勝部??

伊達\\u3000虎浩

第2章2 柔道?? 下

 皆の者待たせたな!!
これより語られる我の伝説の物語・・しかとその目に焼き付けろ!!
我の所有する生贄が助けてくれとこうべをたれるので、騎士として承ったと言うたのだが・・
(あっ本来、我は闇の力を所有する魔導士なのだが、ここでは騎士に任命されておる)
全く・・大将をやりたいなど何をたわけた事を・・馬鹿め!!
我はライトニング!!このせか


 かつまはひかりが書いてきた、議事録本文を消しにかかる。
・・なんで途中で自分のキャラ設定を説明するんだ。
仕方なくかつまが議事録を作りなおす。
 柔道部の危機というか詩織の夢?みたいな事を叶える事になった我ら勝負部。
夢とは団体戦に出て、皆で喜びを分かち合いたいという事だ。
そんなわけで団体戦にでる事になったのだが、誰が大将をやるのかでもめはじめた。
部長の茜が大将をかけた勝負をしかけるのだが・・。
なんの勝負かは言おう。
勝負内容はジャンケンだ。
正直ジャンケンの話しなど面白くないので議事録から割愛する。


 うん・・っと背伸びをしてかつまは、入力画面を閉じかけてある事を思い出す。
・・プロフィール作成か・・あぁめんどくせー。
詩織が男女混合ルールに違反しているけど、練習試合ならOKだと満面の笑みで言ってきた。
その為にはプロフィールをつくる必要があり、作成を命じられたかつま。
他校にプロフィールを送るのが現代の風習?というよりかは暗黙のルールだ。
これはどういう生徒かをお互い知るためらしい。
以前、喧嘩した事のある柔道部員同士の試合が、荒れた為にとられた措置らしい。
この話しを詩織から聞いたかつまは、確かにそうだろうな・・と思った。
・・男女混合で元カノ対元カレになったらやばいだろ・・修羅場だ。
昔は男女混合といっても、男性と女性のチーム制というだけで、試合は男性対男性、女性対女性だったのだが、男女差別撤廃の声があがり、今では男性対女性の試合もある。
・・世の中の旦那は奥さんに惨敗だけどね。
もし夫婦喧嘩で柔道をしたら・・と想像したが、空手でも惨敗だろう。


 いつの時代も主導権は奥さんが握っている。
財布のひもも奥さんが握っている。
あれれ?我等旦那様は何も握ってないと、思っただろう。
安心していい。
日曜日1週間に1度の休みの日にハンドルを握っている。
もしくは包丁を握っている。
あぁ何て残酷なんだろうと死んだ父親を思い返して、かつまは結婚願望が消える。
どうか・・どうか・・世の中旦那様方頑張ってほしいっす。
コーヒーを一口飲んで、プロフィール作成画面へとうつる。
・・え~と・・先鋒は・・と。


先鋒 三上 詩織 柔道歴 6年


次鋒 敗北 勝負 柔道歴 1週間(体育の実技) 


中堅 林道 茜 自己中歴 7年


副将 山月 ありさ 変態歴 5年


大将 結城 ひかり 中二病歴 3年


これでよし!とかつまが入力画面をとじる。
「フハハハハハ!!見たか愚民ども」
ひかりが大将になった時の発言である。
尚、さゆりはずっとニコニコ顔であった。
そんなに主役になれて嬉しいのかな?と俺に聞くのやめてほしいっす。
さゆりが明日から泣く事になるのが、かつまには解っていた。


次の日の放課後、柔道場にやってきた俺達。
それぞれ柔道着なのだが・・頭がいたくなる。
「おい茜。なぜ帯が金色なんだ」
「だって金色は1番の証じゃない!」
・・ほっとこう。
「おいありさ。なぜ英語が書いてある帯なんだ」
「知れた事を・・私はいつでも”ウエルカム”なのだ」
・・・ほっとこう。
「おいひかり。なぜ帯の色が紫なのだ」
「ク、ク、クククク。我の魔力に反応してしもうてのう・・すまんな」
・・・。
「さゆり先輩はなぜ、被り物を?」
「だ、だって”ここさけ”でしょ?逆に何で柔道着を着ているのよ」
さゆりは茜に詰め寄る。
「いいさゆり先輩。私達は柔道の演技を学ぶのよ!」
「え・・ん・・ぎ?」
「逆に聞くけど、さゆり先輩は受け身の演技できるの?柔道の構えかたは?」
「・・・できない・・です」
何だか自分がおかしいのかとオドオドしだすさゆり。
「そんなんでやる気あるの!」
「ハ、ハイ!!」
そこから地獄の猛特訓が始まるのであった。


 試合の日、相手校の柔道場にやってきたかつま達は困惑していた。
対戦相手を見た途端、茜が集合をかけた。
「な、何アレ?」
「いや何って対戦相手だろ」
「ぐ・・このままでは萌えれない」
「だ、騙したな!我に柔道とかいいおって・・ゴリラ狩りじゃないか・んぐ」
バっとひかりの口をおさえる。
「馬鹿、聞こえるぞ」
「安心せい。ゴリラに人類語は理解できまい」
かつまはチラっと対戦相手を盗み見る。
・・何で柔道着に”亀”って書いてだよ!流派が違うからね!
それを見たひかりが、かつまに抗議する。
「かつま、かつま!我の背中に”魔”を書くのだ!」
・・それも違う流派だからね。
詩織がこっちにやってきた。
「昨年の女子柔道優勝者よ香は」
・・・・。
女の子なの!!!
4人の気持ちは一つになった。


 試合前に円陣を組む我ら桜上水高校柔道部。
「こうやって円陣を組むの夢だった・・」
「泣くのは勝ってからだろう」
「かつまの言う通りよ」
「よいか!我の作戦に従うのだぞ」
「・・・・ぐひ」
よしゃーと掛け声と共に試合が始まるのであった。


 柔道。
日本の武道の一つで、素手で相手と、取り組み投げたりして勝敗を競うスポーツだ。
相撲は相手を土俵から追い出すか、相手の手足を地面につかせるスポーツに対して、柔道はいかに相手を投げ飛ばせれるかで勝敗が決まる。
ただ投げ飛ばすのではなく、相手の背中を綺麗につけた1本勝ちや、惜しかった場合の技ありなどで、点数を競ったりする。
それぞれ畳に正座して前を向く。
・・・?1人しかいない?
かつま同様他の4人も気付いた。
「お、おいなめられてるぞ」
「ふ、ふざけおって・・我の”ルミナスブレイク”をお見舞いしてくれようか」
「し、詩織負けるんじゃないわよ」
3人がそれぞれ檄を飛ばす。
詩織は怒っていた。
柔道とは紳士のスポーツだ。
1対5などありえない事だ。
「・・人数が足りないみたいだけど」
「あぁん?あたい1人で充分ってこったい」
この発言に5人は怒りを覚える。
「ふざけるな!」
かつまは立ち上がろうとする。
「ふざけてなんかいないさ。柔道経験者が1人に普通と自己中と変態と中二病・・1人で充分だろ」
あ・・マズい・・かつまは静かに座りなおす。
今の発言にかつま以外の4人は?マークだった。
「いいからきな」
こうして先鋒の試合が始まった。


 強い。
5人は相手がそれほど本気をだしているようには見られない。
「が、頑張れ詩織~」
ありさが声をはる。
「そこじゃ!ぶん投げろ」
ひかりが檄を飛ばす。
だが思いは届かず投げ飛ばされる詩織。
審判の男をみるが・・あ、あくびしてやがる!?
かつまが立ち上がろうとした所を、茜が手でとめる。
練習試合という事もあり、タイマー等を用意していなかったのだが、審判のあの態度は何だ・・。
「ハァ・・ハァ・・まだまだぁ」
詩織が相手をつかみにかかるが、かわされて転んでしまった。
「これだけかい?フフフハハハハハ」
・・まさか?
4人は理解した。
向こうは遊んでいる・・恐らく審判もグルなのだろう。
「ま、まだまだぁぁぁぁ」
フラフラしながらも、相手に掴みかかりに行く詩織。
どのくらい続いたのだろうか・・。
「もういい。もう立つな詩織」
かつまが、とめに立ち上がろうとするのを茜が再度手でとめる。
おいっと言いかけて、かつまは言えなかった。
固く握られた拳を震わせながら、それでも詩織の勇姿を逃すまいと詩織だけを見る3人。
「じゅ・・う・・ど・・!柔道はこんなものじゃない!」
詩織が何度目かわからないぐらい倒された・・が立ち上がろうとしている。
「ねぇ、かつま・・中堅とかわりなさいよ」
「いやいやここは私とだ。親友があんなになめられているのだぞ?」
「馬鹿をぬかすな・・まずは大将の我に相談せい。よいな?次は我がゴリラ狩りをしてくるわ」
こめかみに血管を浮きだたせ、開かれた目、全身をプルプル震わせる3人。
・・気持ちは同じか。
「やなこった。俺が倒してやんよ」
・・倒せるかって?そこじゃねぇんだよ!!!


 しかし事件がおきた。
詩織が倒され、ありさやひかり、かつまが応援している時だった。
詩織は気を失ってしまったみたいだ。
そこに相手が倒した相手に対して蹴り転がしたのだ。
このっと立ち上がろうとしたかつまの隣を、茶色い髪の女が飛び出した。
「このくそ野郎がぁぁぁぁあ」
鬼の形相で相手に向かう茜。
相手がひょいと茜を掴もうと、伸ばした手をさっとかわし、相手の懐に入り、伸ばした手をそのまま掴み自分の右肩に乗せ、相手の軸足を自分の足で蹴りあげる。
一本背負いという技だ。
「くたばれやぁぁぁぁぁぁぁ!」
畳の上に大きな音がなり、対戦相手が仰向けになって倒れている。
対戦相手は白目を向いて倒れていた。
受け身が間に合わなかったのだろう。
受け身はとても重要な役割を果たすと、地獄の特訓で詩織から聞かされていた。
フン!っと相手を見下ろす茜。
「ず、ずるいぞ」
抗議するありさとひかり。
それらを無視して茜は邪悪な笑みを浮かべて、審判の男につめよる。
「ほら?判定をいいなさいよ」
相手を威嚇するような声と態度。
そんな茜に審判がジャッジを下す。






「反則負け」




 茜はムキーっと帰り道で怒っていた。
順番を守らなかったという事で、残念ながら桜上水高校柔道部は負けてしまった。
しかし、心なしかそれを悔やむ者は誰一人としていなかった。
帰り道、気が付いた詩織に事情を説明して謝罪すると、彼女は首をふり満面の笑みで告げるのであった。


「私は皆に応援してもらえて大満足だった・・やっぱり柔道はやめられない。それに・・」


「柔道が・・大好きだから」


次回 第2章3 忍者??




※ここまで読んで頂きありがとうございます。
いかがだったでしょうか?
私個人としてはいいものがかけたのではと思う部分と、もう少し・・と反省する部分と半々です。
皆さまが楽しんで下されば幸いでございます。
では次回もお楽しみください。



















コメント

コメントを書く

「コメディー」の人気作品

書籍化作品