キャンディータフト【完】

邪神 白猫

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「えっ……?」

 言っている意味がわからず、固まったままめぐちゃんを見つめる。
 誰と話してるのって……どういう意味……?
 困惑したまま視線を目の前に移すと、悲しそうに小さく微笑む大ちゃんがいた。

「……私達もう浩一の家に行くから、終わったら来てね。……それじゃ、後でね」

 黙ったままの私達にそう告げると、少し心配そうな顔を見せるめぐちゃん。
 教室を出て行こうとするも、一度立ち止まって振り返ると何か言いたそうに私達を見る。それでも何も言わずに黙ったままクルリと背を向けると、そのまま静かに教室を後にしたーー。

 ずっと黙ったままめぐちゃんを見送った私は、ゆっくりと首を動かすと目の前の大ちゃんへと視線を移した。
 相変わらず悲しそうな顔をしている大ちゃんに向けて、小さく震える声で話し掛けてみる。

「大ちゃん……誰と話してるのって……どういう意味だろ……? 」

 カタカタと震える手をキュッと握り締めると、答えを求めて大ちゃんを見つめる。そんな私から視線を逸らすと、黙って俯いてしまった大ちゃん。
 そんな姿を見て、再び私の中で生まれはじめる小さな不安。そんな不安に押し潰されそうになりながらも、震える手を大ちゃんへ向けてそっと伸ばしてみるーー。

 ーーー!?

「……え? 」

 大ちゃんに触れたはずの私の手は、そのまますり抜けるようにして宙を舞った。

「なん……で……? 」

 驚いた私は、自分の手をただ呆然と見つめた。

「……ごめん。ひよ、ごめん……」

 小さく震える声に反応してゆっくりと視線を上げてみれば、私を見つめる大ちゃんと瞳がぶつかった。その大ちゃんの瞳からは涙が流れ、とても辛く悲しそうな顔をしている。
 

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