汚濁

「S」

episode.『01月07日(月)』



おそらく、私の余命はあと1年。

就活と共に訪れる終活。

未来を掴み取れれば、私の勝ち。

できなければ、死。

私のこれからの行動は全部、文字通り命懸け。

これは私と運命との戦い。

死が怖くないと言えば、そんなのは問題じゃない。

私には生きる価値がなかった。

ただそれだけの話なんだから――。





まさか、自分を人質にしないと自分を守れないなんて、誰が思うだろう。

こんな考えを持つ時点で、私は狂っている。

でも、そうでもしなければ私に未来なんてない。

それほどまでに私の人生は真っ暗だ。

支えがない時点で私は人じゃない。

この汚濁ツイートが遺言になる日も遠くはないのかもしれない。





今の私から言えるのは、これは全て嘘でも冗談でもない。

複雑な家庭で夢を持ち、恋をして、挫折をし、後悔し、無感情に日々を過ごす変人狂者が、人生の敗北者となって命を絶つ。

生きる意味がなければ、価値はない。

大丈夫、悲しむ人は誰もいない。

ただこの世から人が一人消えるだけの話なんだから。





真実を告げれば、誰もがたかがと呆れ返るだろう。

でも私には、あの家庭で過ごす事は苦痛でしかない。

縛られ続けて生きるくらいなら、死んだ方がまし。

だからそれを実行する。

馬鹿げた話。

でも、そうすることでしか私は自由になれない。

助けがないのなら、私が私を楽にするよ。

今までのように。





私の創作はこの汚濁か、生涯を書き記した一作が、命同様最後を飾るだろう。

それが早いか遅いかは神次第。

私には、生きる事が苦しくて苦しくて仕方がない。

だから秘かに、待ち遠しくもある。

大病に侵されて今死んでも、今を抜け出せるのなら本望。

それほどまでに、私は家族が大嫌いなのだから――。





感情を殺すなんて簡単。

自分の心に語り掛けてやればいい。

その胸にプスリと、ナイフを突き立ててやればいい。

黙れ、お前はいらない。

たったそれだけで、何も考えずに済む。

心を擦り減らして生きていれば、こんな芸当誰にでもできる。

だから死なんて恐れなくなる。

私の心は冷たく麻痺している。

          

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