もしも理想のパーティー構成に実力以外が考慮されなかったら?
状況説明
「なるほどなぁ。ウチのために、お土産を買うてくれて、その時、白木はんに会ったんやね。……出来れば、フィーアの事は伏せておきたかったんやけどなぁ。まさか、このタイミングで来るとは。しかも、雑貨喫茶で偶然、出くわすなんて、間が悪いというか、なんというか……」
俺とフィーアが出会った経緯を説明すると、アインは呆れ半分、落ち込み半分といった様子で頭を振った。
思いの外、深刻そうな雰囲気なので、軽々しく茶化す気にもなれない。
どうやら、単に妹を紹介するのが気恥ずかしい……という訳ではなさそうだ。
「そんなに俺とフィーアを会わせたくなかったのか?」
「白木はん……というか、この街の誰にも紹介する気は無かったんよ。せいぜい、顔を見て挨拶する程度の想定やった。関係を聞かれても適当に誤魔化すつもりやったからね」
「どうして、そこまで……」
「ウチには秘密があるんよ。墓まで持っていくつもりの秘密が。そして、それはフィーアにも関わりがあること。だから、この子の事は出来るだけ知られたく無かった。どこから秘密が漏れるか分からんからね。でも、ウチも迂闊やったなぁ。フィーアの事やから、寄り道せずに真っ直ぐ飛んでくると思ってたんやけど、姉に会うためだけに、わざわざ土産なんて選んでくるとは……」
「ご、ごめんなさいなの。フィーア、余計な事しちゃったの?」
肩をプルプル、瞳をウルウルさせて、上目遣いに姉を見つめるフィーア。
これほど愛らしく、庇護欲を掻き立てる姿を見せられて、なお叱れる人間がいるだろうか!?
いや、いない!
「……別に怒ってへんよ。具体的に注意せぇへんかった、こっちが悪いんやから。ウチなんかのために、遠いとこから来てくれて、ありがとうな」
「あっ……えへへぇ」
予想通り、アインも厳しい言葉を向ける気には、なれなかったようだ。
むしろ、フィーアを慈しむように、優しく頭を撫でている。
フィーアも久しぶりのスキンシップに頬を緩めており、なんとも心温まる光景だった。
あぁ……なんか泣きそう。
「そういえば、アインは何で寝込んでたんだ? 引き篭もってたのは……その、昨日の件が原因じゃなかったのか?」
思わず緩みそうになった涙腺を引き締めるべく、あえて空気を読まずに話題を変える。
それに対して、アインはどことなく気まずそうな顔を見せた。
「正直に言うたら、白木はんが心配する思て嘘ついたんよ。どうせ明日には治るやろし、今日一日くらいは誤魔化せると思たんやけどなぁ」
「おいおい、大丈夫なのか? ……つーか、俺達は仲間だろ。心配の一つや二つはお互い様だ。そんなことで気を遣って体調が悪化したらどうすんだよ」
「……それもそやね。分かった。今日、大人しく寝て治らへんかったら、プリムはんのとこ行ってくるわ」
「ああ、それが良い。……という訳でフィーア。お姉ちゃんと語らうのは、元気になってからな」
「分かったの! ……あっ、そうだ! お姉ちゃん、せっかく買ったお土産を、まだ見せてなかったの!」
そう言って、フィーアは後ろ手に隠していたヒョウリの花束を取り出す。
「……えっ?」
その瞬間、アインの顔からサァーっと血の気が引いた。
俺とフィーアが出会った経緯を説明すると、アインは呆れ半分、落ち込み半分といった様子で頭を振った。
思いの外、深刻そうな雰囲気なので、軽々しく茶化す気にもなれない。
どうやら、単に妹を紹介するのが気恥ずかしい……という訳ではなさそうだ。
「そんなに俺とフィーアを会わせたくなかったのか?」
「白木はん……というか、この街の誰にも紹介する気は無かったんよ。せいぜい、顔を見て挨拶する程度の想定やった。関係を聞かれても適当に誤魔化すつもりやったからね」
「どうして、そこまで……」
「ウチには秘密があるんよ。墓まで持っていくつもりの秘密が。そして、それはフィーアにも関わりがあること。だから、この子の事は出来るだけ知られたく無かった。どこから秘密が漏れるか分からんからね。でも、ウチも迂闊やったなぁ。フィーアの事やから、寄り道せずに真っ直ぐ飛んでくると思ってたんやけど、姉に会うためだけに、わざわざ土産なんて選んでくるとは……」
「ご、ごめんなさいなの。フィーア、余計な事しちゃったの?」
肩をプルプル、瞳をウルウルさせて、上目遣いに姉を見つめるフィーア。
これほど愛らしく、庇護欲を掻き立てる姿を見せられて、なお叱れる人間がいるだろうか!?
いや、いない!
「……別に怒ってへんよ。具体的に注意せぇへんかった、こっちが悪いんやから。ウチなんかのために、遠いとこから来てくれて、ありがとうな」
「あっ……えへへぇ」
予想通り、アインも厳しい言葉を向ける気には、なれなかったようだ。
むしろ、フィーアを慈しむように、優しく頭を撫でている。
フィーアも久しぶりのスキンシップに頬を緩めており、なんとも心温まる光景だった。
あぁ……なんか泣きそう。
「そういえば、アインは何で寝込んでたんだ? 引き篭もってたのは……その、昨日の件が原因じゃなかったのか?」
思わず緩みそうになった涙腺を引き締めるべく、あえて空気を読まずに話題を変える。
それに対して、アインはどことなく気まずそうな顔を見せた。
「正直に言うたら、白木はんが心配する思て嘘ついたんよ。どうせ明日には治るやろし、今日一日くらいは誤魔化せると思たんやけどなぁ」
「おいおい、大丈夫なのか? ……つーか、俺達は仲間だろ。心配の一つや二つはお互い様だ。そんなことで気を遣って体調が悪化したらどうすんだよ」
「……それもそやね。分かった。今日、大人しく寝て治らへんかったら、プリムはんのとこ行ってくるわ」
「ああ、それが良い。……という訳でフィーア。お姉ちゃんと語らうのは、元気になってからな」
「分かったの! ……あっ、そうだ! お姉ちゃん、せっかく買ったお土産を、まだ見せてなかったの!」
そう言って、フィーアは後ろ手に隠していたヒョウリの花束を取り出す。
「……えっ?」
その瞬間、アインの顔からサァーっと血の気が引いた。
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