聖剣に選ばれたスライムは、魔物なので勇者失格です!?
その男は勇者にあらず
『今日も聖剣は抜けない、か。既にこの国にも残虐非道な魔族が迫っているのに、抜けるどころか動く気配すらない。
仕方ない、また明日挑戦だ。』
そう呟く青年は、一人聖剣の刺さる台座から立ち去ろうとしている。ここに来る事はや一年、青年は聖剣を手にし勇者になろうと試みるも、その全てが徒労に終わった。
このままでは、この国が魔王率いる魔族に襲われ、滅ぼされる。その思いを頭に抱えながら、彼は自身の教会へと重い足取りとともに帰っていく。
教会への帰り道、彼の耳に妙な音が聞こえてきた。聖剣の方からだ。彼は直ぐ様剣を抜き、聖剣の元に走り出す。
『(あの奇妙な粘着音は魔物、スライムが出す音のはず!こんな辺鄙な場所に魔物がいる理由は一つしか考えられん、聖剣だ!聖剣を破壊し、魔王討伐の阻止を企んでいるに違いない!
魔物風情が姑息な手を考えやがって、許せん!)』
聖剣の元に来たら案の定、その近くにスライムがいた。ダークスライムだ。彼は自身の剣をその魔物に思いっきり斬り込む。
『はあああ!!!、、、えっ?あれっ?俺の剣が真っ二つになってる。』
突然の事に彼は驚くが、そうなる理由はすぐに分かった。ダークスライムが聖剣を持っていたからだ。
聖剣に切れぬ物なし。最高の鍛冶職人に鍛えられた彼の剣であろうと、例外ではない。だが彼が驚いているのはそこではない。
人間の自分でなく魔物が、魔王を倒すための剣を手にする。その事に彼は驚愕していたのだ。
『(魔物風情が聖剣など!、、、いや待て、聖剣を手にする者はどんな奴であろうと勇者とみなす、それが掟だ。例えそれが魔物であろうと例外ではない。
そう師匠から教わっただろう、俺よ。今は感情で動く時ではない、悔しいがこの魔物は勇者だ。魔王を倒してもらう為、礼を尽くさねばならぬ。)』
彼はそのまま折れた剣を納め、最敬礼をする。これが最初の、勇者とお付きの騎士の出会いであった。
仕方ない、また明日挑戦だ。』
そう呟く青年は、一人聖剣の刺さる台座から立ち去ろうとしている。ここに来る事はや一年、青年は聖剣を手にし勇者になろうと試みるも、その全てが徒労に終わった。
このままでは、この国が魔王率いる魔族に襲われ、滅ぼされる。その思いを頭に抱えながら、彼は自身の教会へと重い足取りとともに帰っていく。
教会への帰り道、彼の耳に妙な音が聞こえてきた。聖剣の方からだ。彼は直ぐ様剣を抜き、聖剣の元に走り出す。
『(あの奇妙な粘着音は魔物、スライムが出す音のはず!こんな辺鄙な場所に魔物がいる理由は一つしか考えられん、聖剣だ!聖剣を破壊し、魔王討伐の阻止を企んでいるに違いない!
魔物風情が姑息な手を考えやがって、許せん!)』
聖剣の元に来たら案の定、その近くにスライムがいた。ダークスライムだ。彼は自身の剣をその魔物に思いっきり斬り込む。
『はあああ!!!、、、えっ?あれっ?俺の剣が真っ二つになってる。』
突然の事に彼は驚くが、そうなる理由はすぐに分かった。ダークスライムが聖剣を持っていたからだ。
聖剣に切れぬ物なし。最高の鍛冶職人に鍛えられた彼の剣であろうと、例外ではない。だが彼が驚いているのはそこではない。
人間の自分でなく魔物が、魔王を倒すための剣を手にする。その事に彼は驚愕していたのだ。
『(魔物風情が聖剣など!、、、いや待て、聖剣を手にする者はどんな奴であろうと勇者とみなす、それが掟だ。例えそれが魔物であろうと例外ではない。
そう師匠から教わっただろう、俺よ。今は感情で動く時ではない、悔しいがこの魔物は勇者だ。魔王を倒してもらう為、礼を尽くさねばならぬ。)』
彼はそのまま折れた剣を納め、最敬礼をする。これが最初の、勇者とお付きの騎士の出会いであった。
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