美醜逆転の異世界で私は恋をする
お互いのこと
  青年の名前はアルトさんという。狼の獣人で300人位の村で生まれ育ったそうだ。狼獣人はその醜さからと獣人であることから人族からは迫害にされるので村は森の奥にあるという。
 ……やっぱり美醜感覚がこの世界ではおかしなことになっているっぽい。
 アルトさんの私を見る目は私の自惚れでなければ熱がこもっているように見える。正直、見目麗しい青年にまるで大切な人を扱うかの如く扱われてさっきからドキドキが止まらない。
 でも、まずはこの世界について知らなければ生きていけないので色々と質問をする。
 この世界の人族について、人族の街はどこにあるのか、お金の在り方、魔法、宗教、など色々と聞いてみた。
 アルトさんは優しく私の質問について、答えてくれた。
 「アルトさん、ありがとう」
 「いえ、お役に立てたなら良かった。でも、……貴女はどこから来たのですか?」
 ……これまでの質問で一般常識さえ無いことはバレまくっている。そりゃ、不思議に思うよね。さて、どう答えようか。少し、悩んだが仕方ない、
「……実は。気が付いたらクトゥーの実の近くの泉の側にいてそれよりも前の記憶がないんです」
「そんな!それは大変でしたね。……良かったらですが狼獣人の村で過ごすのはどうですか?余ってる部屋はあるのでそこに住めばいい」
「ほんとですか!行くところがなくてどうしようかなと思ってたんです」
 住みかゲット!助かったあ。私はニコニコと笑顔でお礼をいった。
 アルトさんは、笑顔の私を見惚れたように見つめた。そんなアルトさんを私も見つめてしまう。
 
 うう。また微妙な間が出来てしまった。
「……あげはさんは、俺の顔をそらさずに見てくれるんですね。同じ狼獣人ですらあまり見たがらないのに」
 そう言うとアルトさんは私の頬に手を当ててじっと覗きこんでくる。なんだろう、うまく呼吸ができない。ドキドキが止まらない。
 段々とアルトさんの唇が近づいて来ているような気がする。このままだと、キスされてしまう。
  柔らかそうな唇が私の唇に降りてきそうなその時に、
「おい!アルト!なにしてる!」
 非難するような声が前から聞こえてきた。 
「それ、人族の女か?なに、襲ってんだよ!?」
 襲うって!声を聞いて正気に戻った私は顔が真っ赤になっていくのがわかる。キス!キスしそうだった。あったばかりの男の人と。
 うわあ。自己嫌悪で死にそう。そんなぐるぐる考えている私を放っといてアルトさんと青年は話しをし始める。
「……この方は、俺達の村の為にクトゥーの実を分けてくださると言ってくれた。だから、村に連れていく途中だった」
「クトゥーの実!ほんとか!」
「……って話しそらすな!何でその人を襲ってたんだよ!?」
「う、うるさい!村の皆が待っている。……早くいきましょう!」
 アルトさんは、そういうと私の手を握り歩き続け始めた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 ……やっぱり美醜感覚がこの世界ではおかしなことになっているっぽい。
 アルトさんの私を見る目は私の自惚れでなければ熱がこもっているように見える。正直、見目麗しい青年にまるで大切な人を扱うかの如く扱われてさっきからドキドキが止まらない。
 でも、まずはこの世界について知らなければ生きていけないので色々と質問をする。
 この世界の人族について、人族の街はどこにあるのか、お金の在り方、魔法、宗教、など色々と聞いてみた。
 アルトさんは優しく私の質問について、答えてくれた。
 「アルトさん、ありがとう」
 「いえ、お役に立てたなら良かった。でも、……貴女はどこから来たのですか?」
 ……これまでの質問で一般常識さえ無いことはバレまくっている。そりゃ、不思議に思うよね。さて、どう答えようか。少し、悩んだが仕方ない、
「……実は。気が付いたらクトゥーの実の近くの泉の側にいてそれよりも前の記憶がないんです」
「そんな!それは大変でしたね。……良かったらですが狼獣人の村で過ごすのはどうですか?余ってる部屋はあるのでそこに住めばいい」
「ほんとですか!行くところがなくてどうしようかなと思ってたんです」
 住みかゲット!助かったあ。私はニコニコと笑顔でお礼をいった。
 アルトさんは、笑顔の私を見惚れたように見つめた。そんなアルトさんを私も見つめてしまう。
 
 うう。また微妙な間が出来てしまった。
「……あげはさんは、俺の顔をそらさずに見てくれるんですね。同じ狼獣人ですらあまり見たがらないのに」
 そう言うとアルトさんは私の頬に手を当ててじっと覗きこんでくる。なんだろう、うまく呼吸ができない。ドキドキが止まらない。
 段々とアルトさんの唇が近づいて来ているような気がする。このままだと、キスされてしまう。
  柔らかそうな唇が私の唇に降りてきそうなその時に、
「おい!アルト!なにしてる!」
 非難するような声が前から聞こえてきた。 
「それ、人族の女か?なに、襲ってんだよ!?」
 襲うって!声を聞いて正気に戻った私は顔が真っ赤になっていくのがわかる。キス!キスしそうだった。あったばかりの男の人と。
 うわあ。自己嫌悪で死にそう。そんなぐるぐる考えている私を放っといてアルトさんと青年は話しをし始める。
「……この方は、俺達の村の為にクトゥーの実を分けてくださると言ってくれた。だから、村に連れていく途中だった」
「クトゥーの実!ほんとか!」
「……って話しそらすな!何でその人を襲ってたんだよ!?」
「う、うるさい!村の皆が待っている。……早くいきましょう!」
 アルトさんは、そういうと私の手を握り歩き続け始めた。
 
 
 
 
 
 
 
 
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