世界を救った俺は魔王軍にスカウトされて
第一章 プロローグ
高校生である俺は、学校が終わると真っ先に帰宅し、自宅に帰ってゲームをしていた。
今日は待ちに待った日であり、重要な日でもあった。
彼が今日という日の為に、鍛え上げた精鋭達。しかし、待ちに待った日は意外とあっけなく幕を閉じてしまった。
「・・・あっけなかったな」
俺は自室のベッドに腰掛け、TV画面を見ながらそんな事を呟いていた。
最後の魔王サタン戦を始めてから、まだ少ししか経っていない。
相手が弱すぎたのか、自分が強くしすぎてしまったか…恐らくは後者だろう。
それもそのはずで、俺がこの日の為に鍛え上げた勇者のLvは88。その他のパーティーメンバーも、Lv80以上あるのに対し、敵は魔王サタン1体しかおらず、しかもこの自分が操作しているというのだから、当然っちゃ当然かと思い至った所で、考えるのをやめた。
考えるのをやめた俺は、TV画面に目を戻すと、勇者が何か黒い玉を手に取り、町に戻っているところであった。
大抵のRPGというのは、エンディングの後にスタッフロールが流れたり、エンディング曲が流れたりした後、2周目、いわゆる裏面というものがある。
明日は高校も休みだ。
とりあえず飲み物を取りに行ってから2周目をプレイするかを考えよう。
そう思った俺は、ベッドから腰を浮かせ、1階に飲み物を取りに行く事にした。
「さて、裏面があればいいが、無かった場合はどうするか・・」
そんな事を呟きながら、飲みものを手に取り、2階の自分の部屋に戻った。
ベッドに腰掛けTV画面に目を向けたところで、俺は固まってしまう。
思わず、手に持ったグラスと、ペットボトルを落とすところであった。
それほどの衝撃だったのだ。
何とか落とさずに済んだが、しかし、これは一体何なんだ?
俺が目を戻したTV画面には四文字の言葉があり、その下にYES/NOのコマンド入力の画面。
しかし、それだけでは固まってしまう理由にはならないだろう。
TV画面にはこう書かれていたのだ。
 「WARP?」と。
_______________
俺はTV画面を見ながら、考え込んでいた。
「飲み物を取りに行っている間に、何か映っていたのか、または書かれていたのか・・。ワープ?だと…イエスかノーか。ノーを選んだ場合、セーブポイント…すなわち、また魔王サタン戦をやり直すのか?ならばイエスを選ぶべきなのだが、しかし選んだ場合何処にワープするのかが解らない…くそ!飲み物なんか、後で良かったのに」
いや、考えても仕方が無い。
どうせ、始まりの城にでもワープするのだろうと、イエスの所にカーソルを合わせてボタン押す。
「・・・わ」
イエスを押した後、何かを言われた気がしたが、俺はそこから何が起きたのか解らなかった。いや、理解できなかったが正しいのかもしれない。
何故なら、TV画面が光ったかと思うと、目の前がどんどん真っ暗になっていく。
気がつけば俺は、ベッドの上に倒れ込んでしまっていた。
_________________
俺を、呼ぶ声が聞こえる。
「オイ・・・」
「いい加減・・・」
「だぁぁぁあ!もう!いい加減起きなさい!」
頭に強い衝撃を受け、俺は目を覚ます。
俺は上体を起こして、辺りを見渡すと、一人の小さな女の子の姿が目に入った。
青く長い髪に金色の瞳、ボンテージ服を着ている女の子。歳は13か14ぐらい・・おそらく外人さんなのだろう。
あまり豊かとはいえない胸、身長は140㎝ぐらいか?いやしかし、今はそれどころではない。
俺は、その幼女に注意する事にした。
「誰かは知らないが、勝手に人のお家にあがるのはいけない事だと、お母さんやお父さんに教わらなかったのか?」
俺は、優しく微笑みながら注意したのだが、注意された女の子は、首をかしげていた。
「は?何言ってるの?ここは魔王城で私の部屋よ。あんたは私に召喚されたんだから、いわば私のしもべ」
(ん?召喚?魔王城?)
女の子にそう返され、今度は俺が首をかしげる番であった。俺が固まっていてもおかまいなしにと、女の子は続ける。
「あんたには、特別にアリスと呼ばせてあげる!感謝しなさい」
アリスと名乗る少女が、不敵な笑みを浮かべ、指をビシッと向けてきた。
私の部屋?召喚?魔王城?いったいコイツは何を言っているのかと思った俺は、辺りを見渡す事にした。
(ちょ、じ、自分の部屋じゃない!?)
驚いた俺は、思わず飛び起きてしまう。
(いやいや待て待て!自分の部屋じゃないぞ…は?何処だここは)
再度、辺りをゆっくりと見渡す。
体育館ぐらいの広さの部屋。中央に不自然に置かれている豪華なイス。天井はとてつもなく高い。
(さっきまで自分の部屋にいたよ・・な?夢でも見ているのか・・?)
俺は、今の状況が理解できなかった。理解できない、解らないなら、解る人に教えてもらうしかない…とは、至極当たり前の事である。
俺は、アリスと名乗る少女に尋ねる事にした。
「アリスちゃんっていったかな?ここは何処なのかなって・・イテッ」
俺は、質問している最中に、アリスに頭を叩かれてしまった。
「いい!次に"ちゃん"なんて付けて呼んだら、殺すわよ!これでも16歳!立派な大人なんだから」
腕を組みながらプイっと顔を背けるアリス。どうやら、子供扱いされた事に対し、怒ったようだ。
(16歳は大人じゃないけどな!しかも同い歳かよ…にしても、殺すって、おい?親は一体どんな教育をしてんだ?)
心の中でツッコミをいれた所で、俺は驚愕することとなる。
何故なら、アリスの背中に黒い羽?いや、翼みたいなのが、生えている事に気付いたからだ。
黒くてでかい翼は、漫画やアニメなどでよく見るものであり、俺はアリスの姿を見て思わず唾を飲み込んでしまう。
「ちょ、ちょっと待て…ま、まさか…アリスは…そ、その、悪魔なのか…?」
恐る恐る俺は、アリスに尋ねてみた。
「そうよ」
質問をされたアリスは、両腕を組みながら、勝ち誇った顔で返事を返してきた。
そして、真剣な表情でこう言うのだ。
「いい!私は魔王サタンの娘。名はアリス。今は亡きお父様に代わりこの魔王軍を率いているいわば王女ってわけ。あんたは今日から私のしもべとして、この魔王軍を助けるのに働いてもらうわ」
そんな言葉をかけられた俺はというと、何を言われているのかが、全く理解できていなかった。
今日は待ちに待った日であり、重要な日でもあった。
彼が今日という日の為に、鍛え上げた精鋭達。しかし、待ちに待った日は意外とあっけなく幕を閉じてしまった。
「・・・あっけなかったな」
俺は自室のベッドに腰掛け、TV画面を見ながらそんな事を呟いていた。
最後の魔王サタン戦を始めてから、まだ少ししか経っていない。
相手が弱すぎたのか、自分が強くしすぎてしまったか…恐らくは後者だろう。
それもそのはずで、俺がこの日の為に鍛え上げた勇者のLvは88。その他のパーティーメンバーも、Lv80以上あるのに対し、敵は魔王サタン1体しかおらず、しかもこの自分が操作しているというのだから、当然っちゃ当然かと思い至った所で、考えるのをやめた。
考えるのをやめた俺は、TV画面に目を戻すと、勇者が何か黒い玉を手に取り、町に戻っているところであった。
大抵のRPGというのは、エンディングの後にスタッフロールが流れたり、エンディング曲が流れたりした後、2周目、いわゆる裏面というものがある。
明日は高校も休みだ。
とりあえず飲み物を取りに行ってから2周目をプレイするかを考えよう。
そう思った俺は、ベッドから腰を浮かせ、1階に飲み物を取りに行く事にした。
「さて、裏面があればいいが、無かった場合はどうするか・・」
そんな事を呟きながら、飲みものを手に取り、2階の自分の部屋に戻った。
ベッドに腰掛けTV画面に目を向けたところで、俺は固まってしまう。
思わず、手に持ったグラスと、ペットボトルを落とすところであった。
それほどの衝撃だったのだ。
何とか落とさずに済んだが、しかし、これは一体何なんだ?
俺が目を戻したTV画面には四文字の言葉があり、その下にYES/NOのコマンド入力の画面。
しかし、それだけでは固まってしまう理由にはならないだろう。
TV画面にはこう書かれていたのだ。
 「WARP?」と。
_______________
俺はTV画面を見ながら、考え込んでいた。
「飲み物を取りに行っている間に、何か映っていたのか、または書かれていたのか・・。ワープ?だと…イエスかノーか。ノーを選んだ場合、セーブポイント…すなわち、また魔王サタン戦をやり直すのか?ならばイエスを選ぶべきなのだが、しかし選んだ場合何処にワープするのかが解らない…くそ!飲み物なんか、後で良かったのに」
いや、考えても仕方が無い。
どうせ、始まりの城にでもワープするのだろうと、イエスの所にカーソルを合わせてボタン押す。
「・・・わ」
イエスを押した後、何かを言われた気がしたが、俺はそこから何が起きたのか解らなかった。いや、理解できなかったが正しいのかもしれない。
何故なら、TV画面が光ったかと思うと、目の前がどんどん真っ暗になっていく。
気がつけば俺は、ベッドの上に倒れ込んでしまっていた。
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俺を、呼ぶ声が聞こえる。
「オイ・・・」
「いい加減・・・」
「だぁぁぁあ!もう!いい加減起きなさい!」
頭に強い衝撃を受け、俺は目を覚ます。
俺は上体を起こして、辺りを見渡すと、一人の小さな女の子の姿が目に入った。
青く長い髪に金色の瞳、ボンテージ服を着ている女の子。歳は13か14ぐらい・・おそらく外人さんなのだろう。
あまり豊かとはいえない胸、身長は140㎝ぐらいか?いやしかし、今はそれどころではない。
俺は、その幼女に注意する事にした。
「誰かは知らないが、勝手に人のお家にあがるのはいけない事だと、お母さんやお父さんに教わらなかったのか?」
俺は、優しく微笑みながら注意したのだが、注意された女の子は、首をかしげていた。
「は?何言ってるの?ここは魔王城で私の部屋よ。あんたは私に召喚されたんだから、いわば私のしもべ」
(ん?召喚?魔王城?)
女の子にそう返され、今度は俺が首をかしげる番であった。俺が固まっていてもおかまいなしにと、女の子は続ける。
「あんたには、特別にアリスと呼ばせてあげる!感謝しなさい」
アリスと名乗る少女が、不敵な笑みを浮かべ、指をビシッと向けてきた。
私の部屋?召喚?魔王城?いったいコイツは何を言っているのかと思った俺は、辺りを見渡す事にした。
(ちょ、じ、自分の部屋じゃない!?)
驚いた俺は、思わず飛び起きてしまう。
(いやいや待て待て!自分の部屋じゃないぞ…は?何処だここは)
再度、辺りをゆっくりと見渡す。
体育館ぐらいの広さの部屋。中央に不自然に置かれている豪華なイス。天井はとてつもなく高い。
(さっきまで自分の部屋にいたよ・・な?夢でも見ているのか・・?)
俺は、今の状況が理解できなかった。理解できない、解らないなら、解る人に教えてもらうしかない…とは、至極当たり前の事である。
俺は、アリスと名乗る少女に尋ねる事にした。
「アリスちゃんっていったかな?ここは何処なのかなって・・イテッ」
俺は、質問している最中に、アリスに頭を叩かれてしまった。
「いい!次に"ちゃん"なんて付けて呼んだら、殺すわよ!これでも16歳!立派な大人なんだから」
腕を組みながらプイっと顔を背けるアリス。どうやら、子供扱いされた事に対し、怒ったようだ。
(16歳は大人じゃないけどな!しかも同い歳かよ…にしても、殺すって、おい?親は一体どんな教育をしてんだ?)
心の中でツッコミをいれた所で、俺は驚愕することとなる。
何故なら、アリスの背中に黒い羽?いや、翼みたいなのが、生えている事に気付いたからだ。
黒くてでかい翼は、漫画やアニメなどでよく見るものであり、俺はアリスの姿を見て思わず唾を飲み込んでしまう。
「ちょ、ちょっと待て…ま、まさか…アリスは…そ、その、悪魔なのか…?」
恐る恐る俺は、アリスに尋ねてみた。
「そうよ」
質問をされたアリスは、両腕を組みながら、勝ち誇った顔で返事を返してきた。
そして、真剣な表情でこう言うのだ。
「いい!私は魔王サタンの娘。名はアリス。今は亡きお父様に代わりこの魔王軍を率いているいわば王女ってわけ。あんたは今日から私のしもべとして、この魔王軍を助けるのに働いてもらうわ」
そんな言葉をかけられた俺はというと、何を言われているのかが、全く理解できていなかった。
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