十刻の魔物使い

黒良シキ

七話 使い魔の名


(んー………あっフェンは?)

(主人、しっくりきません。)

 僕は今、絶賛名前考え中だ。

(じゃあ………リル!)

(主人、ダメです。)

(何がダメなの?)

(その、グッと来ないんです。)

(うーん、じゃあレイ!)

(ダメです。)

(じゃあルフ!)

(ダメです。)

(もう、名前にそこまでこだわる必要ある?)

(それはもちろん! 一生その名で呼ばれるんですよ?)

(そう言われたらそうだ。)

(よし、じゃあもう少し考えて見るよ。)

 僕はじっくりと考えた後、これだと思い念じた。

(ラルだ!)

(しゅ、主人!)

(ど、どうしたの?)

(グッと来ました! しっくり来ました!)

(そ、そうか。それはよかったよ。)

 ラルという名前に辿り着くまで1時間程掛かった。
 まぁ時間は掛かったけど、ラルも喜んでいるみたいだしいいか。
 ラルという名前は宝石のエメラルドから取った。
 その理由は、ラルの瞳が綺麗な緑でエメラルドの様だったからだ。



 僕はその日ラルを抱いて寝た。
 とてもモフモフで気持ちよかった。
 これから毎晩こうしようと思った。








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