もしも理想のパーティー構成に実力以外が考慮されなかったら?
こんな日常が、いつまでも
「そろそろ収まったか?」
「は、はい……。その、お見苦しい所を晒してしまって、すみません。私、女神なのに」
「いや、お前は女神モードの時以外、見苦しいのがデフォルトだから気にすんな」
「なんですか、その言いぐさは! フォローするか、貶すか、どっちかにして下さいよぉ!」
まるで涙腺が崩壊したように、泣き喚いていたリンネだけど、ようやく落ち着きを取り戻したようだ。
まだ若干、興奮が残っているせいか、なんとなく涙目に見えるけど、まぁ大丈夫だろう。
そんなことより、さっきから俺には気になることがあるんだ。
「ところで……俺の勘違いだったら悪いんだけどさ。お前、一度も、お茶に手を付けてなくね?」
「ギクッ!」
「なんだ、その漫画みたいな、あからさまな反応は」
「ピ、ピュ~ッ。ピュヒィ~」
「だから、わざとらしいんだよ! 下手くそな口笛を吹くな!」
「ま、ままま、まさかぁ。せ、せっかく白木が淹れてくれたのに。ひ、一口も飲んでないなんて、そんな訳が……」
「不自然に噛み過ぎだろ! 古典的な図星リアクションの見本市か! いいから口を開けろ。この俺が自ら、その喉に流し込んでやる!」
そう言って、俺はキッチンから、あるものを取り出した。
こんなこともあろうかと用意していた激苦茶(ボトル入り)である。
リンネが抵抗した場合でも飲ませやすいように、ティーセットとは別で作っておいたものだ。
「いやぁ! 嫌です! だって絶対、苦いじゃないですかっ! あと、凄く喉に絡まりそうです! 青汁とセンブリ茶を混ぜて限界まで煮詰めたようなドロドロの見た目ですもん! 私に何の恨みがあるんですか!」
「はっはっは。何を言ってるんだ。チュートリアルが終わって別れる時に、苦いお茶を用意しておけと言ったのは、お前だろう? だから、こうして人を殺せるくらい苦い、お茶を作って待ってたんじゃないか。決して、散々からかわれた恨みを晴らそうという訳じゃないぞ?」
「嘘だッ! だって、白木さんメチャクチャ悪い顔してますもん! まるで、私を‘‘ピー’’しようとする暴漢です! エロ同人みたいに! エロ同人みたいにっ!」
「うるさい! いいから喰らえ!」
「むぐっ!?」
俺が突き出したボトルは、リンネの唇をかき分けて、みごと口内に侵入を果たした。
そして、その内部に溜め込まれた劇薬(お茶)を、喉の奥へ、どんどん流し込んでいく。
リンネは目を白黒させつつ、なんとか逃れようとするけど、俺が背中に手を回してホールドしているため、身動きが取れない。
結果として、リンネは目を潤ませながらも、お茶を飲み下すしかなく、健康の素を勢いよく体内に取り入れていった。
「……ぷはぁっ! もう、ひどいですよ白木さん! 神様に向かって、なんたる仕打ち! 天に唾吐くとは、このことです!」
「ハンッ! だったら、もうちょっと神様らしく威厳を出してみろってんだ。プルプル震えながら涙目で凄んだって怖くないっての!」
「上等です! 今こそ神様の本気を見せてあげましょう! 白木さんが泣くまで、殴るのを、止めませんッ!」
それから夜が明けるまで、俺とリンネの取っ組み合いは続いた。
我ながら、なんで、こんなにムキになってしまうのか、よく分からない。
俺にとって、一緒に居て一番、落ち着くのがミルクなら、一緒に居て一番、心を乱されるのがリンネだろう。
だけど、不思議と嫌な気分じゃない。
むしろ、こんなに騒がしくて、馬鹿馬鹿しい、愛すべき日常が、これからも続けばいいなと、願ってしまう俺がいるのだ。
「は、はい……。その、お見苦しい所を晒してしまって、すみません。私、女神なのに」
「いや、お前は女神モードの時以外、見苦しいのがデフォルトだから気にすんな」
「なんですか、その言いぐさは! フォローするか、貶すか、どっちかにして下さいよぉ!」
まるで涙腺が崩壊したように、泣き喚いていたリンネだけど、ようやく落ち着きを取り戻したようだ。
まだ若干、興奮が残っているせいか、なんとなく涙目に見えるけど、まぁ大丈夫だろう。
そんなことより、さっきから俺には気になることがあるんだ。
「ところで……俺の勘違いだったら悪いんだけどさ。お前、一度も、お茶に手を付けてなくね?」
「ギクッ!」
「なんだ、その漫画みたいな、あからさまな反応は」
「ピ、ピュ~ッ。ピュヒィ~」
「だから、わざとらしいんだよ! 下手くそな口笛を吹くな!」
「ま、ままま、まさかぁ。せ、せっかく白木が淹れてくれたのに。ひ、一口も飲んでないなんて、そんな訳が……」
「不自然に噛み過ぎだろ! 古典的な図星リアクションの見本市か! いいから口を開けろ。この俺が自ら、その喉に流し込んでやる!」
そう言って、俺はキッチンから、あるものを取り出した。
こんなこともあろうかと用意していた激苦茶(ボトル入り)である。
リンネが抵抗した場合でも飲ませやすいように、ティーセットとは別で作っておいたものだ。
「いやぁ! 嫌です! だって絶対、苦いじゃないですかっ! あと、凄く喉に絡まりそうです! 青汁とセンブリ茶を混ぜて限界まで煮詰めたようなドロドロの見た目ですもん! 私に何の恨みがあるんですか!」
「はっはっは。何を言ってるんだ。チュートリアルが終わって別れる時に、苦いお茶を用意しておけと言ったのは、お前だろう? だから、こうして人を殺せるくらい苦い、お茶を作って待ってたんじゃないか。決して、散々からかわれた恨みを晴らそうという訳じゃないぞ?」
「嘘だッ! だって、白木さんメチャクチャ悪い顔してますもん! まるで、私を‘‘ピー’’しようとする暴漢です! エロ同人みたいに! エロ同人みたいにっ!」
「うるさい! いいから喰らえ!」
「むぐっ!?」
俺が突き出したボトルは、リンネの唇をかき分けて、みごと口内に侵入を果たした。
そして、その内部に溜め込まれた劇薬(お茶)を、喉の奥へ、どんどん流し込んでいく。
リンネは目を白黒させつつ、なんとか逃れようとするけど、俺が背中に手を回してホールドしているため、身動きが取れない。
結果として、リンネは目を潤ませながらも、お茶を飲み下すしかなく、健康の素を勢いよく体内に取り入れていった。
「……ぷはぁっ! もう、ひどいですよ白木さん! 神様に向かって、なんたる仕打ち! 天に唾吐くとは、このことです!」
「ハンッ! だったら、もうちょっと神様らしく威厳を出してみろってんだ。プルプル震えながら涙目で凄んだって怖くないっての!」
「上等です! 今こそ神様の本気を見せてあげましょう! 白木さんが泣くまで、殴るのを、止めませんッ!」
それから夜が明けるまで、俺とリンネの取っ組み合いは続いた。
我ながら、なんで、こんなにムキになってしまうのか、よく分からない。
俺にとって、一緒に居て一番、落ち着くのがミルクなら、一緒に居て一番、心を乱されるのがリンネだろう。
だけど、不思議と嫌な気分じゃない。
むしろ、こんなに騒がしくて、馬鹿馬鹿しい、愛すべき日常が、これからも続けばいいなと、願ってしまう俺がいるのだ。
「ファンタジー」の人気作品
書籍化作品
-
-
239
-
-
35
-
-
20
-
-
63
-
-
5
-
-
550
-
-
22804
-
-
4
-
-
63
コメント