勝部??

伊達\\u3000虎浩

第2章2  柔道?? 上

 校長室の前で気合を入れる4人。
茜は元気よく、ありさはクールに、ひかりは謎のポーズと共に、そして俺は不機嫌に。
不機嫌にもなるさ。
”男なんだから!”という謎のルールで先に入れと言われたんだからな。
ホントあの名言は誰が広めたのであろう・・。
 かつまはしぶしぶ校長室をノックする。
・・返事がない。
ラッキーこれで帰れる♪
部屋に行ったけど居なかったという言葉は大好きだ!
謝罪しに行く時、気まずい気持ちなのが少し晴れるし、怒っているであろう相手も、わざわざ来てもらったのにと少し気まずくなる。
わざわざ2回も来させてしまってすいません・・と言われたら、こちらが悪いので気にしないでと言えば完璧。


 かつまがそんな事を考えていると目の前のドアがあく。
どうやら電話中のようでその手にはリモコンが握られていた。
「・・スイマセン・・ハイ・・ハイ・・ハ・・では」
校長先生が電話で相手にペコペコしてる姿は出来れば見たくない・・。
4人共校長と目が合わないように校長室の中をチラチラ盗み見する。
「〇ね!このハゲ!!!」
その言葉に4人はますます居心地が悪くなる。
「あぁ。待たせて悪かったね。丁度ハゲ・・じゃなく理事長とお話しをしていた所だったんだ」
いや、逆に特定できてしまうから言い直さずハゲで通してほしい・・。
「おや?かつま君ではないか?」
かつまが人気者というわけではない。
単純に1年生の男子生徒はかつまだけなので、この学園の生徒や教師陣はかつまの名前だけは知っている。
 校長は立ち上がるとかつまの前にくる。
「え?かつまあんたれいこちゃんと知り合いなわけ?」
「おぉ!さすが我が終生のライバルかつま」
「かつまは年上もいけるのか・・さすがだ」
・・いけるってどういう意味か聞いてやろうか?いやセクハラ行為か・・。
3人が自分に羨望の眼差しを向けてくる。
「知り合いも何も・・」
かつまが何と言おうか迷っていると麗子が説明する。
「かつま君はだな、私の朝の朝礼に感動を覚えたと言ってだな、私に賛同してくれたのだよ!あの後私は教頭に怒られたんだが、かつま君が感動できたなら怒られたってへっちゃらさ」
あごに手を当て、へっちゃらの部分で両手を広げる麗子。
・・マズい・・マズいマズいマズい!!
「へ~」とか「そうなんだ~」っと言っている3人に、麗子が「見たまえ」と黄金に輝く枠、その中央にでかいモニターがあり文字が書いてあった。


「可愛いは正義」


桜上水高校 校長 西園寺 麗子


校長先生の話しに感動しました!
自分もそう思います。


1年A組 敗北 勝負


 やはりあの時のやつだ・・
おそるおそる3人の方を向く。
あぁぁああああそんなゴミを見るような目でみないで!!
確かに感動はしてないが可愛いは正義なんだよ!!
や、やめろぉぉお!!
声に出して苦笑いをやめろ!!
茜!!かつまの分際でとか意味解らないからね?
アイドルやイケメンならいいんですか?
ひ、ひかり!!ライトニング設定はどうした?
素にもどっているぞ!!!
あ、ありさ!!
なんでお前だけ感心したようにうなずくんだ・・。
かつまをゴミと思ったのは茜とひかりの2人だけであった。


 話しがそれてしまっている為、かつまは話題を本題へと変える。
このままでは気まずいという気持ちも多少あったが、重要度はそっちだと3人共納得する。
「実は先生にお願いがありまして・・俺達の部活の顧問を引き受けて頂けませんか?」
・・これでは俺が校長先生に頼もうと言い出した張本人みたいじゃねぇか。
あんたが言い出したんだだから、あんたが言いなさいと言われたみたいに見えてしまう。
「顧問?フム・・」
麗子はあごに手を当て少し考え込んだ後、かつまではなく茜をみる。
ふざけていたさっきまでの表情とは違う真面目な表情。
その真剣な眼差しに4人は緊張する。
茜の前まできた麗子は茜の目を見てたずねる。
「さて茜君。君たちが誘う部活とやらを聞こうじゃないか」
麗子に聞かれた茜は真剣な表情で麗子に答える。
「勝負部です」
見つめ合う2人を見つめる3人。
(フフ。君の答えはそれか・・)
ふっと口元を緩めた麗子は4人をそれぞれ見渡し大げさに両手をあげる。
「いいだろう。私が可愛い幼女の為に人肌脱ぐとしよう!」
どうやら顧問を引き受けてくれるらしい。
お礼を伝えて部室に戻る4人。
 校長室の椅子に座って、麗子は昔の事を思い出して苦笑いする。
「やれやれ・・昔の事を思い出すとは・・歳はとりたくないものだ」
深く座り直し麗子は目を閉じるのであった。


 部室に戻ってきた4人はそれぞれの席につく。
流石に緊張疲れが隠せない。
「れいこちゃんが引き受けてくれてよかったわ」
茜にしては珍しく弱気だ。
「・フフ・わらわの力・・思い知ったか」
お前は何もしていないがな。
「茜。一つ聞くがこの部活は勝たせる部で間違いないのだな?」
ありさがたずねる。
「ええそうよ」
茜がありさを見て答える。
フム・・っと言ったありさは茜、かつま、ひかりを見渡して頭をさげてきた。


「できたら柔道部をたすけてやってくれないか」


次回 第二章2 柔道?? 中




※さて、今回はいかがだったでしょうか?
麗子というキャラクターは個人的に好きなキャラクターです。
皆さんにも好きになっていただけたらと思います。
次回から遂に部活開始です。
最後までお付き合いいただけたら嬉しいです。







































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