私に彼氏ができないのは天使(妹)のせい!?

りゅう

私と天使(妹)の過去⑦





 「ねえ、みゆ、ずっと部屋の中にいると退屈じゃない?お姉ちゃんと一緒にどこかお出かけしない?」

 私が妹に尋ねると妹は顔を真っ青にして首を激しく横に振った。

 「ごめん。ごめんね。そうだよね。怖いよね。大丈夫、無理にとは言わないからさ。大丈夫だよ。私とここにいよう」
 「いつまで…」
 「え?」
 「いつまでお姉ちゃんは私と一緒にいてくれるの?いつまで私と一緒にいられるの?」

 妹は泣きながら私に尋ねた。頭の良い子だ。わかっているのだろう。私が、あともう少しで妹の側からいなくなるかもしれないことを…

 「安心して、みゆが私に側にいて欲しいって言うなら私はずっとみゆの側にいるよ。私は、みゆのお姉ちゃんだもん」
 「でも、お姉ちゃん…」

 すごく複雑な表情をする。やっぱり、この子は優しい。自分が極限まで追い詰められているのに、私の事情も考えてくれるから。

 「ほら、泣かないの。かわいい顔が台無しだよ。大丈夫、みゆが望むなら私はみゆの側にいる」

 先程まで悩んでいたはずなのに、いざ妹から2択を迫られると私はあっさり妹の手を取っていた。妹は泣きながら「でも」と「だって」を繰り返す。きっと、私に甘えて私の将来に傷をつけたくない。と思っているのだろう。この子は本当に優しい。この子には今まで通りの暮らしを取り戻して欲しい。

 今までも本気だったが、より一層、本気でそう思った。私は、妹に元通りの生活を過ごして欲しい。妹にまた、外の空気を吸って欲しい。妹がまた、心の底から笑えるようになって欲しい。もし、その日が来るのなら、私の将来がどうであれ、私は幸せだろう。

 何日後だろう、何週間後だろう、何ヶ月後だろう、何年後だろう。妹が心の底から安心して外の世界と向き合うことができるのは……






「私に彼氏ができないのは天使(妹)のせい!?」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「恋愛」の人気作品

コメント

コメントを書く