Jack of all trades ~主人公ポジションを奪います~

フランク 相川

第十二話 三時の約束

よし、やってみようかな!
「ねぇ。」
「ん?どうした。」
「時間。」
お、もう三時か。
「ごめん。んで、用事って何?」
「あの、ここじゃあ話せないから。その……。」
まさか、これは!
こ、こ、こくは……。
いや、まだわからん。とりあえず、行ってみよう。
「あー、わかった。」


「ここ?」
「うん。あのね……。」
ゴクリ……
「ここにね、田村くんが来るはずなの。そこでね私の予想だけど田村くんと和鷹くんが姫様を乙女ゲーみたいに奪い合うと思うの。」
あ、はい。知ってました。どうせ俺は親友ポジションですよ!!!
うぅ……。
「どうしたの?なんか悲しそうだけど。」
「いや、何でもない。えっと、悠人の話だよね。あー、それね半分あってて半分間違ってるね。」
「どういう事?」
「まぁ、いずれわかるよ。」
ちょっと覗いてみるか。
おっ、いるいる。
楽しそうだなぁ!おい!!!
とりあえず、今日は来ないだろう。来るとしたら、一週間後だろう。
んじゃ、一週間後まで行ってみよう!




     ~島崎 視点~
 三時に来てほしいって、一週間前の私が言ったことと同じだけど。
まさか!こ、こ、告……!
いや、でも、まって、いや、わからない!
ちょ、ちょっと、ここで話せるか聞いてみよう。
「ね、ねぇ。ここで話せない?」
「あ、ええと、ちょ、ちょっとね。」
えええええ!
やばい、やばい。どうしよう。
でも、そういうこともあるのかな?
もうすぐ実戦練習があるけど、三週間後だよ!
大丈夫よ、恵奈賀。落ち着いて。
「ついた。」
「えっと、なにをするの?」
「待つ。」
「は?」
「和鷹が来るから、待つんだよ。」
……。
「ん?どうした(笑)。」
パァァン!
「グフゥ!!!」
     ~矢田部 視点~
はっはっはっ!!!
ざまぁ見やがれ。
お前も俺が告白するって思ったろ!
大成功!!!
「いてて、何すんだよ。バレたらどうすんだよ。静かにしろ。」
「フン!」
コツコツ
おっ、来たか。
「お、姫様ではありませんか。どうです?私達と一緒にお茶でもしませんか?」
「いえ、待っている人がいるので。」
「えぇ、ノリ悪いっすよ姫さん。」
(なにあれ。まるでナンパじゃない。)
(いいか、あれが本当の和鷹クズだ。)
「いいから。来いよ!」
「やめてください!」
「おい!和鷹君!やめなよ!」
お、ヒーロー登場だ。
「うるせぇ!」
やばい!
グローブオン!
パァン!
バチィィン!
「いてて、危ない!お前殴るのか!一国の姫さんを!」
「そうだよ!和鷹君!僕を殴るのはいいけど、ソフィアさんを殴るのはや、やめろ!」
「うるせぇ!女は黙って俺の指示に従えばいいんだよ!」
「悠人、姫さんを連れて逃げるんだ。姫様、悠人を信じてください。」
「わかった!行くよ、ソフィアさん。」
「はい!」
よし、ヒロイン2号クリアだな。
「勝手に話を進めんじゃねぇ。逃がさねぇぞ!」
「和鷹くん。まさか、そんな人だったなんて。」
「し、島崎さん!?」
「お前ら!やっちまえ。俺は田村のところに行く。邪魔だぁ、矢田部ぇ!」
ドン!
いってぇ。
俺、防御力200なんだよ。
相手は四人か。
バタバタバタバタ
えっ……。
「あっけないわね。」
「あのー、エナガさん?」
「行きましょう。私達に出来ることはもうないわ。」
「お前、もしかして剣士じゃない?」
「ええ、王様にはもうバレてるけど。」
王様ぁ。

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