シェアハウス【完】
21
『女性限定シェアハウス。家賃三万』
ネットで見つけた、たった一行だけの短い文。
それを見た私は、怪しいと思いながらも隣にいる美咲に携帯を見せた。
「ーーねぇ、ここどうかな?」
「えー。安すぎて怪しくない?」
携帯を覗き込む美咲は、そう言って怪訝そうな顔をする。
「だよね……。でも、一応電話だけしてみようかな」
「辞めた方がいいと思うよ」
「うん……でも一応。電話してみて変な人だったら辞めるし」
「絶対怪しいって」と言う美咲を横目に、私は記載されている番号に電話を掛けた。
数回鳴った呼び出し音は、プッと短い音をさせて繋がった。
「ーーはい」
電話口から聞こえたその声は、とても穏やかで優しそうな女性の声だったーー。
ー完ー
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