私に彼氏ができないのは天使(妹)のせい!?

りゅう

私と天使(妹)の過去





 「みことちゃん、この前、みゆちゃんと2人で話したんだ」
 「みゆと2人で…ですか?」

 いつの間に…正直意外だった。妹(天使)は特に男の人が苦手だから……

 「みゆちゃんがさ、震えながらいろいろ話してくれたんだ…みゆちゃんの過去の話も聞いたよ。大変だったんだね。そんなことがあったのに僕と2人で話すのは辛かったと思うけど、みことちゃんのために。って必死だったよ。みゆちゃんに慕われてるんだね」
 「そう…ですかね……」

 私は妹に慕われているのだろうか。こんなばかでどうしようもない私を妹は慕っているのだろうか。ただ、妹に私以外の選択肢がなかっただけではないのだろうか。もし、妹にあんなことがなければ…私は妹にこんなに慕われていなかった気がする。

 たまに、そう思う。そう思う度にあの日のことを思い出す。



 数年前のあの一件が起こるまで、妹は今ほど私にべったりではなかった。

 あの日

 「最近元気ないけど大丈夫?」

 私は、さりげなく部屋にいた妹に尋ねた。家族の前では笑っているが、私にはその笑顔が仮面のように思えた。

 今ではそうは思えないが、妹はクラスで人気者だったみたいだ。成績優秀で、スポーツも普通にできるし、器用で割となんでも容量よくこなす。おまけにめちゃくちゃかわいい。そんな妹はクラスメイトにいろいろ頼られたり、何かを相談されることが多かった。当時の妹はとても明るく雰囲気がよくてそう言った頼られごとや相談をたくさん受け笑顔で対応していた。

 人とは難しい生き物だ。人気者に光が当たる度に、その光と比例するように一部の人間に闇が積もる。

 「みゆさん、ちょっと頼みたいことがあるのだけど話を聞いてもらえるかな?」

 中学校に入り、クラスメイトからの信頼が厚かった妹は担任の先生からあるお願いをされたらしい。

 妹は笑顔でそのお願いを引き受けて先生の悩みを解決しようとしていた。





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