見た目おっさん。夢想したものを錬成、現実化できる力を行使する異世界平和への物語

とおす

エル・ガーラと渉の試験

エル・ガーラはこの瞬間に恐悦至極の姿勢で臨む。


おっさんも又、相手の雰囲気に違和感を感じつつも武道残心の構えで挑む。


強者に対する挑戦者。


「全力を出してないとすぐ分かるから、全力を出してかかってきなさい!」


「・・・分かりました。お手柔らかにお願いしますね!」


エル・ガーラは相手の能力値が分かる故、おっさんの力の入れようが分かる。


おっさんは、いずればれると本気を出す事に気持ちを入れ替えた。


ーー


報酬スキルポイント 2,501P(振分前)
残スキルポイント 0P


・力:38+501P(539)
※異世界一般住民平均値:65


・体力:38+500P(538)
※異世界一般住民平均値:125


・マナ保有量:1,000+500P(1,500)
※異世界一般住民平均値:350


・魔力:38+500P(538)
※異世界一般住民平均値:60


・身体稼働力:100%+【500P×0.1=50%】(150%)


>戦闘力評価ランク:評価不可


【所有スキル】
・創造スキル(物理)-LV5
-創造可能数5個 ※→作成済み3個
〇剣1
〇魔力変換HP回復アイテム1
〇言語変換翻訳機(自動発生)】




・魔法付与スキル(人・物)-LV2
付与可能創造数6個 ※→付与済み3個
〇剣1(火・水・土・風)
〇現在着ている服(治癒)
〇現在履いている靴(土・風・治癒)


・操作マスタースキル-LV3
-操作可能数15個 ※→操作制御中2個
〇剣1
〇現在履いている靴


ーー


渉の持つ剣は先ほど魔法付与を解除し、火・水・土・風を付与直ししている。


イメージ錬成による剣はおっさんの欲望のままを実現しており、


外から属性認識できない創りにしている為、


相手からすれば、かなり悪質な武器といえる。


だがおっさんの油断なき選択は、正解であったと言えるであろう。


「あなたの武器はその剣か。・・・なんか違和感を感じる剣だな」


「へえ。なんとなくでも違和感は分かるんですね。
・・・さて、さっそくですが攻めてみますね」


火は風と混ざり合い業火を生み。地は水を含んで土塊を生む。


おっさんは剣にそのイメージをぶつけると正眼の構えをとる。


剣道での知識だが、全ての構えにスムーズに移行することができる構えで、


攻撃するにせよ防御するにせよ、この構えを開始点とすることで戦闘中に発生する様々な状況の変化に対して咄嗟に対応できるらしく、おっさんは実戦を積み習得しようと試みる。


「・・・隙が無い・・・いや少ないな・・・ならば!」


エル・ガーラは接近戦を避け、詠唱を行う。


「我は求む。土錬氷風刃どれんひょうふうじん!」


天空より来る突風がエル・ガーラの横に一つの剣として突き刺さる。


即席の剣といえるがその見た目とは裏腹に耐久性はかなりの業物といえる。


そんな剣を手に持ち、試し振りを行うエル・ガーラ。


「さ、かかってこい」


おっさんはまずは小手調べと接近し、エル・ガーラの剣に切りかかる。


ガキンッと金属と氷と土の響き合い、激しくぶつけ合った二人の剣は折れる事無く、
その場に押し留まる。渉の全開パワーはエル・ガーラを驚愕させる。


「なっ!なんて力だよ!」


「それは私のセリフだおっさん!」


ギギギギギギ。お互いの剣は当てがられたまま、


相対する者同士睨めっこをしている。


「私の力に耐えられるだけの力があることにも驚きだが、君はまだ力を隠してるね?」


エル・ガーラの力は強く、おっさんの全力でも剣を押し込めない。


おっさんは剣のポテンシャルを少し引き出すことにした。


火と水、土と風、互いの属性には相性と組み合わせによる進化が存在する。


おっさんはイメージを創り込む【雷の剣戟】それを練り込むは己の相棒である剣。


相棒は相棒。名前なんて必要ない。


雷旋らいせん」おっさんは詠唱破棄のつもりで略称技名を剣戟の技とした。


雷旋の発動は剣を通し、エル・ガーラの剣を通り、エル・ガーラを攻撃する。


「!ッガアアアア!」


エル・ガーラは感電したように全身を襲う痛みに耐えようと、


剣の力を1段階上げ、おっさんを吹き飛ばした。


「ぐっ!!っと!」


おっさんは2メートル吹き飛ばされ、危うく建物にぶつかる前に踏みとどまる。


エル・ガーラは驚いたことに、おっさんを吹き飛ばした後、剣を突き立て、


己の剣を地面に突き刺し、電気を逃がしているようだ。


おっさんはエル・ガーラの様子を静観する。


「はあ・・はあ・・・・」


「・・・・・・・・・・」


「おっさん、渉といったか・・・」


「ああ、そうだ」


「お前の力は・・・・いや、今はやめておこう」


「ん??なんかあるのか?」


「話をしたいが、ここは場所的に人目に付く・・・そうだな、これを」


エル・ガーラは一枚のチケットをおっさんに手渡す。


「お前のその力は冒険者組合において、かなりの戦力になるだろう、窓口にそれをもっていけば分かる。あとはお前が決めろ・・・私は、私でやらなければならない事がある・・・とりあえず、試験は文句なしの合格だ。また、知らせを送るから、すぐ会うことになるだろうから、今は・・・そうだな、おめでとう。精進したまえ」


エル・ガーラはおっさんに祝詞を送り、背を向け、試験の続きに戻るのであった・・・。



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