勝部??

伊達\\u3000虎浩

第2章4 合宿?? 下

 (主な登場人物)
・部長 林道 茜りんどう あかね ・副部長 敗北 勝負はいきた かつま
・会計 山月やまつき ありさ ・騎士(書記) 結城ゆうき ひかり
・秘書 服部 彩はっとり さやか ・顧問 西園寺 麗子さいおんじ れいこ


 とても静かな砂浜で、彩とかつまの2人は、食材を待っていた。
待っている間にかつまは、先日の事を聞く事にした。
「そういえば何でこの間、俺の家の屋根裏にいたんだ?」
「・・・・。」
先日、かつまは茜の伝言を伝える為、彩に電話した時の事だ。
何故か彩は、かつまの部屋を覗いていた。
「待て。何故黙る?まさか、覗いていないとでも言うつもりなのか?」
かつまは、彩を見ると何故か両腕を組んで、目を閉じてだんまりを、決め込む彩。
少しの沈黙の後、彩が口を開く。
「覗いていたという証拠がないでござる」
何故か余裕ある態度で、彩がかつまを見上げる。
「いゃ、部室で俺の1発芸を披露しただろうが」
・・・ばぁちゃんの名にかけて俺は攻めるぜ!ネタはあがってんだぜ?はやくはいて楽になりな。
かつまは彩を見下ろす。
「はて?一発芸とはどういう一発芸でござったか?」
あくまでシラをきろうとする彩。
・・・何だ?眠りの彩だったのか?だが、甘いぜ彩!
勝負部の部員としてここはひけない!見せてやる。


 辺りを見渡し、彩しかいない事を確認したかつまは、アキレス腱伸ばしみたいなポーズをとり、右手を額にあて、左手を天高くあげる。
キリっとした顔で、声は大きくはっきりと。
「我はかつま!魔を操りし者」
これならもうシラを切り通せまいと、彩を見る。
彩を見たかつまは固まってしまった。
「ん?拙者の事は気にせず、続けるでござる」
彩は首を傾げながら、かつまを見る。
・・・こいつ・・・何て事を・・。
かつまの顔が、青ざめていく。
彩の手には携帯が、握りしめられていた。
しばらくの沈黙の後、彩が口を開く。
「かつま殿。拙者に先程たずねられた内容なんじゃが、何でござったかのう?」
「さ、さぁ・・俺、何か言ったかなぁ?」
かつまは、彩に弱みを握られてしまったのであった。


 そんなやりとりをしていると、茜達が帰ってきた。
「おまたせ!さぁ美味しいのを作って頂戴!」
どんと、買い物袋をかつま達に渡してくる。
「ク、クク。我の命令に従って作ればよい」
「残った我々で、バーベキューの準備をすればいいのだな」
「そうよ。ほら!かつま、彩!はやく作りなさい」
茜がテキパキと指示をだす。
「待て。この大量のチョコは何だ?」
「私だ。いいか、かつま。私は昔流行ったという、チョコレートフォンデュパーティとやらをやってみたいのだ」
「・・イチゴとかバナナとか買ってきてないのにか?」
かつまの質問に固まるありさ。
「か、か、買ってきゅる」
「いや、待て」
駆け出そうとするありさの右肘をつかんでとめる。
「何だかつま!邪魔をするな」
「いや、俺もやった事はないが、チョコレートフォンデュパーティって、夜中にパジャマに着替えて、皆んなでデザート感覚で食べるものなんじゃないのか?」
かつまはありさに真剣に語る。
「いや、それはパジャマパーティだから」
何故か即答するありさ。
・・・違いがわからん。
とりあえずありさにバーベキューに、ふさわしくないからと説得する。
なんとか解ってくれたが、かつまに今度部室でやるからなと告げ、バーベキューの準備に向かうありさ。


 大量のチョコレートがとけないように、クーラーボックスの中に入れ、次の袋をあける。
「何だ、これは」
「我に選ばれし生け贄よ」
袋の中には大量のトマトが入っていた。
「・・・バーベキューって知っているか?」
「愚かなり。我を誰だと思うておる。そやつらを握り潰して生き血を飲むのだ」
・・・こいつ昨日”はがない”見てきたな。
ピースサインをしながら、左手で目元を抑えているひかり。
「握りつぶせるのか?」
ひかりにトマトを1個手渡す。
「造作もないわい」
右手を前に突き出し、トマトを握るひかり。
「はぁぁぁぁあぁぁぁ」
右手に全力をだすひかり。
しかしトマトはビクともしない。
ハァハァ言っているひかりの元へ、彩がやってきた。
「ライニン殿。無理をしてはいかんでござる」
両腕を組み、首を横にふる彩。
「ライニン殿は、中学の頃、握力が10もなかったでござったではござらんか」
「な、な、な、なんのことやらって、我はライトニングじゃ」
どうやら、2人は中学の頃からの付き合いみたいだ。
かつまは2人にたずねた。
「なぁ。お前らはいつから知り合ったんだ?」
「ク、クク。こやつとは前世からの知り合いよ」
「うむ。そういう事でござるよ」
・・・全くわからん。
まぁ正直どうでもいいので、今度聞く機会があったら聞いてみよう・・問題はこっちだ。


 かつまは茜を見て怒った。
「なんでカレー粉なんか買ってきたんだよ!バーベキューじゃないのか?」
「カ、カレーが食べたかったんだから仕方ないじゃない!」
大量の甘口カレー粉を買ってきている茜。
恥ずかしいのか、悔しいのかは解らないが、涙目になっているのを見てかつまはため息をつく。
「解った。豚肉のブロックに塗ってカレー風のトンテキを作ってやる」
「べ、別にいいわよ・・まぁどうしてもっていうならいいけど」
・・うぜぇ。
「俺が食べたいから作る事にする」
「・・・!?」
茜の頬が緩む。
「あげないけどね」
茜の目が怖い・・。
言葉には気を付けようと心に誓うかつまであった。


 豚肉のブロックを5枚切り、やわらかくするために豚肉を叩いていると、彩がやってきた。
「かつま殿。拙者も何か助太刀できぬか」
「できぬ」
かつまは彩に簡単な仕事を与えていた。
・・大量のトマトを潰す仕事だったのだが、まさか終わったのか?
チラッと、トマトを見ると潰し終わっていた。
「魔を操りしかつま殿。何か助太刀できぬか」
「いやぁ~丁度、猫の手いや、忍者の手を借りたっかった所だったぜ」
彩に切った肉の串刺しをお願いする。
「いいか?順番を大切にって肉ばかりさすな!!」
「これは不覚でござった。うむ。拙者が責任もって食べるでござる」
「いいからお肉を戻せ」
彩と言い合いながら、なんとか準備を終わらして、皆を呼ぶ。


 勝負部、部長の茜が乾杯の音頭をとる。
「おほん。勝負部第一回合宿に全員が参加できた事が何よりだわ。合宿が終わったら”休む暇はない”と思いなさい」
・・だから今を楽しめって?その言葉は楽しみを減らす言葉だからね。
「では乾杯」
「乾杯!!(でござる)」
紙コップをあげて各々料理を食べる。
「き、貴様!!その子豚は我の物ぞ!返せ」
「むむ。しかし拙者のお箸で触ってしまったゆえ、責任をとるでござる」
「ああああ!返せと言ってるのになぜ食うのじゃ!」
「ぐへへ」
「カレー♪カレー♪」
そんなやり取りを眺めながらご飯を食べるかつま。
・・まぁ・・来て良かったかな。


 ご飯を食べ終わり、かつま達は後片付けを始めた。
「よし!各自忘れ物はないか?帰る・・?」
かつまは後ろを振り向いて確認すると、茜達が不思議な顔をしていた。
皆が何故かプルプル震えながら、笑いをこらえているように見えたかつま。
・・・スライムソーダは作ってないけど?
訳も分からず立ち尽くすかつまに、代表として茜がやってきた。
「かつま!!」
ものすごい笑顔で茜が近づいてくる。
・・・美味しい料理をありがとうとでも言うつもりかなのだろうか?
かつまが身構えると茜以外の3人が、突然クラッカーを鳴らす。


「今日泊まって行くから」
「はっ?俺聞いてないんだけど・・」


「ドッキリでしたぁぁ」




「そんなサプライズいらねぇーーーよ」


かつまは肩をがっくり落とすのであった。


次回 合宿エクストラ?? 上


※ここまで読んで頂きありがとうございます。
最初ビーチフラッグ対決を書いたのですが、ボツにしてですね・・若干ものたりなさがあります。
今度書く時はもっと面白いのを書きたいです。
では次回もお楽しみに。











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