勝部??

伊達\\u3000虎浩

第2章5 合宿エクストラ?? 上

(主な登場人物)
・部長 林道 茜りんどう あかね ・副部長 敗北 勝負はいきた かつま
・会計 山月やまつき ありさ ・騎士(書記) 結城ゆうき ひかり
・秘書 服部 彩はっとり さやか ・顧問 西園寺 麗子さいおんじ れいこ


 何故かドッキリにはめられ、泊まることになったかつま。
・・ちきしょー。
部屋で議事録を書き直しながら、かつまは周りを見渡す。
どこを見渡しても鍵がかけられており、缶詰め状態というやつだ。
・・ラノベ作家じゃあるまいし、羽島 伊月君でもない。出来ることならああなりたいけどね。
ワープロの操作をやめてコーヒーを飲みながら、ほっぺたをさすりながらさっきの出来事を思い出す。


 ビーチから別荘へと帰還したかつま達は、別荘を見上げて固まってしまう。
「・・でかすぎないか?」
「ク、クク。探検のしがいがあるわ」
「うむ。お供するでござる」
かつま達の声を聞いて、茜は両手を腰にあてて宣言する。
「今日からここを勝負部の秘密基地にしましょう」
「異論ない(でござる)」
茜に従うひかりと彩。
しばらくするとありさがでてきた。
「すまない。色々と隠す・・いや準備があってだな」
何故かもじもじするありさ。


 ありさに案内され部屋に入るかつま達。
「部屋に荷物を置いてリビングに集合よ」
茜が指示をだすと、かつまが質問する。
「部屋は1人部屋だろうな」
誰かと一緒だと寝られないんだけど、と思ったかつま。
その発言に4人が集まる。
「ちょっと聞いた?あの男、私達の誰かと一緒なのかを確認してきたわよ」
「うむ。さすがの私もひいてしまうぞ」
「我の分解魔法で消してやろうか」
「むむ?なんなら拙者がかつま殿と同じ部屋でもよいでござるが?」
「さ、彩!!」
怒りの矛先が彩に向けられる。
・・・危ない危ない。言葉には気を付けなくては。
「アホのあんたは男なんだから1人部屋に決まっているじゃない。私とありさ、ひかりと彩の部屋割りよ」
ビシッと指を向けられる。
後ろの方でひかりと彩がじゃれているが、”冒険”というワードでピタッと動きがとまる。
・・おそらく一緒の部屋でもめ、一緒の部屋なら冒険できると気付いたのであろう。
声を聞かなくても2人の行動で解ってしまう。
かつまが2人を見ていると、茜から頭をはたかれる。
「聞いてるの!?このお馬鹿!!」
頭をさすりながら、茜を見下ろす。
「あんた議事録ちゃんとやっていなかったでしょ」
ギクッとかつまは顔を引きつらせる。
茜がサッとメモリーキーを右手に持って突き出してくる。
「やり直し!終わるまで部屋からでてこれないと思いなさい」
「ま、待て!!ひかりが書いたんだぞ」
ひかりを指差すかつま。
かつまの声に反応してひかりがやってきた。
「我を呼んだか?」
「ひかり、お前の書いた議事録をやり直せってよ」
メモリーキーをひかりに差し出す。
「我に失敗などありえん。見てみろ」
メモリーキーを起動させる。
「・・・・ひかりのはないのだけど」
・・しまった。ひかりのは俺が書き直したんだった。
「お馬鹿な事言ってないで書いてきなさい!」
そう言ってかつまが泊まる部屋に連行される。


 20畳はあるだろう大部屋に案内されると、茜達は部屋の鍵を閉め始める。
「いい。私たちは温泉に入ってくるから、あがってくるまでに書き直しておきなさい」
指を向け、怒りながらかつまに命令する。
「温泉をのぞこうなんて事したら、死刑だからね」
「・・・のぞくほどの胸がなイテッ」
聞こえないように呟いたつもりだったが、地獄耳の茜様には聞こていたようだ。
・・・まずい・・風穴をあけられる。
かつまは冷や汗がとまらなかった。
「こ、このお馬鹿ぁ!!」
顔を真っ赤にして思いっ切りビンタされ現在に至る。
頬をさすりながらかつまはワープロを叩くのであった。


 かつまが、ワープロと格闘している時、温泉をたんのうしている4人。
「おお!大きいな」
ひかりが感激して、湯船へと駆け寄る。
「・・ホント・・大きいわね」
茜がありさを見ながら呟く。
「こらひかり!体を洗ってから入れ」
ありさがひかりを呼び止める。
「ふむ。ひのきとはまた風流でござるな」
彩が両腕を組んでうなずく。
 大きな大浴場ではしゃぐ4人はお互いの背中を洗う。
「・・・・いい痛いわーーー!!」
「おっと。拙者とした事が、力が入りすぎてしまったでござる」
「ほほう・・なら我がお礼に背中を洗ってやるわ」
「これにてごめん。ドロンでござる」
シャワーを熱湯にし、煙をあげて、両手の人差し指を重ねて告げる。
「我から逃げられると思うなよ・・ここだ!!」
手元にあった洗面器を、フリスビーみたいに投げる。
ゴン。
手ごたえあり。
「ク、クク。我はライトニング!世界を救う者・・・なわわわわ」
決めポーズの途中で何かに気付く。
「フ、フ、フ。私に勝負を挑むとはいい度胸じゃない」
仁王立ちで茜が頭をさする。
彩とひかりの顔が青ざめる。
どこからもってきたのかわからないが、水鉄砲をシュコシュコさせ、不気味な笑顔をみせる。
「ににに、忍法、霧隠れの術」
彩は慌てて温泉に潜る。
「こ、コラ!我を置いて逃げるな!」
慌ててひかりが続く。
「逃がすか!!」
茜が続く。
「・・・グヒ」
そんなやり取りをありさがご満悦しながら見る。
この先は4人がのぼせてしまうとだけ記載しておく。


 かつまは部屋のお風呂からでて、浴衣に着替える。
・・・旅館に憧れているのか?
バスローブが似合いそうな外観の別荘なんだが、部屋には浴衣が置いてあり不自然に感じた。
まぁ浴衣の方が色々と動きやすいしいいか。
そんな事を考えていたかつまの部屋の鍵があけられ、浴衣姿のありさがやってきた。
「かつま。茜が呼んでいる」
「・・・・議事録ならやったぞ」
「うん?議事録の事は言っていなかったが・・とにかく連れてこいとのことだ」
後が怖いので仕方なくありさに続く。


 かつまが連れていかれた場所は、卓球場であった。
・・・もしかして?
「よし。今から第1回勝負部温泉卓球大会を始めるわよ」
茜がラケットをかつまに向けて宣言する。
・・・急にどうしたんだ・・ドキドキがとまらなかったのだろうか?
「勝負部の特訓はここから始まると思いなさい」
こうして灼熱の温泉卓球勝負娘が始まるのであった。


次回第2章5 合宿エクストラ?? 中


※ここまで読んで頂きありがとうございます。
さて今回はいかがだったでしょうか?
温泉シーンは初めてでしたが、上手く書けたのでは?と思います。
最初書いたやつは、ちょっとエロいかなぁ~とボツ。
ボツにした結果でしたが、満足できるかと・・。
ではこの辺で。次回もお楽しみに。

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