勝部??

伊達\\u3000虎浩

第2章3 忍者?? 中

 麗子は卒業までに、顧問としての課題を部員に与える。
課題とは”勝利とは何か”という事らしい。


 麗子の話しを聞いていた勝負部の4人は、固まってしまう。
・・本当に大人はずるい。いつもふざけているくせに、たまにカッコイイことをさらりと言うのだから・・。
麗子は周りの反応に満足したのか、いつもの調子に戻る。
「いやぁ本当に可愛い幼女達だ。大丈夫!まだまだ先は長い。ゆっくり考えたまえ」
そう言った後、麗子はわざとらしく、今思い出したかのように語りだした。
「あー!そうそう・・実は君たちにお願いがあってきたのだよ」
「おね・・がいですか?」
「・・・・」
茜やありさ、ひかりが何故か固まっている為、かつまが聞きなおす。
「うむ。今日から可愛い幼女が転入してくるのだが・・どうだろう?この部に入れてはくれんか?」
麗子はかつまの右肩に手を置いて質問する。
「え・・と・・どうでしょう・・この部にですよね?」
・・このヘンテコな部に入れるのは転入生が、かわいそうだよ。
「かつま君はきっと気にいるぞ!」
「はぁ・・・」
・・俺が気にいるって?いっとくが俺の好みは人一倍厳しいっすよ。
「なんたって”可愛いは正義”なんだから」
「だぁぁぁ大声で言わないでください」
・・・気にいります!麗子先生ありがとう!
「名前は服部 さやか君だ」
・・・前言撤回します。麗子!なんて事をしてくれんだよ!
「まぁ一度、話しだけでもしてくれ。じゃぁ私は戻るとするよ」
そう言い残して麗子は手を振って部室を後にする。


 麗子がいなくなったとたんフリーズしていた3人が再起動する。
「・・・ぐは・はぁ・はぁ・なんていい人なんだ」
「でしょでしょ!やっぱり麗子ちゃんなのよ」
「うむ・・今度から師匠と呼ぼう」
ありさ、茜、ひかりが盛り上がっている。
・・師匠なんてよんだら怒られるよ?いや、あの人は喜ぶかもしれん。
「お前ら話し聞いてたか?転入生をこの部に入れてほしいってさ」
「いいんじゃない」
「うむ。師匠の推薦なら異論はないな」
「私も賛成だが、その転入生は何て子なんだ?」
「服部 彩。同じ1年生だ」
かつまが3人に名前を紹介した時であった。
「い、異議あり!!」「呼んだでござるか?」
ひかりが手を挙げるのと同時に声がする。
「うわぁ!いつからそこにいた!」
ホワイトボードの後ろから、彩がヒョコっと顔をだす。
「いつからでござるか?師匠と一緒に来たでござるよ」
彩は両腕を組み、首をかしげながらかつまの質問に答える。
何に驚いているのかが、わからないみたいだ。
・・・師匠とは校長の事だろう。すでに呼ばれちゃってるし。
ひかりが右目を押さえ、左手を真っ直ぐ伸ばし、彩に問いかける。
「ク、ク、ク。やはり貴様であったか・・。ここで会ったが100年目。よもや我を忘れておらんよのぉ」
「ムム。そなたは・・おぉ!ライニン殿!」
「だ、誰だそいつは!ライトニングじゃ!!」
やはり知り合いだったのかと、かつまは心の中で呟いた。


   出会うなり、取っ組み合いを始めるひかりとさやかにかつまは質問する。
「2人は知り合いなのか?」
「こやつは我の宿命のライバルじゃ」
「うむ。拙者の弟子でござるよ」
「だ、誰が誰の弟子じゃ」
再度、取っ組み合いを始めるひかりとさやか。
かつまは心の中で確認する。
・・一つわかった事がある。めんどくせぇーー。
茜はさやかを値踏みするような目を向け。
ありさは顔を赤くして、「ぐひっ」と笑うのであった。


  このままでは、話しが進まないとかつまは2人を引き離す。
「さやかは、転入生って事だが何組かわかったのか?」
かつまから話しかけられた彩は、かつまに目をむける。
「うむ。何やらえーくみーらしいのだが、何故くみ殿を拒絶するのか、理解ができないでござるよ」
・・・お前の頭が理解できないでござるよ。
「ク、ク、ク。これだからおつむの足りんやつには困ったものよ」
「オムツ?」
「おつむじゃ!!えぇいかつま!我は入部など認めんぞ!!」
ひかりが、バッと右手を横に振り、左手を胸のあたりで固く握りしめ、力説する。
「そんなにこの部に入りたいのであれば、我と勝負せい!」
彩に向けてひかりが、指をさす。
「拙者は、入る気などござらんのだが・・」
彩は首を横にふり、再度ひかりを見て告げる。
「しかし、売られた勝負はなんとやらでござる」
彩がひかりの前に行く。


「いざ、尋常に勝負!」
こうして、ひかりと彩による勝負が始まるのであった。


 彩の入部をかけて、勝負する事になったのだが、何で勝負するかで悩む2人。
「ふむ、あれは・・手裏剣術を極めている拙者に有利でござるよ」
「ク、ク、クク。魔を極めし我にかかれば、造作もないことよ。しかし、うぬが哀れすぎておススメできんわ」
・・・めんどくせぇ。
あーでもない、こーでもないと悩む2人に茜が立ちあがる。
「話しはわかったわ。ここは部長として2人に、公平な勝負を用意してあげる。ただし、彩が負けたらこの部に入部してもらうわ」
2人の前に仁王立ちで語る茜。
「入部でござるか・・拙者は誰かに使える気などないでござるよ」
「い、い、いっとくが、書記の座は渡さんからな!」
ひかりが彩に詰め寄る。
そんなひかりに、彩がつげる。






「・・興味ないでござる」




 かつまとありさが笑いを必死にこらえ、ひかりが口をあけて、固まっている。
そんな、空気を茜がかえる。
「書記はひかり以外ありえないわ。彩には秘書をやってもらうつもりよ」
この言葉にひかりが、当然!と復活する。
「秘書でござるか・・。はぁ・・拙者は”火影”がしたいでござるよ」
・・・絶対ムリだってばよ!!何部だよ?
かつまは心の中でつっこむ。
そんな彩に茜が首をふる。
「やはり彩には秘書の意味が解らないようね・・」
「ムム。秘書は秘書でござらんのか?」
彩は首をかしげる。
かつま、ありさ、ひかりも頭に?マークがとぶ。
そんな4人を見た茜はニヤリと口元を緩めて告げる。
「秘書は敵の裏をかくためのいわばおとり。ここまで言われてまだわからないかしら」
「・・・拙者にはわからんでござる」
そんな彩に茜はニヤリと笑い、告げる。
「秘伝の書よ!」
「おぉぉ!!」「そうでござったか!!」
ひかりと彩が目を輝かせて、茜に詰め寄る。
・・また、このパターンなのか。
「はい!はい!私が書記と秘書、両方やりたい」
ひかりが元気よく手をあげる。
あまりにもやりたいのか、ライトニング設定がとんでしまっている。
「むむ・・お主は書記とやらをやっておればよいではないか」
「お主こそ1人で火影でもやっておれ」
「き、貴様!!火影を愚弄するか!!」
「愚弄するわい!何故”暁”ではなく火影なのだ」
再び喧嘩をはじめる2人に、茜から雷が落ちる。
「あぁぁあ!うるさい!とにかく勝負よ!」
こうして2人の勝負が始まるのであった。


次回 第2章3 忍者?? 下


※ここまで読んで頂きありがとうございます。
あれ?っと思った方もいたかと思います。
当初、尋常に勝負!で終わる予定でしたが、そうすると”下”がかなり長くなる為、急遽下の冒頭部分を加えました。次回は”下”になります。かなり長くなる予定ですが最後まで読んでいただけたら嬉しいです。
では次回もお楽しみに。

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