転生しているヒマはねぇ!
80話 魔力コントロール
これまで多くの知らない魂たちに囲まれて緊張気味だった三子魂は、遊ぶ許可をもらったと、喜び勇んでマーシャに踊りかかる。
くっ。いったいどう書けば、あの三文字に三時間を費やせるというんだ!
「こ、こら。お前たちやめんか。食事中じゃ」
まだ仮体をもてない三子魂にとって、食事など関係ない。容赦なくぬいぐるみの身体で突撃する。さすがのマーシャも三子魂相手に魂魄での打撃はせんからな。安心だ。
おまけに丁度良いタイミングで、レイラさんがやってくる。
「姉さんズルい。私も三魂と遊びたい。混ざるーっ!」
額と両耳の上の計三本のツノをたてて、四魂に突撃する。
うん。プライベートでは本当に子供だな、レイラさん。
甘やかされるのを好む魂だから、三子魂の相手は嫌がるのではと思っていたが、こちらも精神年齢が近いためか、仲良くやっているようだ。
俺は芝生の上でゴロゴロ転がり始めたガキンチョどもをそのままに、途中すれ違う来客たちに挨拶をしながら、嫁さんたちの元へ行く。
嫁さんたちは、チェリーと会話をしていたところで、その内容が耳に届いて来る。
「というわけで、申し訳ないんだけど、今度のお休みにダイちゃんをお借りするのさ」
宙にプカプカと浮きながら、チェリーは嫁たちに深々と頭を下げた。
「ようやくか。お前にしては行動が遅かったな」
「頑張ってくださいね、チェリーさん」
「部屋準備済。ドンと来い」
「か、寛容すぎてなんとも言えないのさ」
よくわからんが、あのチェリーが顔を引き攣らせている。珍しいな。
「おう。どうかしたのか?」
繋がっている嫁たちの感情はとても明るいものだったので、入りこんでも問題ないと判断したオレは気軽に声をかける。
「ああ。ダイちゃん。ほらこの前頼んどいた地獄めぐりの了解をさ、みんなにもらってたところなのさ。
次のお休みなんだけど、かまわないかい?」
「おお。アレな。嫁さんたちが問題ないなら、オレはいつでもいいぞ」
「もちろん大丈夫だ。しっかりとヤッてこいよ、ダイチ」
「でもあの薬は駄目ですよ! 初めてには激し過ぎます!」
「ポッ 」
「いや、オレなにすんの 地獄巡りだよね ホテル巡りじゃないよね 」
嫁さんたちが家族が増えることを大歓迎しているのが、すんごく伝わってくる。
相手が信頼のできるチェリーというのもあるのだろうが、そのあまりの寛容さに俺もチェリーもタジタジである。
「なんじゃ、楽しそうじゃのう」
じゃれ合いが終わったらしい五魂がこちらにやってくる。
三子魂は遊び疲れたのか、レイラさんのふくよかな胸の上に大人しく座っている。……羨ましい。
オレが思わずそう思うと、なぜかアイシスからは勝ち誇るような感情が、ソレイユとラヴァーからはねたむような感情が流れてくる。
うん。気づかなかったことにしよう。
「まあ仲良きことはよいことじゃ。
それはまあともかくとして、こやつら、もしかしたら思っていたよりも早く仮体を与えてやれるかもしれんぞ」
「へぇー、マジか。そりゃまたなんで」
レイラさんの胸でくつろいでいる三子魂にあらためて目をやる。
「うむ。こやつら、魔力の扱いにとても長けておる。仮体を扱うのに必要なのは魔力じゃからな。その量とコントロールが安定した頃が与え時となるんじゃ。
冥界の物質も限界の物質も元々儂が冥力で創りだしたモノというのは話したな」
「ああ、聞いてる」
「うむ。冥力で創る時に魔力で調整しての、儂ら魂だけの存在では普通にさわれぬモノを限界に、魂だけの存在でもさわれる物質を冥界で使用している訳じゃ」
「あれ? そうするとこのぬいぐるみの素材も、お前が作っているんだよな
こいつらが中に入りこめないってことにならねえ?」
「そう。まさにそこじゃ」
我が意を得たりと頷く。
「こやつら、自分の周囲の魔力を上手くコントロールして、物質をコーティングしておる儂の魔力と同質にし、物質をすり抜けておる。
中に入り込み、自身の魂魄をぬいぐるみの形状に広げたところでソレを解除しておる。まだ絶対的な量が足りておらんから、こういうチッ濃いモノしか動かせんが、あともう少し魔力が増えれば子供用の仮体を与えてやれるだろうて」
なにそれ。よくわかんないけど無茶苦茶器用なことしてんじゃない、俺たちの子供たち。ひょっとしてとても優秀だったりする?
「ウフフ。本当に将来がとても楽しみな子たちです。
上手くいけば、私もっと楽ができちゃいます~」
レイラさんがうっとりとした表情で三子魂を抱きしめ、とても残念なことを仰った。
くっ。いったいどう書けば、あの三文字に三時間を費やせるというんだ!
「こ、こら。お前たちやめんか。食事中じゃ」
まだ仮体をもてない三子魂にとって、食事など関係ない。容赦なくぬいぐるみの身体で突撃する。さすがのマーシャも三子魂相手に魂魄での打撃はせんからな。安心だ。
おまけに丁度良いタイミングで、レイラさんがやってくる。
「姉さんズルい。私も三魂と遊びたい。混ざるーっ!」
額と両耳の上の計三本のツノをたてて、四魂に突撃する。
うん。プライベートでは本当に子供だな、レイラさん。
甘やかされるのを好む魂だから、三子魂の相手は嫌がるのではと思っていたが、こちらも精神年齢が近いためか、仲良くやっているようだ。
俺は芝生の上でゴロゴロ転がり始めたガキンチョどもをそのままに、途中すれ違う来客たちに挨拶をしながら、嫁さんたちの元へ行く。
嫁さんたちは、チェリーと会話をしていたところで、その内容が耳に届いて来る。
「というわけで、申し訳ないんだけど、今度のお休みにダイちゃんをお借りするのさ」
宙にプカプカと浮きながら、チェリーは嫁たちに深々と頭を下げた。
「ようやくか。お前にしては行動が遅かったな」
「頑張ってくださいね、チェリーさん」
「部屋準備済。ドンと来い」
「か、寛容すぎてなんとも言えないのさ」
よくわからんが、あのチェリーが顔を引き攣らせている。珍しいな。
「おう。どうかしたのか?」
繋がっている嫁たちの感情はとても明るいものだったので、入りこんでも問題ないと判断したオレは気軽に声をかける。
「ああ。ダイちゃん。ほらこの前頼んどいた地獄めぐりの了解をさ、みんなにもらってたところなのさ。
次のお休みなんだけど、かまわないかい?」
「おお。アレな。嫁さんたちが問題ないなら、オレはいつでもいいぞ」
「もちろん大丈夫だ。しっかりとヤッてこいよ、ダイチ」
「でもあの薬は駄目ですよ! 初めてには激し過ぎます!」
「ポッ 」
「いや、オレなにすんの 地獄巡りだよね ホテル巡りじゃないよね 」
嫁さんたちが家族が増えることを大歓迎しているのが、すんごく伝わってくる。
相手が信頼のできるチェリーというのもあるのだろうが、そのあまりの寛容さに俺もチェリーもタジタジである。
「なんじゃ、楽しそうじゃのう」
じゃれ合いが終わったらしい五魂がこちらにやってくる。
三子魂は遊び疲れたのか、レイラさんのふくよかな胸の上に大人しく座っている。……羨ましい。
オレが思わずそう思うと、なぜかアイシスからは勝ち誇るような感情が、ソレイユとラヴァーからはねたむような感情が流れてくる。
うん。気づかなかったことにしよう。
「まあ仲良きことはよいことじゃ。
それはまあともかくとして、こやつら、もしかしたら思っていたよりも早く仮体を与えてやれるかもしれんぞ」
「へぇー、マジか。そりゃまたなんで」
レイラさんの胸でくつろいでいる三子魂にあらためて目をやる。
「うむ。こやつら、魔力の扱いにとても長けておる。仮体を扱うのに必要なのは魔力じゃからな。その量とコントロールが安定した頃が与え時となるんじゃ。
冥界の物質も限界の物質も元々儂が冥力で創りだしたモノというのは話したな」
「ああ、聞いてる」
「うむ。冥力で創る時に魔力で調整しての、儂ら魂だけの存在では普通にさわれぬモノを限界に、魂だけの存在でもさわれる物質を冥界で使用している訳じゃ」
「あれ? そうするとこのぬいぐるみの素材も、お前が作っているんだよな
こいつらが中に入りこめないってことにならねえ?」
「そう。まさにそこじゃ」
我が意を得たりと頷く。
「こやつら、自分の周囲の魔力を上手くコントロールして、物質をコーティングしておる儂の魔力と同質にし、物質をすり抜けておる。
中に入り込み、自身の魂魄をぬいぐるみの形状に広げたところでソレを解除しておる。まだ絶対的な量が足りておらんから、こういうチッ濃いモノしか動かせんが、あともう少し魔力が増えれば子供用の仮体を与えてやれるだろうて」
なにそれ。よくわかんないけど無茶苦茶器用なことしてんじゃない、俺たちの子供たち。ひょっとしてとても優秀だったりする?
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