おうこく!
第2章5 ミツバとヨツバ 上
『登場人物』
水瀬 りの
現役高校生アイドル。不運な事故にあって死んでしまったが、神さまが半分生き返らせてくれた。
生き返る為には、何もない荒野に国を作る事である。
アリア
りのの手助けをする為、神さまからいただいた妖精。
1日3回まで、お助けアイテムをだしてくれる。
【本編】
モグ助と勝負する事になったりのは、辛くも勝利を収める。だがしかし、使ったカードの数は10をこえてしまった。
「また、リベンジに来るモグ〜」
「お、お断りよ!」
何のカードを何枚使ったのかを記憶する事がこの勝負の鍵となるのだが、あんなにテンポ良くカードを切っていたら、覚える事など皆無である。だがしかし、幸いな事にAとKは使わずに済んだ。
「り、りの!奴等じゃ」
「クスクスクス。追いついちゃった」
「スクスクスク。勝負マスについちゃった」
「ふん。そこで時間でも潰してなさい。アリア」
どうやらミツバとヨツバはりの達と同じマスである、勝負マスに止まってしまったようだ。二人が勝負している間に、できるだけ進んでおこう。
「り、りの!!ススス、スマン」
「・・・最後のA」
アリアにトランプを引かせると、最後の一枚であったAを引いてしまう。
「クスクスクス。残念」
「スクスクスク。無念」
「だ、大丈夫だから・・泣かないの・・ね?」
「す、すまぬ・・」
何も無いマスに止まり、5分経つのを待つりのとアリアはミツバとヨツバの勝負マスでの勝負を見ようと話しあうのだが、そんな二人の会話を無視しするように、ミツバはやまからジョーカーを取り出した。
「スクスクスク。この勝負マスはパスするよ」
「クスクスクス。15分くらいかかりますから」
「り、りの・・ワシらもジョーカーを使った方が良かったのではないか?」
「いえ。それは違うわ。考えてみて」
ミツバとヨツバはジョーカーを使って、自分達の後ろにいる。
りのとアリアはジョーカーを使わずにミツバとヨツバの前にいる。
この先何があるか解らない以上、優勢なのは自分達だと、りのは考えていた。
「さぁ、勝負はこれからよ」
お互いにトランプを引き、再度歩き始めるのであった。
ーーーーーーーーーー
チャレンジマスをクリアーしたり、3マス進めるマスに止まったりと、とにかく先を急ぐりの。
「り、りの!」
「・・・やっぱりね」
現在りの達は、1〜6進むとスタート地点に戻りマスの上に止まってしまう、地獄ゾーンエリアに来ていた。Aはないのだから、問題は2〜6を進まなければ問題ない。万が一進んだ場合は、ジョーカーを使う事をアリアに相談する。
「ここの為にジョーカーを残しておったのか」
「そういう事。すごろくゲームの定番のマスが必ずあると思ったわ」
しかし、ここで問題が発生してしまう。言うまでもなく、トランプの残り枚数である。先ほどの勝負マスで10枚失ってしまったのが、ここにきて痛い出費となっていた。
「やはり先ほどの勝負でトランプを失ってしもうたのは痛かったのぉ」
「ええ。けど、冷静に考えてみるといい事だったのよ」
「ん?何故じゃ?」
あれだけテンポ良くカードを切っていたりのは、覚えられないと泣きそうになっていたが、冷静に考えてみると、どのカードを使っていたかが見えてくる。
「私とモグ助が1枚ずつカードを引いた時点で15の数字になっていたわ。そこから交互に引いていき、向こうがどぼんした。残り85に対して私達は10枚カードを切っているってこと」
「う、うむ・・そ、そうじゃな」
「私達が全て2だった場合は20。3だった場合は30。4だった場合は40なのよ。けど、トランプには4種類のマークしかないから10回全てが2なのは有り得ない」
「確かにそうじゃな」
「例えば、私達が10回AとKを除く全てのカードを使った場合、2+3+4+5+6+7+8+9+10で、最初の2を足すと、56になるわ」
「す、すまぬ。頭が痛くなってきた」
「100から56を引いて残り44で相手がどぼんした。相手が10回目でどぼんしたということからして、44を10回目でこえる可能性は低い。相手は全てのカードを2枚ずつもっていて、最初のカードは12。最後のカードは13で残り90の時に引いてどぼん。つまり、最初の15から私達の引いたトランプの合計が56だと仮定した場合、15+56で71。相手が残り9回で90の時に13でどぼん。つまり、8回引いた時に19に収まる確率はないのよ」
「待てまて。要はなんじゃ?何が言いたいのじゃ」
「要するに私達が持っているカードは大きい数字しか残っていない可能性があるのよ」
つまり、ここはジョーカーを使わずとも、突破できる可能性があるということだ。りのの予想は当たっていた。仮にモグ助が全て弱い数字だとしよう。最初の12と13を除外した場合、A〜4を2回ずつの計8枚引いた場合、2+4+6+8で20となる。つまり、りの達は56以下の数字だというわけだ。
「良し。8ね」
何とかスタート地点に戻りマスを回避したりのであったのだが・・。
「嘘・・。」
ゴールまで残り256マス!という、看板が立てかけられていたのであった。
次回      ミツバとヨツバ    中
水瀬 りの
現役高校生アイドル。不運な事故にあって死んでしまったが、神さまが半分生き返らせてくれた。
生き返る為には、何もない荒野に国を作る事である。
アリア
りのの手助けをする為、神さまからいただいた妖精。
1日3回まで、お助けアイテムをだしてくれる。
【本編】
モグ助と勝負する事になったりのは、辛くも勝利を収める。だがしかし、使ったカードの数は10をこえてしまった。
「また、リベンジに来るモグ〜」
「お、お断りよ!」
何のカードを何枚使ったのかを記憶する事がこの勝負の鍵となるのだが、あんなにテンポ良くカードを切っていたら、覚える事など皆無である。だがしかし、幸いな事にAとKは使わずに済んだ。
「り、りの!奴等じゃ」
「クスクスクス。追いついちゃった」
「スクスクスク。勝負マスについちゃった」
「ふん。そこで時間でも潰してなさい。アリア」
どうやらミツバとヨツバはりの達と同じマスである、勝負マスに止まってしまったようだ。二人が勝負している間に、できるだけ進んでおこう。
「り、りの!!ススス、スマン」
「・・・最後のA」
アリアにトランプを引かせると、最後の一枚であったAを引いてしまう。
「クスクスクス。残念」
「スクスクスク。無念」
「だ、大丈夫だから・・泣かないの・・ね?」
「す、すまぬ・・」
何も無いマスに止まり、5分経つのを待つりのとアリアはミツバとヨツバの勝負マスでの勝負を見ようと話しあうのだが、そんな二人の会話を無視しするように、ミツバはやまからジョーカーを取り出した。
「スクスクスク。この勝負マスはパスするよ」
「クスクスクス。15分くらいかかりますから」
「り、りの・・ワシらもジョーカーを使った方が良かったのではないか?」
「いえ。それは違うわ。考えてみて」
ミツバとヨツバはジョーカーを使って、自分達の後ろにいる。
りのとアリアはジョーカーを使わずにミツバとヨツバの前にいる。
この先何があるか解らない以上、優勢なのは自分達だと、りのは考えていた。
「さぁ、勝負はこれからよ」
お互いにトランプを引き、再度歩き始めるのであった。
ーーーーーーーーーー
チャレンジマスをクリアーしたり、3マス進めるマスに止まったりと、とにかく先を急ぐりの。
「り、りの!」
「・・・やっぱりね」
現在りの達は、1〜6進むとスタート地点に戻りマスの上に止まってしまう、地獄ゾーンエリアに来ていた。Aはないのだから、問題は2〜6を進まなければ問題ない。万が一進んだ場合は、ジョーカーを使う事をアリアに相談する。
「ここの為にジョーカーを残しておったのか」
「そういう事。すごろくゲームの定番のマスが必ずあると思ったわ」
しかし、ここで問題が発生してしまう。言うまでもなく、トランプの残り枚数である。先ほどの勝負マスで10枚失ってしまったのが、ここにきて痛い出費となっていた。
「やはり先ほどの勝負でトランプを失ってしもうたのは痛かったのぉ」
「ええ。けど、冷静に考えてみるといい事だったのよ」
「ん?何故じゃ?」
あれだけテンポ良くカードを切っていたりのは、覚えられないと泣きそうになっていたが、冷静に考えてみると、どのカードを使っていたかが見えてくる。
「私とモグ助が1枚ずつカードを引いた時点で15の数字になっていたわ。そこから交互に引いていき、向こうがどぼんした。残り85に対して私達は10枚カードを切っているってこと」
「う、うむ・・そ、そうじゃな」
「私達が全て2だった場合は20。3だった場合は30。4だった場合は40なのよ。けど、トランプには4種類のマークしかないから10回全てが2なのは有り得ない」
「確かにそうじゃな」
「例えば、私達が10回AとKを除く全てのカードを使った場合、2+3+4+5+6+7+8+9+10で、最初の2を足すと、56になるわ」
「す、すまぬ。頭が痛くなってきた」
「100から56を引いて残り44で相手がどぼんした。相手が10回目でどぼんしたということからして、44を10回目でこえる可能性は低い。相手は全てのカードを2枚ずつもっていて、最初のカードは12。最後のカードは13で残り90の時に引いてどぼん。つまり、最初の15から私達の引いたトランプの合計が56だと仮定した場合、15+56で71。相手が残り9回で90の時に13でどぼん。つまり、8回引いた時に19に収まる確率はないのよ」
「待てまて。要はなんじゃ?何が言いたいのじゃ」
「要するに私達が持っているカードは大きい数字しか残っていない可能性があるのよ」
つまり、ここはジョーカーを使わずとも、突破できる可能性があるということだ。りのの予想は当たっていた。仮にモグ助が全て弱い数字だとしよう。最初の12と13を除外した場合、A〜4を2回ずつの計8枚引いた場合、2+4+6+8で20となる。つまり、りの達は56以下の数字だというわけだ。
「良し。8ね」
何とかスタート地点に戻りマスを回避したりのであったのだが・・。
「嘘・・。」
ゴールまで残り256マス!という、看板が立てかけられていたのであった。
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