私に彼氏ができないのは天使(妹)のせい!?

りゅう

私と天使(妹)と気になる人






 「みことちゃんってかなりのシスコンだよねー」
 練習を終え、楽器を片付けている時に私が少し意識していたこう先輩に揶揄われるように言われた。
 それを聞いて、私は昔友達に言われたことを思い出した。みことに彼氏ができないのはみことがシスコンだから…
 自他共に認めるシスコンの私が人を好きになってもその愛は好きになった人と妹に二分される。いや、たぶん妹の方が、好きの度合いは高い。はっきり言って私は妹がいればいいや。と思う事はあった。だから、男の人を好きになることはあまりなかった。でも、今のこのドキドキはきっと…恋なのだろう。
 「みことちゃん、明日のサークル後って予定あるかな?」
 楽器の片付けを終えた私にこう先輩が尋ねる。
 「特に予定はないですけど…」
 「あ、よかった。チューバで食事会しない?みことちゃんにチューバの4年生の先輩紹介したいしさ」
 お誘いは嬉しかった。だが、妹をどうしようかと少し悩んだ…チューバでの食事会に妹を連れてっていいかな…妹は食事会に参加したがるかな…などといった悩みだ。
 「あ、みゆちゃんも一緒に来てもらって全然構わないよ。あ、せっかくだし宇佐美先輩にも声かけてバリチューの食事会にする?」
 私の表情から察してくれたこう先輩は私に気を遣って提案してくれる。せっかくのお誘いを断るのは申し訳ないし私も行きたかったので妹に聞きに行くことにした。
 妹に尋ねると、宇佐美さんとお姉ちゃんが行くならみゆも行きたい。と言ってくれた。宇佐美先輩はえー楽しそうだね。邪魔じゃないなら参加したいなぁと言ってくれた。
 妹は宇佐美先輩にめちゃくちゃ懐いていた。私以外の人に妹が懐いて嬉しい気持ちもあるが、寂しい気持ちもある。
 妹と宇佐美先輩の返事を聞いた私も食事会行きたいです。とこう先輩に言うとじゃあ、明日のサークル後にバリチュー会やろう。と言ってくれた。
 嬉しかった。気になっていた人と一緒に食事に行けることが、気になっていた人のことをもっと知れる機会が得られたから…

 翌日、私はめちゃくちゃ気合いを入れた服装で出かけた。普段はあまりしないお化粧もした。(マウスピースに口紅が付くのが嫌なので口紅はしなかったが…)
 授業中、いろいろな人に見られたり休み時間に声をかけられたりするがあまり相手にしない。授業が終わり妹をアパートに迎えに行って妹とサークルに参加する。

 「あれ、みことちゃん、今日の服装めっちゃいいね。かわいいよ」
 こう先輩に挨拶した時にこう先輩はそう言って褒めてくれた。
 そしてサークルの時間はそわそわしながら過ごし、練習が終わった後、バリチューメンバーで食事会に出かけるのだった。






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