汚濁

「S」

episode.『01月14日(月)』



頼りたいけど、頼りたくない。

支えてほしいけど、ほしくない。

会いたいけど、会いたくない。

寂しいのに、一人でいたい。

見つけてほしいのに、ほしくない。

そんな矛盾に囚われてばかり。

死んでしまえば、どれだけ楽になれるだろう。

どれだけ自由になれるだろう。

私は今が苦しくて仕方がないよ。





逃げ道のない現状。

誰も助けてくれはしない。

死んで名を遺す作家がいるが、その気持ちがよくわかる。

皆が気づいた頃には後の祭り。

大切なモノは失ってから気づく。

私もそう、なるのかな。

日に日に死んでもいいと思ってしまう。

今まで以上に心が擦り減って行くのを感じる。

ほんと、涙が出そう。





私も生きたいと、心の片隅で思っているのかな。

生きているって楽しい事。

なら、それが苦でしかない私には……。

私は弱い。

どれだけ取り繕っても、どれだけ自分を偽っても、心の底で弱い自分が悲鳴を上げる。

だから今にも泣きそうになる。

息を殺して、歯を食いしばる。

ほんと、嫌になる――。





私はこの家が大嫌いだ。

否定ばかり、偏屈で頑固な独裁者の父。

雑な母の、親切の押し売り。

生まれてこの方、幸せだと思えるモノが何もない。

助けを求めようにも、複雑な家庭故に理解してもらえるはずもない。

それを証明するには、消える選択肢しかない。

死人の言葉なら、誰だって耳を傾けるから。





この家に生まれた時点で、私が幸せになれるはずもない。

夢を見れただけで、友達がいるだけでも幸せに思えって事なのかな。

ふざけるな。

平気で家族に手を挙げて、自分の事を棚に上げて、何がお前のためだ。

自分勝手にもほどがある。

開き直って、腐りきった性根。

私はその遺伝に、吐き気がするよ。





どれだけ幸せな未来を想像しても、覚めれば途端に苦痛の現実に苛まれる。

私が創作しているのもきっと、この現実が嫌だからだ。

そこに自分を重ねて、不毛な時間を過ごす。

夢見心地は良くも、待っているのは助長された孤独。

辛すぎて、本気で何度も思ってしまう。

だからもうすぐ、迎えが来るよ――。

          

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