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一家に一つ拳銃を【完】

ふわふわだよ

平均的な日常

それからしばらくは太郎に日常が戻った。わけではない。
今も休校だ。
そんなことよりも重要な事が起きてしまったのだ。
それは
群馬侵入禁止令である。
これは群馬県に入ってはならないという法律である。
なぜそうなったかって?
察しのいいあなたならもうお分かりだろう。
そう。
群馬県はもうゾンビまみれになってしまったのだ。




話は飛ぶ。



太郎の家のドアが叩かれる。
「誰ですか?」
「……………。」
声も出さずにドアをノックしている。
「なんだよ。」
そうつぶやきながら太郎はドアを開けた。
「わっ!」
それは白目を向きながらフラフラと太郎へと歩み寄って行った。
太郎の家族は皆、その時たまたまでかけていた。
「そうだ!」


もし命が危なくなったらその、…そのときが来たらわかると思う。だからココ。」
太郎は母の言った言葉を思い出した。

太郎は部屋の中に入った。
急いでその不審者に向かって銃口を向ける。
だが、テレビで見たように上手く撃つことができなかった。ゾンビの横の壁に銃弾がめり込んだ。
今度こそはとゾンビの額をめがけて撃つ。
運良くたまがあたり、ゾンビは倒れた。
拳銃からピッという音がした。



十分後、家の玄関の前に車が着いたようだ。
「母さん 」
しかしそこにいたのは迷彩柄の服を着たお兄さんたちだった。
「君子供一人ってのも珍しいね。拳銃を渡してちょうだいね。」
お兄さんはそう言った。
「ゾンビ倒したの君かい?」
「はい」
怪我はしていないかい?
「はい」
太郎はお兄さんの言った通りにして、車に乗せられる。
「あれ?怪我してるじゃん。」
その怪我は腕の怪我で、昨日草むしりをしていたらついた傷だ。
お兄さんは「プランBに変更」というと、太郎が草むしりの話はもう聞かないと言う様に黙り込んだ。



お兄さんは「ついたよー」と言った。
太郎は暗闇の部屋の中を覗いて、行くのをためらった。 
「おい!何してる!」
太郎はお兄さんから足で背中を蹴られ、真っ暗な部屋の中へと放たれた。





もう一度言う。
「一般的」な生活が崩れることになった。まぁ、それもそれで同じような目にあった人はたくさんいるのだが。


これは、どちらかというと、平均的な日常に過ぎないのである。






「増田さん!」
「はい?」
「今度私といっしょにゴハンでもどう?」
「いいわね。」
「どうしたの?増田さん!」
その時、伊藤が部屋に戻って来た。
「どうした?動かなくなって。ここは栃木県だ。
まさかと思うが…」
「渡辺さん。この社員もともと群馬住んでないよな?」
「ええ。群馬県にいたそうなんですが、ちょっとあのウイルスの件で引っ越したらしいです。」
「まあそうだよな。かかってないよな。今まで大丈夫だったと言うしね。」
「ちょっ、増田さん!増田さん!」
「大丈夫、俺に任せなさい。肩を、」
伊藤は増田をおんぶして階段をおりていくつもりらしい。
その時、何かを噛む音がした。
これも、日常になりつつあるのであった。


   【完】

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