十刻の魔物使い

黒良シキ

二十一話 僕もランクアップ


「ふぇっ、僕も?」

僕は驚いて変な声を出してしまった。

「坊主も中々の腕だろう?」

「いや、僕は別に」

「いや、その年で使い魔がいるテイマーはいないぞ。」

「そうなんですか?」

「ああ、テイマーはステータスが低いから魔物を瀕死状態にするのが大変なんだ。だから、テイムできる奴は余程戦いの技術が高いか、テイマーだがステータスが高い奴くらいしかいない。」

「でも、パーティーで行動すれば可能なんじゃないですか?」

「いや、パーティーにとって使い魔のいないテイマーはお荷物でしかない。だから、誘っても断られるだけだ。まぁ、親切な奴なら手伝ってくれるかもだが、あまりお勧めはしない。」

「そうなんですか。」

まぁ、わざわざ足手纏いでしかない奴を連れて行く人なんていないか。
冒険者はいつも生と死が隣合わせなんだから。

僕は納得するとジャンクに聞く。

「あの、本題は何ですか?」

「ああ、そうだったな。坊主のランクもあげようと思う。」

「それはどうしてですか?」

「坊主のテイムしている魔物、そりゃBランクのサンライトウルフの変異種だな?」

変異種ではあるけど神種なんですけど……
ていうかラルってそのサンライトウルフの神種なの?

(ラルってサンライトウルフの神種なの?)

(はいです!)

「そうみたいです。」

「みたい? まぁいい。ランクを上げる理由はその使い魔だ。Bランクの魔物をテイムするにはBランク以上の実力が必要だ。そう考えた場合、坊主はもうBランク以上という事だ。だから坊主をBランクに上げるがいいか?」

「はい。大丈夫です。」

こうして僕は登録した初日にBランクになった。






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