Jack of all trades ~主人公ポジションを奪います~

フランク 相川

第四十二話 休息無し

王城に向う。

『新しい情報が入りました。どうやら他にも17人ほどいるらしいです!』

まずいことになった。これほどの人数だと仲間を危険にさらすことになる。
翼は目立ってしまうため出さなかったが、そんなことを言っている場合ではなくなってしまったな。

そんなことを考えていると、歓声が聞こえ始めた。
王城に着くと、悠人と姫様が手をつなぎながら手を振り階段を下りていた。
しまったそろそろ外に出てしまう。

『見つけた!……!15人程が銃を構えて集まってる!……ヤガラス君!』
『わかった!』

指定された場所に行くと確かに男女が銃を構えていた。
銃があるのか?これは調べる必要があるな。

翼を広げ、敵の集団に向う。
ピストルを構えて銃弾を実弾に変え、リロードする。
”ジャックオブオールトレーズ”を使い銃口を銃に向って向ける。

「?お前ら構えろ!何か来るぞ!」

脚に力を入れ、勢いよく前に跳び銃を敵の銃に向けて撃つ。
二発撃ち、拳銃持ちを二人を殴り、ダウンさせた。

「くそ!お前ら撃て!」

銃弾が飛んできた。五感が強化されているため、反応速度が格段に上がっている。
銃弾を銃弾ではね返し、翼で銃弾を斬っていった。

相手は弾を使い切り戸惑っている。今だ!
相手をなぎ倒していき、ほとんどが気絶していった。

「これでもくらえ!」

しまった、まだ後ろにいたらしい。
さすがに反応が遅れてしまう。
だが俺の不安も相手の眉間を見て無くなった。

眉間には赤い光がありそこに矢が当たり、電気ショックで相手は倒れた。

『ありがとう、デザート!』
『お安い御用でっせ!』

そこにはメッシュマスクをつけ、コンパウンドボウを構えたデザートがいた。

『大変です!王城に向って10人ほど銃を持ち、走っています!』

俺らに休息というものは無いらしい。
デザートは敵を見張るためそこに残ることになった。

王城に向って走っていると、道の途中で七つの人影が見え始めた。
見て見ると銃の先端に刀がついている。どうやら銃剣のようだ。
全員が俺に気が付くと銃を構えて、突進してきた。
翼を前に出し、盾にする。

「もらったぁあ!」

しまった、どうやら一人後ろに回っていたようだ。
だが彼の首元に針が刺さり、彼は倒れた。

『ボス!』
『気をつけろ!』

フクロウのお面をつけたボスは、そこについているインカムを通して注意してきた。
ボスに向ってグッドサインをしていると五人ほどの男女が剣を俺に飛び込んできた。

だが俺の目の前に出てきたのは爬虫類の頭蓋骨のお面をつけたベビーだった。
剣を振り相手を吹っ飛ばした。

「……ここは俺がやるから王城に向え!」
「それ、死亡フラグだぞ」

そう言いながら王城に向って俺は走り始めた。
城壁を登ると悠人たちが見えた。
馬車に乗りこれから城の別荘に向い、そこで上層の人たちとのパーティーをするのだ。

だが俺は王城の屋根に人影を発見した。
二段ジャンプでお城まで行き、勢いよく跳んだ。だが高さが足りないため壁キックをしてまた空中で二段ジャンプをする。ゲームでよく使ってたな。

屋根まで行くとそこには三人の魔族がいた。

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