勝部??

伊達\\u3000虎浩

第2章9 クラス委員??上

(主な登場人物)
・部長 林道 茜りんどう あかね・副部長 敗北 勝負はいきた かつま
・会計 山月やまつき ありさ・騎士(書記)結城ゆうき ひかり
・秘書 服部 彩はっとり さやか・顧問 西園寺 麗子さいおんじ れいこ


【本編】


 ふむ。秘伝の書を書いて下さいと、かつま殿に頼まれたでござるが、やれやれでござる。
 秘伝の書というのは本来、秘密文書だということを、かつま殿は解ってないではござらんか?
 もしかしたら、拙者を秘書と勘違いしているでござる。
 秘書とは名ばかりの名で


 かつまは読むのをやめた。
 彩に、議事録を書かせてきたら、巻物を渡されてしまい、帰ってから読んでいたのだが、長すぎるしオリジナリティー溢れる文字の為、読みづらい。
 何故文字をぐにゃぐにゃにするのか理解できん。
 ・・だいたい何だ!書いて下さいなどとは一言も言っていない!


「あいつ。機械は苦手でござるとか言いやがって」


 かつまは読むのをやめて、巻物を引き出しに入れていると、携帯が鳴り、どうやらメールが届いたようだ。
 しかし差出人を見て、かつまは嫌な予感がする。
 差出人は彩であった。
 ・・機械が苦手なのに、何で携帯はできるんだろう。


 女性の七不思議にあげてもいい疑問。
 機械苦手なんです〜と言う女子がいるが、そういう人に限って、携帯がめちゃくちゃ得意だったり、インスタやブログがすごい凝っていたりする。


 嫌な予感がするものの、無視する訳にもいかないので、メールフォルダーを開く。
 要件を読んだかつまは、携帯を地面に落としてしまった。
 彩から送られてきたメールはこうだった。


『読むでござる』


 こえぇええよ!!
 かつまは慌てて、イスを持ってきて天井裏を開けるのだが・・誰もいない。
 あいつ何処から見てるんだよと心の中で呟いて、天井裏から降りようとした時、足を滑らせてしまい、尻餅をついた。


『天罰でござる』


 だからこえぇええよ!!
 お尻をさすりながら送られてきたメールを読んでいたのだが、シャレにならないと、かつまは急いで彩に電話をかける。
 しかし、数十コールしたが出る気配がない。
 寝てるはずはないのだがと、首を傾げているとメールが届いた。


『電話をする暇があるなら読むでござる』


 もはや言葉を失うかつまは、仕方なく最後まで巻物を読む羽目になり、読み終わったのは真夜中であった。
 おかげで次の日は寝坊だよ!と呟きながら眠るかつまであった。


 遅刻、遅刻〜。
 アニメで、女の子が良く口にするこの萌えゼリフ。
 現役女子高生で、一度でいいからコンテストを開催してほしいと願いながら、学校へと走るかつま。


 走りながら考える。
 遅刻は確定しているのだ。
 5分遅れるのも2時間遅れるのも、どちらも変わらないのではないだろうか?
 どの道、怒られるのは確定しているのだ。


 これが社会ならどうだ?
 遅刻は遅刻だからと、5分遅れの人も2時間遅れの人も、同じ評価を受け、皆勤賞を失ってしまう。
 ましてや、2時間遅れの人は逆に心配されるまである。
 理不尽だ・・俺は絶対働かない!


 しかし、これが作家ならどうだ?
 なろう作家なら、5分後に遅れて投稿するのと、2時間遅れで投稿するのとでは、全く違う評価を受けてしまう。


 プロ作家なら、担当編集さんから鬼電がくるまである。
 鬼がかってますね!何て言ったら、業界から抹殺されるかもしれない。
 編集さんが一番大変な職業かもしれないなと、かつまは考えながら全力で教室へと駆けこむ。


 教室の扉をバンと開け、ハァハァ、ゼェゼェ言いながら教師に詰め寄るかつまは、少し危ない人に見られてしまっていた。
 どう言い訳する?


 電車が止まってしまいまして・・これは電車通勤の魔法の言葉である。
 しかし、遅延証明書を出せと言われてしまったらマズイ。
 素直に謝るべきだろうか?
 黒板の前に立っている教師に向かって、一歩ずつ歩いていると、声をかけられた。


「か、かつま!!助けてくれ」


 声を上げた主は、教師の背中に隠れていたらしく、かつまの背後に回り込んできた。
 訳も解らないかつまは、助けを求める少女に声をかける。


「ひかり。どうしたんだ?遂に病院に連れて行かれそうにでもなったのか?」


「ち、違うわ!お主こそ人ごとではないぞ」


 そう言うと、ひかりは黒板に指を向けて、かつまに事情を説明しようとしたのだが、黒板を見た瞬間、説明は不要となった。


「うそ・・だろ」


 かつまは黒板を凝視するのだが、何度見ても変わらない。
 黒板にはデカデカとこう書かれていた。


 学級委員長      結城     ひかり
 副学級委員長     敗北     勝負


 かつまはただただ呆然と、その場に立ち尽くしてしまうのであった。


 次回第2章9     クラス委員??    中


 ※ここまで読んでいただきありがとうございます。
 結構更新していますが、まだ5月と時間が経っていないです。
 かなりの長編を予定していますので、引き続きよろしくお願い致します。
 では次回もお楽しみに。

コメント

コメントを書く

「コメディー」の人気作品

書籍化作品