もしも理想のパーティー構成に実力以外が考慮されなかったら?
引きこもりデビュー
「……珍しい素材。珍しい素材……? 珍しい素材って、具体的に、どんな物を選べば良いんだ?」
ハーモニックの街の表通りを歩きながら、ブツブツと呟いていた俺は、根本的な疑問に行き当たり、思わず頭を抱えた。
取り敢えず適当に辺りを見渡してみたが、俺の疑問を解消してくれそうな物は見当たらない。
「うーん、やっぱりミルクに協力してもらうべきだったか? でも、今朝は何故か不機嫌そうだったんだよなぁ。ただでさえ、アインが引きこもってるってのに、問題が山積みだな」
そう、先程から、いったい何の話をしているのかというと、ズバリ、部屋に閉じこもったアインを連れ出すために、珍しい素材をエサにしてやろうという話だ。
そのために、ミルクの意見を聞きたかったんだけど、結局、その試みは実行に移す前に頓挫した。
それにしても、ホント不思議だよなぁ。
朝起きて食堂で挨拶した時は普通だったのに、急に機嫌が悪くなるんだもんな、ミルクの奴。
切っ掛けになりそうな事も特に思いつかないし。
そもそも、冷蔵庫にあったパンナコッタが無くなってる事について、ミルクが気付いたから、昨日の夜の出来事を説明をしたくらいで、他は何もしてないしな。
もしかして、そんなに、パンナコッタが食べたかったのか……?
だとしたら悪いことしたな。
リンネと話すのに夢中で、気付いたら全部無くなってたって正直に言っちまったし。
楽しみにしてたオヤツを、そんな軽いノリで食い尽くされたら誰だって腹立つよな。
仕方ない、帰りに、またパンナコッタ買ってくか。
ちなみに、アインが引きこもりデビューを果たした理由は、ただの羞恥心だ。
昨晩、お腹を壊した件を皆の前で暴露されたのが、よほど堪えたらしい。
俺としては意外に女の子らしい一面が見られて満足なんだけどなぁ。
本人にとっては、大問題だったということだろう。
これからは、もう少し優しく女の子扱いしてやるとするか。
……なんて考えてると、調子に乗って暴走しそうだから、そこは気を付けないとな。
「さて、それはそうと、問題は錬金術の素材だな。俺は素人だから、そもそも何が素材になるのかも良く分からん。こんな時に頼りになりそうな奴と言えば……やっぱりスズリかな! 騎士団とかの武器の製作で忙しいって言ってたけど、行くだけ行ってみるか。邪魔になりそうだったら他を当たれば良いし、何よりスズリを見てると癒やされるし!」
そうと決まれば、話は早い。
俺はスズリが店番を務める【沈黙の館】に向け、意気揚々と走り出した。
……そもそも武器の製作をしている筈なのだから、店は閉まっているのでは? と気付いたのは、店の前に辿り着いた後だった。
ハーモニックの街の表通りを歩きながら、ブツブツと呟いていた俺は、根本的な疑問に行き当たり、思わず頭を抱えた。
取り敢えず適当に辺りを見渡してみたが、俺の疑問を解消してくれそうな物は見当たらない。
「うーん、やっぱりミルクに協力してもらうべきだったか? でも、今朝は何故か不機嫌そうだったんだよなぁ。ただでさえ、アインが引きこもってるってのに、問題が山積みだな」
そう、先程から、いったい何の話をしているのかというと、ズバリ、部屋に閉じこもったアインを連れ出すために、珍しい素材をエサにしてやろうという話だ。
そのために、ミルクの意見を聞きたかったんだけど、結局、その試みは実行に移す前に頓挫した。
それにしても、ホント不思議だよなぁ。
朝起きて食堂で挨拶した時は普通だったのに、急に機嫌が悪くなるんだもんな、ミルクの奴。
切っ掛けになりそうな事も特に思いつかないし。
そもそも、冷蔵庫にあったパンナコッタが無くなってる事について、ミルクが気付いたから、昨日の夜の出来事を説明をしたくらいで、他は何もしてないしな。
もしかして、そんなに、パンナコッタが食べたかったのか……?
だとしたら悪いことしたな。
リンネと話すのに夢中で、気付いたら全部無くなってたって正直に言っちまったし。
楽しみにしてたオヤツを、そんな軽いノリで食い尽くされたら誰だって腹立つよな。
仕方ない、帰りに、またパンナコッタ買ってくか。
ちなみに、アインが引きこもりデビューを果たした理由は、ただの羞恥心だ。
昨晩、お腹を壊した件を皆の前で暴露されたのが、よほど堪えたらしい。
俺としては意外に女の子らしい一面が見られて満足なんだけどなぁ。
本人にとっては、大問題だったということだろう。
これからは、もう少し優しく女の子扱いしてやるとするか。
……なんて考えてると、調子に乗って暴走しそうだから、そこは気を付けないとな。
「さて、それはそうと、問題は錬金術の素材だな。俺は素人だから、そもそも何が素材になるのかも良く分からん。こんな時に頼りになりそうな奴と言えば……やっぱりスズリかな! 騎士団とかの武器の製作で忙しいって言ってたけど、行くだけ行ってみるか。邪魔になりそうだったら他を当たれば良いし、何よりスズリを見てると癒やされるし!」
そうと決まれば、話は早い。
俺はスズリが店番を務める【沈黙の館】に向け、意気揚々と走り出した。
……そもそも武器の製作をしている筈なのだから、店は閉まっているのでは? と気付いたのは、店の前に辿り着いた後だった。
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