱のようなものが何百本と天井を埋め尽くすほど出現する。
俺たちを突き刺すべくきらりと鋭く輝くそれは、レベルだけで言えば、氷属性の上級魔法だった。


「貴様らもだ!元仲間だがなんだか知らんが、今は王の護衛であろう!王命だ!さっさと片付けろ!!」


そこで、俺の元仲間の2人も慌てたように立ち直して杖を構え、


草木の舞リーフル!」

拡散水弾ウォーターバレット!!」


と、今度は俺たちを囲うように、謎のうねる草木やら、数え切れないほどの水塊やらを発生させた。

こちらは、中級も中級。
数で言えば、まぁまぁ努力賞くらいの魔力と言ったところか。


このわずか数秒ほどで3種の攻撃魔法に四方八方を囲まれてしまったが、当の俺とイヴはといえば、呆れたような顔をして目を合わせていた。


弱すぎる。

そう。
魔術師や俺の元仲間2人は、俺とイヴを相手取るには、あまりにも弱すぎたのだ。

合わせた視線は、力の差を見せつけてやろうとの企みによるもの。


「やれやれ、私に喧嘩を売ったことを精々後悔するんだな」

「全くだ。かましてやろうぜ」

踊れ、黒炎インフェリア

波紋炎上フラインド!」


俺たちがそう唱えたのと、魔術師たちが慌てて杖を振り下ろしたのは同時だった。


イヴは頭上へ、ナイフ状に形どった黒い炎でできたなにかを一筋投げる。

その横で俺は剣を地面へカツンとつき、俺とイヴを囲う水塊と草木めがけて波紋のごとく豪炎をごうごうと燃え上がらせた。

上空で瞬く間に広がったイヴの黒い炎の爆発音と共に、頭上にあった大量の氷塊は跡形もなく蒸発。

風を切って飛んできていた水は、俺の魔法により同じく一瞬で蒸発し、消滅。
俺たちを捕らえるべく伸びてきていた木の幹や枝は火を伝わせ派手に燃え上がり、ボロボロの炭へと変貌してから床へ転がった。


3人の渾身の魔術攻撃は、俺とイヴの前で、あまりにも呆気なく無力へと還った。


「おらよっ!」


俺としては別に攻撃を仕返すつもりはなかったが、せっかくだから最後に一撃と、持っていた剣を力いっぱい国王とジグラインの間めがけて投げた。

剣は国王の頭すれすれに突き刺さり、顔面蒼白の国王は言葉も出ないようであった。

国王に向けて飛んできた剣を止められなかったジグラインが悔しそうに顔を歪めていたのが、少しだけ愉快だった。


「どれ、もう一投っ!」


なぜか、イヴも俺の投てきを見て気がノッたらしく、鉄杖をシュパーンと生成しては、魔術師と俺の元仲間達の方へぶん投げた。

少女の腕力とは思えぬ勢いで鉄杖は魔術師の顔の横にぶっ刺さり、そいつらは怯えきった顔でその場にヘタリと座りこんでしまった。

女である魔術師相手に顔めがけてとは、イヴのステキな性格がうかがえる。


「も…、もう良い!分かった、分かったからやめろ!」


国王は、ロボットのごときぎこちない動きで自分の顔のすぐ横に刺さった剣を見て震えてから、ワタワタと手を振り降参の意を示した。

俺たちのした動きといえば、中級の発展魔法を一つずつ見せて剣を投げただけだが、臆病な国王を降参させるには十分だった。


「宝は好きなだけくれてやる!だから、頼むから帰ってくれ…!い、命だけは…」

「フン、最初からそう申しておけば良いものをな。私の手を煩わせおって…。まぁ良い、宝物庫へ案内せい」

「う、…ジ、ジグライン!貴様がゆけ!宝物庫へ案内しろ!」


これ以上何をされるのかと気が気がじゃない様子の国王の指示で、憎々しげな顔のジグラインが別の廊下へと歩き始めた。


「…こちらへ」


案内のつもりのようだったので、こちらもそのままついて行く。

涼しい顔のイヴの横を歩く俺は正直、ジグラインの背中を蹴り飛ばしてやりたい衝動にかられたが、なんとか抑えておいた。


こいつへのやり返しは今じゃない。と。


「…おぉ!なかなか良い状態で保存してあるではないか。どれどれ…」
 

案内に従い宝物庫に辿り着いてから、その扉を開け放ったイヴが、中をぐるりと見回しながら満足そうにそう言っていた。

広い宝物庫の中は金銀財宝が所狭しと置かれており、案内役のジグラインがすぐ背後にさえいなければ、俺もテンションアゲアゲになっていただろうほどの輝きを放っている。


「ルーク、貴様は良いのか?見るだけではつまらぬだろう」

「いや、遠慮しとくよ。この中に俺の宝があるわけじゃないしな」


そう、首を振って口では否定しておいたものの。
俺にも、金欲がない訳じゃない。

ま、俺は一度世界救ってるし?
報酬として、ここで一つくらいもらっても悪くはないよな?
バチは当たらないはずだな?

そうのんきに考えて一歩踏み出したところで、不意に背後に感じるのは、凄まじい殺気と空気を切る音。

身の危険を察知し、すぐさま床へ屈む。


「…なにっ…?…くっ!!」


ジグラインの剣が、俺の頭上スレスレのところを通り過ぎていった。

背後から奇襲をしかけ首を取るつもりだったと見えるが、剣を投げて以来丸腰の俺に、まさかこの近距離で避けられるとは、夢にも思っていなかったのだろう。

首切りの失敗に、悔しそうに顔を歪めたそいつを見ながら、すかさず床に手をつき足を上に勢いよく突き上げ、ジグラインの手から剣を蹴り飛ばす。


こいつにやり返してやるのは、今だった。


足を下ろしてから体勢を立て直し、剣を弾かれた勢いでバランスを崩したジグラインへ一発放つべく拳を作る。

一歩相手の方へ踏み込み、握った手に魔力を込めてから、ガラ空きの腹へ拳をたたき込んだ。


衝撃波インパクト!」

「ぐぁぁあっっ!」


ジグラインは呻き声を上げて背後へ吹き飛び壁にぶつかり、ガラガラと瓦礫を散乱させながら倒れた。


…フー。
よし、スッキリした。


「ぐっ…アイルーク=リジア…。このような愚行、…許されると思わないことですね…」


だが、その言葉とともに砂埃の舞う中から睨みつけられ、思わずギョッとした。


「うわ、すげぇ、…意識あんのか。腐っても王国騎士団団長だな…。お前もさ、そんだけ強いんなら、あんな国王の下で働くの辞めちまえよな」

「はっ、私が元々支えていたのは現在の国王の兄上にあたる、国王様ですから」


瓦礫塗れのその姿にはお似合いの自嘲気味な口調でそう言われるが、内容にふと気をひかれた。 


国王…?」

「今のアレ・・とは正反対の、聡く気高い方でしたよ。…あの方は、数年前に病で亡くなってしまいましたが…。その際に、『国を頼む』と仰せつかったものでね。現在の国王が幾ら残念なアレでも、託された国を捨てることは出来ませんよ…」


はーあ??

結局みんないい奴endかよ。
だぁー…くそ。

こんな話聞かされてしまっては、これ以上の仕返しも嫌がらせをする気も失せてしまう。

国王に問題があっても、国自体や国民に罪はない。
それは言うまでもなく当然なのだが、この際はジグラインについても、少し同情の念が湧いてきてしまった。
本来仕えていた素晴らしい国王の次が、臆病な上に自分勝手で頼りない現国王アレでは、グレもするか…と。


なんだが気が削がれてしまって、はぁ、と一つため息をつく。


「あー、もう仕方ねぇなぁ」


なんだかこのまま帰るのは気持ちが良くないので、『ちょっと待てよ』とジグラインに告げてから宝物庫の中へ入り、ガサゴソと財宝を漁る。


「お、どうしたルーク。貴様も財宝を頂く気になったか?」


何やら良いものを見つけたらしく、指輪を装着している最中のイヴにそう言われる。


「ちげーよ」


財宝の中を漁り、無事目当ての物を見つけては、それらを手に抱えてまた戻ってくる。

そして、割れないように慎重にジグラインの前に置いたのは、美しい球形の水晶と、宝石の埋め込まれた女神を模した小さなモニュメントの2つ。


「この2つは、邪気避けと魔除けの効果がある。石門の前にでも一緒において魔法を込めたら今より二重くらいは強い結界張れるから、魔術師と俺の元仲間達に言っとけ」


その言葉を聴いたジグラインは、水晶とモニュメントを交互に眺めて少し考えてから、


「…有益な情報感謝します。承知致しました」


と俺を見上げた。


よし。
俺にできることも、したいこともこれだけだ。

あとは、イヴをつれて早く城を出よう。


「なんだ。それは魔除け結界の足しにするだけか…無欲も体に悪いぞ、ルーク」


背後からそう言われて振り返ると、ここへ来る前とほとんど変わらぬ姿のイヴが宝物庫から出てきていた。

彼女の外見の変化と言えば、先程左右の手に一つずつ身に付けていた、2つの指輪だけだ。


「イヴこそ、その指輪2つだけで良いのか?もっと、王冠とか首輪とかジャラジャラ着けて出てくると思った」

「良い。旅にそれらは不要であろう。今の私にはこれで十分よ」


意外だな…と思いつつ、そうか、と返事をすると、イヴがチラリとジグラインの方を見て、


「ところで、貴様の先程の話。病死したとかいう前の国王のことだが、遺体は残っているのか?」


と、尋ねた。


「あ、あぁ…はい。国王様のご遺体は、棺に入れて土葬しておりますが…」


ジグラインは明らかに、『それがどうした?』と言いたげな顔をして答えていた。俺もそう思う。


「遺体さえ有れば、私がソイツを蘇らせることができるぞ」

「「は???」」


綺麗にジグラインと声が揃うくらいの勢いで驚いた。

こんな形でこの男と意見が合いたくはなかったが、この感想の一致は当然だと思う。


「イヴ、死者の蘇生ができんのか?!」

「無論。私を誰と心得る。魔王だぞ、魔王」


“元”な、と心で付け加えながら、イヴの発言の本当の意味を察してしまった。
 
失念していたが、イヴの力は元魔王によるもので、つまり彼女が使用する魔法は、大半が悪属性魔法だ。

遺体・死者の蘇生・悪属性魔法の3つのワード揃えば、考えられる方法なんて一つだろう。


イヴは一呼吸置いてから、「まぁもっとも…」と前置きし、未だピンときてなさそうなジグラインに向けて、こう言い放った。


屍肉兵ゾンビで良ければの話だがな」


と。


その時のジグラインの、間の抜けた顔と言ったらなかった。


___その後、俺たちは衝撃の抜けきらないジグラインにじゃあな、と別れを告げて、城の窓から飛び降りて裏口付近に着地。


「…殴り込み、結構楽しかったわ」


歩き出しながら、そう口にした。


「それは当然のことだな。なんたって、この私と一緒なのだ。万事楽しめるであろうよ」

「はいはい。じゃあ次は買い物だからな。もうこの街での物騒はココでおしまい」


そう話しながら、裏道を通ってまた街の中央へ向かう。

今度こそ、買い物をしよう。

国王の城への殴り込みは、これにて終了である。


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