見た目おっさん。夢想したものを錬成、現実化できる力を行使する異世界平和への物語

とおす

おっさん企む

「自己開示」


おっさんの目の前に文字列が並んだ。


文字列が並んでいる時は時間が止まる利点があり、


周りの動きも停止する。


しかし、タイムリミットは10分であり、


それが経過すると自動的に解除される。


おっさんはその10分間を利用し、


思考時間を設けることにしたのである。


おっさんはオーク(10号)との戦い、


この世界での立ち回りの仕方について考えた。


条件は次の通りだ。


1.自分の立場の確立
→これは、周りから見たおっさんがどんな存在だと認識してもらうかである。


レイガスとミルルには一部なスキルを知られた以上、今更隠し通すつもりはない。


となると、冒険者組合に早い段階で登録して、


自分のスキルとランクなるものがあれば紐付けを行いたい。


そうする事で、冒険者であるという立場は手に入れられる。


2.敵存在の確定化
→女神曰く、各種族間での争いが起きているならば、


争いの原因を作っている敵という存在がいる筈だ。


これは実際に身体を使い、情報を得る必要がある。
このオークの斧を叩きつけた時、


自己開示で時間を止めたから、


俺がオークの突進に気づいていないように周りの者は思っている筈だ。


しかし、流石冒険者、


レイガス達は俺のサポートに回るべく、


オークの突進にしっかり対応しようとしてる。


この状態ならオークにど突かれることはないだろう。


このオークの立場がどんなものかは今は分からないが、


へんてこゴブリンよりは力ありそうだし、無力化し、


言語翻訳機を作成して聞き出してみよう。


種族同士を仲介する1歩目になるだろう。


3.自己ステータスの向上
→これは言うまでもなく、


仲介役を担う以上、


戦闘狂と呼ばれる種族がいることを


前提にした考え方だが、


単純に死んでしまったら意味がない。


最強=仲介役までは求めないが、


近い戦闘力は利益はあっても損はないだろう。


「ま、こんくらいかな」


おっさんはあと30秒で目の前の文字列が解除されるまでの間、周りを見渡す。


オークとレイガスとミルル。


よく見たら、密林の上にへんな奴が立っていた。


「ん?なんだあいつ。・・・こっちを見てるな。・・・戦場を観察し、情報収集か?・・・ふむ。逆に利用するか」


おっさんはニヤリとし、戦闘の時間に戻るのであった。















「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く