もしも理想のパーティー構成に実力以外が考慮されなかったら?
二人目の妹
「街の案内? お兄ちゃんが連れてってくれるの?」
「おう! せっかくフィーアが来てくれたのに、アインが寝込んじまってるからな。今の所は落ち着いて話も出来ないだろうし、しばらくは、この街に滞在する事になるだろ? だったら少しでも街のことを知っておいた方が良いと思ってな」
今後の方針についてミルクと話し合い、朝食の準備も済ませた俺は、フィーアを起こして食堂に戻って来た。
ちなみに、ミルクは、アインの部屋に出来立ての朝食を届けに行っている。
そのまま体調の変化などを聞きつつ、一緒に食事を摂ってくる予定だ。
そして、俺はフィーアと二人で食卓を囲みながら、街の案内を買って出る旨を伝える。
まぁ、俺も、この街に来て日が浅いから紹介できる場所なんて殆ど無いんだけどな。
せっかくだから、この機会に、フィーアと一緒に色々と回ってみる事にしよう。
とはいえ、一番の目的は観光ではなく、フィーアとの仲を深めて、信頼を勝ち取ることだ。
街を巡るのは、もっともらしい交流の口実に過ぎない。
「確かに、どこにどんなお店があるか、フィーアは全然、知らないの。あの、お姉さんのお店だって、フィーアセンサーにキュピーン! と来たから覗いただけなの。でも……」
最初は乗り気な様子だったフィーアだが、何かを思い出したのか、後ろめたさを感じているような顔になる。
「分かってる。アインが言ってたよな。フィーアの事は出来るだけ知られたくないって。どこから秘密が漏れるか分からないからって。だから、俺は秘策を考えた! ……フィーア、お前は今日から俺の妹だッ!」
「な、なんだってー! なの!」
まるで雷に打たれたような、大げさなリアクションを見せるフィーア。
少しわざとらしいけど、無反応だったり、白い目で見られるよりは、よっぽど良い。
それにフィーアは元が可愛いから、あざとい仕草も不快に感じないしな!
「うんうん、ノリが良い子は好きだぞ。そんな感じで、俺の妹だっていう風に振る舞うんだ。細かい設定も後で詰めるから、一緒に考えような」
「分かったの! お兄ちゃんは今日からフィーアのお兄ちゃんなの! ……でも、お兄ちゃんは大丈夫なの? あんまり演技が得意そうには見えないの」
……これは遠回しにバカっぽいと言われているのだろうか?
いやいや、こんなに純真無垢なフィーアが、そんなこと言うわけ無いか。
きっと、裏表のない清廉潔白な人間に見えるという意味だろう。
だから嘘なんて吐けないのではないかと心配されているに違いない。
「ふっふっふ。実は俺には本物の妹がいてな? 兄としての自然な振る舞いは朝飯前なんだ。それに、フィーアも実際にアインの妹だから、妹を演じていても違和感は無いだろう。後は実践あるのみだ!」
「おー、頼もしいの! それじゃあ、お兄ちゃん、よろしくお願いしますなの!」
「おう、任せとけ!」
そんな感じで朝食を終えた俺達は、少しの作戦会議の後、さっそく街に繰り出すのだった。
「おう! せっかくフィーアが来てくれたのに、アインが寝込んじまってるからな。今の所は落ち着いて話も出来ないだろうし、しばらくは、この街に滞在する事になるだろ? だったら少しでも街のことを知っておいた方が良いと思ってな」
今後の方針についてミルクと話し合い、朝食の準備も済ませた俺は、フィーアを起こして食堂に戻って来た。
ちなみに、ミルクは、アインの部屋に出来立ての朝食を届けに行っている。
そのまま体調の変化などを聞きつつ、一緒に食事を摂ってくる予定だ。
そして、俺はフィーアと二人で食卓を囲みながら、街の案内を買って出る旨を伝える。
まぁ、俺も、この街に来て日が浅いから紹介できる場所なんて殆ど無いんだけどな。
せっかくだから、この機会に、フィーアと一緒に色々と回ってみる事にしよう。
とはいえ、一番の目的は観光ではなく、フィーアとの仲を深めて、信頼を勝ち取ることだ。
街を巡るのは、もっともらしい交流の口実に過ぎない。
「確かに、どこにどんなお店があるか、フィーアは全然、知らないの。あの、お姉さんのお店だって、フィーアセンサーにキュピーン! と来たから覗いただけなの。でも……」
最初は乗り気な様子だったフィーアだが、何かを思い出したのか、後ろめたさを感じているような顔になる。
「分かってる。アインが言ってたよな。フィーアの事は出来るだけ知られたくないって。どこから秘密が漏れるか分からないからって。だから、俺は秘策を考えた! ……フィーア、お前は今日から俺の妹だッ!」
「な、なんだってー! なの!」
まるで雷に打たれたような、大げさなリアクションを見せるフィーア。
少しわざとらしいけど、無反応だったり、白い目で見られるよりは、よっぽど良い。
それにフィーアは元が可愛いから、あざとい仕草も不快に感じないしな!
「うんうん、ノリが良い子は好きだぞ。そんな感じで、俺の妹だっていう風に振る舞うんだ。細かい設定も後で詰めるから、一緒に考えような」
「分かったの! お兄ちゃんは今日からフィーアのお兄ちゃんなの! ……でも、お兄ちゃんは大丈夫なの? あんまり演技が得意そうには見えないの」
……これは遠回しにバカっぽいと言われているのだろうか?
いやいや、こんなに純真無垢なフィーアが、そんなこと言うわけ無いか。
きっと、裏表のない清廉潔白な人間に見えるという意味だろう。
だから嘘なんて吐けないのではないかと心配されているに違いない。
「ふっふっふ。実は俺には本物の妹がいてな? 兄としての自然な振る舞いは朝飯前なんだ。それに、フィーアも実際にアインの妹だから、妹を演じていても違和感は無いだろう。後は実践あるのみだ!」
「おー、頼もしいの! それじゃあ、お兄ちゃん、よろしくお願いしますなの!」
「おう、任せとけ!」
そんな感じで朝食を終えた俺達は、少しの作戦会議の後、さっそく街に繰り出すのだった。
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