おうこく!

伊達\\u3000虎浩

第1章2 王国記念日

 子供を助けた事により死んでしまったりのだったのだが、神さまのはからいにより生き返れる事になった。
しかし、生き返るには条件があり、その条件とは何もない荒野に国を作るというものであった。


 神さまがいなくなった後、りのは馬小屋の近くに座りこんで考えていた。
「国を作る・・国を作る・・国・・」
両腕を組み、目を閉じ、1人ブツブツと何度も何度も繰り返し呟く。
何かに閃いたりのは、ハッと顔をあげる。
「こういう時こそのアニメじゃない!アニメは世界を救う!日本の宝だわ」
自分がアニメ大好きっ子でよかったぁ〜など呟きながら、りのは再び考える。
あごに手を当て首をかしげ、時には首を横に振って考える。
「”サククエ”は町興し・・”甘ブリ”はテーマパーク・・アレ?国を作るアニメなんてあったかしら?」
そんな事を考えているりのに、声がかけられる。
「ねぇ・・ねぇってば!もし、も〜し」
声をかけたのは、神さまから授かった妖精アリアである。
「あっごめん。考え事してた。何?アリアちゃん」
呼ばれた方に顔を向ける。
「アリアでいいわ。そんな事よりお腹すいた」
「えっ?妖精でもお腹すくの!?」
「そりゃぁすくでしょ?生きてるんだから」
「妖精って生き物だったんだ・・」
りのはいろんな意味で驚ろく。
お腹がすいたのはアリアだけではない。
しかしここには食べ物どころか、何もない荒野だ。
「う〜ん・・あっそうだ!お助けアイテム!」
神さまから授かった妖精アリアは、1日3回までお助けアイテムをだしてくれると、神さまから言われた事を思い出した。
「ねぇ?アリア。携帯をだしてくれない?」
携帯さえあれば全てが解決する。
グーグル先生は、りのにとって偉大な神さまなのだ。
無人島での暮らし方でもググれば、直ぐに食料でも、国でも作れて生き返れる!そう考えたのだが・・後々考えが甘かったと携帯を握りしめながら、りのは涙する。


 アリアに携帯をだしてと頼んだのだが、アリアは携帯を知らなかった。
何とか携帯を身振り手振り、時には地面に絵を書いて説明した。
説明を受けたアリアは「凄いなそのアイテムは」といいながら、右手をあげる。
「あっ。1ついい忘れていたが最初のお願い事は初回サービスで聞くが、次回からはランダムになるぞ。本当にその携帯とやらでいいんだな?」
右手をあげながら、アリアはりのにたずねる。
全然OK!とアリアに返事を返す。
偉大な神が私に降臨する。
神が右手にやどれば、怖いものなどない。
「ではいくぞ・・・シポル」
呪文らしきモノを唱えたアリアの右手が光り、光の中から何かがでてきた。
そこに現れたのは、普段から愛用している愛しの携帯であった。
女の子にとって携帯は命の次に大切だと言っても過言ではない。
それがようやく手に入った。
涙ぐみながらりのは、携帯の電源ボタンを長押しする。
携帯がついて画面が映し出された。




(充電してください)


 画面を見たりのは固まってしまい、命の次に大切な携帯を地面へと落とす。
「あぁぁぁあ!!私のバカぁぁぁ」
両手で頭を抱え、空に向かって絶叫する。
「”イセスマ”の大ファンなら覚えてなきゃダメじゃない!私の・私の・私のバカバカバカー」
携帯を充電するには、充電器がいるというのは常識であり、充電器を使うには電気がいるというのも常識である。
りのは地面に膝まついて、地面を何度も叩く。
その様子にアリアは首をかしげるのであった。


 携帯を馬小屋において再度どうするか考える。
「なぁなぁ。お腹すいたぞ」
アリアが、りのの鼻先でお腹を抑えながら話しかける。
「わ、私だってすいたわよ!でも草も木も湖もないんじゃどうしようもないの」
りのは体育座りしながら泣きそうになる。
「ダメダメ!ポジティブに考えましょう。今日から国を作るんだから、今日は王国記念日となる大事な日。そんな日に落ち込んでなんていられない!」
首を横に振って自ら気合いをいれなおす。
「そういえば・・建国記念日って確かあったような・・アレ?何月だったかしら?あっ!携帯で調べ・・られないか。いつも気にしてなかったけど、カレンダーって大事よね。携帯も大切な日なら、その日の携帯画面にでっかく書いておくべきよ」
1人ブツブツ言うりのに、アリアが提案してきた。
「木があれば、食べ物があるのか?それならあっちに行けばあるぞ」
アリアは右手で方角をしめす。
「えっ!?そうなの?ありがとうアリア」
りのはすくっと立ち上がる。
早速行こうと思ったのだが、服装が気になる。
「・・この格好で大丈夫かな」
りのの格好は制服姿である。
 灰色のセーラー服、更に2月は寒いのでカーディガンで完全防御している。
靴は学校の靴なので歩くのには苦労しない。
「木に向かうだけだけど、汚しちゃったら大変だよね・・」
とりあえずブレザーと胸元のスカーフを外して、中のTシャツを脱ぎ馬小屋に置く。
それからYシャツの上にカーディガンをはおる。
流石にスパッツをはいているがスカートは脱げない。
「・・これでよし」
小さくガッツポーズして、気合をいれ直し、アリアにたずねる。
「木の場所って遠いの?ここに戻って来られる?」
そう言われたアリアは、両腕を頭の後ろで組みながらりのに答える。
「大丈夫、大丈夫」
なんだかとても不安になるが、ここにいても何も始まらない。
「・・・よし行こう!」
こうしてりのはアリアと共に食料確保の為、木を目指すのだったのだが・・・。






「たたたたた助けてーひぃぃ」
とても苦戦していた。


次回第1章3  りのの冒険


※いかがだったでしょうか?
恥ずかしながら最近の女子高生の格好や制服の名称などが解らず、グーグル先生に教わりながら書きました。
間違えていたらごめんなさい。
よければ教えて頂けると嬉しいです。
さて作中にもありました建国記念日が何日かわかりますか?
今回調べて私もしりました(笑)
あ、解らなかった方はグーグル先生に教わって下さい。
では引き続きお楽しみください。





















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