汚濁

「S」

episode.『12月26日(水)』



楽しい時を過ごすと、そこに依存してしまう。

終わりが近づけば近づくほど、もっとずっと一緒にいたいと思う。

そうやって、別れ際に迎えるは悲しみと切なさで。

余韻に浸るべく眠りにつけば、夢でもあなたの姿が映る。

居心地が良すぎて、抜け出せない。

私はどうやら、幸せだったみたいなんです――。





何を期待していたのだろう。

何を自惚れていたのだろう。

私は甘い。大馬鹿者だ。

見誤ってばかりいる。

何を求めたって、何にも手に入らないというのに。

私らしくって、私を見定めてなきゃわからない。

何をしたって無駄なんだ。

そんなこと、わかっていたことじゃないか。

私には、一人が相応しい。





誰かのために生きようなんて性に合わない。

だから自分のために生きようと思う。

どうせ誰も、興味なんてないんだから。

他人のために心擦り減らすなんて馬鹿げてる。

だったら自分のために擦り減らした方がまし。

いざとなれば、死を選べばいい。

私は孤独であり続けるけることが、一番お似合いだよ――。

          

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