死んだ者が最後に来る店
死んだ者が最後に来る店
チリン。
と今日も鈴がなる。
今日の最初のお客様だ。
「いらっしゃいませ。お客様。」
「え、あの、ここは…?それに貴方は誰…?」
「申し遅れました。私の事はオーナーと呼んでください。ここは死んだ者が最後に来る店。お客様はもう死にました。」
「死んだ…?私が…?」
「…珈琲と紅茶。どちらがいいですか?」
「あ、すみません…紅茶で。」
ここに来るお客様は死んだ人です。
そして悩み・未練がある人が来ます。
私はその人達の助けになりたい。
悩みを聞いて、慰めて、また生きたい。と思えるように。
紅茶を1口飲んだ少女がボソッと言った。
「…私。死にたかったんです。」
「それはどうしてです?」
「いじめられてたんです。誰にも相談出来なくて辛くて…。」
ボロボロなセーラー服を着た少女が無理やり笑顔を作った。
「お客様は今、私に相談できてますよ。凄いことです。」
「でも、結局死んでしまったんですよ…。両親にも迷惑を…」
「お客様は勘違いをしていらっしゃる様ですが…。いえ、嘘をついていらっしゃいますね。」
少女はハッっとした表情を見せ。
泣き崩れた。そして吐き出すように言葉を発した。
「言えるわけないじゃないですか…。親からも虐待されて、学校では虐め。こんなこと、初対面の貴方に言えるわけ…!」
「初めてお客様。今のお客様とは初めましてですね。」
「え…?」
「お客様。前世という言葉は信じますか?前世は本当にあります。私はお客様の前世に会ったことがあります。」
「だから、初対面じゃないと…?」
「はい。因みに私は自殺行為をする人を弱い者だと思います。」
少女は少し怒った口調になり、
オーナーを睨んだ。
「な…。やっぱり貴方もそう言うのね…!」
「お客様は自殺していません。お客様の両親に殺されました。」
「え、あの人達が…?」
少女は絶望した顔になった。
「お客様。先程の私の失言は取り消します。
私は自殺行為をする人を弱い者だと思っていません。
強いものだと思います。
逃げる事には勇気がいりますから。
誰でも逃げていいんです。
お客様は自殺する覚悟は出来ていました。
それがたまたま殺されてしまった。
お客様は全然恥ずかしくないんです。迷惑じゃないんです。むしろ、褒められるべきですよ。」
「よく、ここまで頑張ってくれました。」
少女は顔を赤くして泣いていた。
泣きながら、それでも笑って
「ありがとう、ございます。
オーナーさん。」
「…またのご来店をお待ちしております。お客様。」
「オーナーさん。」
「?」
「また生きたいと思いました。
次はもっと優しい家族と過ごしてやります!」
オーナーはドアから出ていく
客にお辞儀をし、
ドアが閉まってもドアをしばらく見つめていた。
「やっぱり眩しいな。お客様は。」
と今日も鈴がなる。
今日の最初のお客様だ。
「いらっしゃいませ。お客様。」
「え、あの、ここは…?それに貴方は誰…?」
「申し遅れました。私の事はオーナーと呼んでください。ここは死んだ者が最後に来る店。お客様はもう死にました。」
「死んだ…?私が…?」
「…珈琲と紅茶。どちらがいいですか?」
「あ、すみません…紅茶で。」
ここに来るお客様は死んだ人です。
そして悩み・未練がある人が来ます。
私はその人達の助けになりたい。
悩みを聞いて、慰めて、また生きたい。と思えるように。
紅茶を1口飲んだ少女がボソッと言った。
「…私。死にたかったんです。」
「それはどうしてです?」
「いじめられてたんです。誰にも相談出来なくて辛くて…。」
ボロボロなセーラー服を着た少女が無理やり笑顔を作った。
「お客様は今、私に相談できてますよ。凄いことです。」
「でも、結局死んでしまったんですよ…。両親にも迷惑を…」
「お客様は勘違いをしていらっしゃる様ですが…。いえ、嘘をついていらっしゃいますね。」
少女はハッっとした表情を見せ。
泣き崩れた。そして吐き出すように言葉を発した。
「言えるわけないじゃないですか…。親からも虐待されて、学校では虐め。こんなこと、初対面の貴方に言えるわけ…!」
「初めてお客様。今のお客様とは初めましてですね。」
「え…?」
「お客様。前世という言葉は信じますか?前世は本当にあります。私はお客様の前世に会ったことがあります。」
「だから、初対面じゃないと…?」
「はい。因みに私は自殺行為をする人を弱い者だと思います。」
少女は少し怒った口調になり、
オーナーを睨んだ。
「な…。やっぱり貴方もそう言うのね…!」
「お客様は自殺していません。お客様の両親に殺されました。」
「え、あの人達が…?」
少女は絶望した顔になった。
「お客様。先程の私の失言は取り消します。
私は自殺行為をする人を弱い者だと思っていません。
強いものだと思います。
逃げる事には勇気がいりますから。
誰でも逃げていいんです。
お客様は自殺する覚悟は出来ていました。
それがたまたま殺されてしまった。
お客様は全然恥ずかしくないんです。迷惑じゃないんです。むしろ、褒められるべきですよ。」
「よく、ここまで頑張ってくれました。」
少女は顔を赤くして泣いていた。
泣きながら、それでも笑って
「ありがとう、ございます。
オーナーさん。」
「…またのご来店をお待ちしております。お客様。」
「オーナーさん。」
「?」
「また生きたいと思いました。
次はもっと優しい家族と過ごしてやります!」
オーナーはドアから出ていく
客にお辞儀をし、
ドアが閉まってもドアをしばらく見つめていた。
「やっぱり眩しいな。お客様は。」
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